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ALMA
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コメント
3件
めっちゃ悲しかった😭 これ他のサイトでも見ました!!! そして面白かったです!
悲しい;; 四季くん;; 俺こういう奴泣いちゃうんだよ;; 涙線崩壊;; ますしきならなおさら、だ;;
第2話、読み終えました……胸がぎゅっとなりました。 四季くんが命の最後にやっと告げた「好き」と、それに応えた真澄さんの「好き」——あの場面は何度も読み返してしまいました。物語の流れとしては、失ってから初めて本音を出す切なさが印象的でしたね。特に、遺骨をダイヤモンドにして指輪の“裏”に仕込むラストが、真澄さんなりの愛の形でとても心に残りました。完結お疲れ様でした、素敵な作品でした🌷
戦争が終結した。大きな損失を互いに追って。
その中でも淀川真澄は酷く大きなものを失ってしまった。
一ノ瀬四季を。
恋も愛も知らないで、必要ともしないで生きてきた真澄の世界に四季はヅカヅカと入り込んできたと思えば、椅子を持ってきて居座った。
自覚はしたくは無かった。だから目を背けていた、純粋でまっすぐ真澄を見つめる四季の瞳から。
でも、四季は終焉の地で寿命を終わらせた。話し合いに応じさせたと分かった瞬間に四季は笑みを浮かべて倒れ込んだ。
地面と衝突する寸前で真澄は四季を抱き抱えた。ボロボロどころでは無い、血に塗れ指先が自身の炎で焼けている。
焦点もまともに合わない瞳で四季は黒い瞳を射抜いた。
そして、掠れた細い声で真澄に愛を囁いた。
「、ま…すみ、たぃ…ちょ」
「ぉ…れ、。た、いちょー…が、す…き」
「ウルセェ、黙れクソガキ…」
「喋んじゃねぇ!!」
「ず。…と、す、きだ…ぜ、」
小さくなっていく声を聞きながら真澄は止血をしようと躍起になっているけれども、溢れる血は止まる事を知らないようにシミを大きくさせていく。
「ッ〜…!!」
「一ノ瀬ッ!起きろよく聞け、聞き逃すんじゃねぇぞ!」
「俺は…テメェが!」
「一ノ瀬のことが、好きだッ」
「だからッ!」
柄にもなく声を張り上げて感情を露わにしている真澄をボヤける視界で四季は見つめる。
声ももう届きそうも無いけど、喉を震わせた。
「へ、…へ……、ぅ。れし…」
「漸く戦争が終わったんだ、どうせテメェはクソガキだから」
「結婚してぇとか、ほざくんだろ?」
「は、なんでも付き合ってやる」
「何がしてぇ、デートだっけか?好きだろテメェは」
「指輪が欲しいだの、我儘言うんだろ…?」
「なぁ…だろ……?」
「しき…」
真澄の腕の中で重量が増した四季。その顔は幸福を知ったように穏やかで幸せそうな笑みを浮かべている。
閉じた瞼を撫でながら真澄は、ずっと語りかける。
何度も何度も…1人だけで。
「…真澄」
廃墟のような瓦礫のど真ん中、真澄と四季は同じ場所にいた。ずっと動こうとしない真澄を連れ戻そうと無陀野が背後から声をかけた。
「…よぉ……無陀野」
「真澄…、四季、は…」
聞く前からわかっている、実際見たのだから。
その上で現実逃避のように否定したかった。真澄の腕の中でピクリとも動かない四季に無陀野はそっと手を伸ばし目を閉じて、赤く染まった髪を一撫でしてから背を向けた。
「完成しないですむと思ったのだがな…」
無陀野が小さく呟いた声は煙に巻かれ消え失せた。
四季の火葬が済んだ。腕の中ではあんなに重かったはずの体は吹けば飛んでいってしまう程に軽い骨が残った。
左手の薬指や背骨、四季を構成していた部品を骨壷にカタリカタンと落として行く。響く軽い音を聞きながら思考が纏まらない頭をフル回転させていた。
どうにかして一ノ瀬が存在していた証拠を目に見える形として残しておきたかった。漸く一緒になれた物を持っていたい。
『メモリアルダイヤモンド』
いつか見たことがあった、記憶の片隅に存在したそいつを引き摺り出した。あの時はそんな事をする気も無かったし、したい相手も居なかった。
「なぁ…一ノ瀬」
「テメェの骨…貰うぞ」
一ノ瀬の遺骨の4割弱を業者に受け渡した、戦争は終わっていても偵察部隊では未だやる事が多く残っている。
残党調査、戦争の後始末、書類整理。雑務に追われながらでもどうにか動く事を辞めずにいられたのは一ノ瀬のお陰だと思う。
約半年後には完成するであろうダイヤモンドを思い浮かべていた。
「真澄隊長!」
耳が痛くなるほどの高い声で呼び止められ、思考を現実に戻してきた。邪魔をしてきた奴に舌打ちを小さく打ったのちに振り向く。
相手は確か偵察部隊の女、頬を染めて手を握りながらモジモジとしている。
きっと下の方に脳みそが付いている紫頭の後輩なら喜んで話を聞きに行くだろう。
まぁ、真澄にとってはどうでも良い事だ。
「す、好きです!!」
「付き合ってください!」
そう言って勢いよく頭を下げた、心底どうでも良い。断りでもして明日から働けないなどとほざかれるのも面倒だった。
だったら適当に頷いておけば良い、そうすれば満足して黙るだろうから。
「俺は…今と同じようにテメェと接する」
「愛することも、好きになることもねぇ」
それで良いなら好きにしろ、とだけ残して女を置いて行った。
好意を抱くこともないし、愛を向けることもない。真澄の感情の全ては四季に向けるためだけにあるのだから。
予想通りにあの女は付き纏うことも無いし、仕事をちゃんとこなしている。便宜上の彼女の座をやっただけの事はある。
その話を聞いたんであろう馨は少し驚いたような悲しんでいるような顔をしていた。
1ヶ月、2ヶ月と長い月日が経ち漸く半年が過ぎた頃真澄宛に荷物が届いた。
中身には小さい紙と同じく小さな箱。
ゆっくりと開ければ、そこには紺色の…四季の髪と同じ色の宝石が小さく輝いていた。
愛おしい、恋しい…
握り締めた途端に四季に会いたくなった。あの瞳を見つめたい、肌に触れたい。
「四季…」
常に一緒に居たい、側に置いておきたい。どうせなら…あのガキが欲しがるような指輪にしてやろう。
肌身離さず側にいてやろう、死ぬ時は飲み込んで一緒に燃やして貰えば良い。
あの女との関係をいよいよ危ぶまれてきた時期だったし、ちょうど良い。
2月の頭、銀色の指輪になって帰ったきた四季。表じゃなく裏に嵌め込んだダイヤモンドに優しく触れた。
「四季…ずっと側にいてやるよぉ……」
真澄は自身の薬指に嵌めた銀色の輪に、唇を落とした。
完.