部屋は
ぐちゃぐちゃ。
カーテンは閉めっぱなしで
朝日なんか差し込まない
暗い部屋で目を開ける。
眠れてない。
何がしたいかなんて
分からない。
価値も無いのに
よく生きていられるもんだ。
重いモノから開放されて
嬉しいはずの日々が
寂しく、とても苦しいんだ。
その証に鏡を見て薄ら笑いの自分が
憎たらしく睨みつけてくる。
昔、日記を書いた
家族同然の人がいた。
ソイツが書いた日記は
七ページ、七日間だけの
思い出しか書かれていない。
ソイツは家族同然の人を
選んで死んだ、とても強い人間。
俺にはそんな勇気は無くて、
ソイツを止める力も無かった。
でも、ある人からソイツの日記を貰った。
「 愛方だから 」だってさ。
わざわざ十ページしか無いくらいの
ノートを見つけたんだろう。
七日分の思い出を書かれ
一ページ、一ページに
文章と写真が貼られていた。
字は明らかにアイツのもので
少し歪な文字と、あまり、
語彙力の無い言葉が並んでいる。
実に、子供っぽいアイツらしい。
でも俺は気づいたんだ。
最後の一ページが破かれている。
でも端の方に一言残っていて
「 桃くん、 」
ここで切れている。
これを見つけた瞬間、
涙が止まらなくて
何が書きたかったのか、すごく気になった。
でも
もう聞けない。
笑ってる顔 泣いてる顔 不機嫌そうな顔
怒っている顔 不安そうな顔 嬉しそうな顔
楽しそうな顔 ワクワクしている顔
笑い声 泣き声 不機嫌そうな声
怒ってる声 不安そうな声 嬉しそうな声
楽しそうな声 ワクワクしている声
どちらも、
二度と見えないし
二度と聞けない。
酷い感情が渦巻いているのに
涙一滴も出ない。
声すら出ない。
その場にアイツがいたら
きっと背中を撫でてくれる。
確かに、アイツが死んだから
生きてる命はある。
その人は明るく笑って生きている。
” 幸せ “を見つけたんだ。
でも俺は毎晩泣いている。
俺には一生光なんて刺さない。
光が刺さったら俺は変われるんだろうか。
こんな思いをするなら
死んだ方がマシだ。
なんて言ったら
アイツは怒るかな。泣くかな。
諦めに諦めを重ねて生きてきた。
信じても結局裏切られる。
ガキの頃に思い描いた
” 美しい人生 “なんて
空想に過ぎなくて。
でも、今日は必ず始まる。
そんな毎日でも
「 大丈夫、笑えてるよ 」
って言えるように。
また今日がはじまるよ。
コメント
3件
今日がはじまるちょー大好き.♡
うん、、すっごい深い話ですな、、 結構感動したけど涙も声も出なかった😭👏✨