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朝晴ももか/新作出した✌️
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第10話、読み終わりました。弓道部の練習風景や三谷くんとの衝突、そして♡♡♡が始まる切なさ――啓祐の「どうしようもなく女なんだろう」という自問に胸がぎゅっとなりました。桃先生と公美子の優しさが沁みますね。涙をこらえる姿に、もっと応援したくなりました。続きも楽しみにしています🌷
啓祐side
二学期四日目の放課後、久々に弓道部の夜練が始まろうとしていた。
弓道部は、朝練と夜練一日に二回あり、道具が多いため、朝のうちに弓具のみ自分のロッカーに入れたままにしている。
部員たちが、そうしているのは、部のルールになっているからで
どうして、小さい頃からやっていた空手、合気道を選ばなかったかって?
理由は四つある。
一つ目は、母さんから直接身体を触れ合うスポーツは避けた方が良いと言われたこと。
二つ目は、部室が断熱材で出来ているので夏は涼しくて快適、冬は寒さを凌《しの》げる。
三つ目は、シャワー室がないから肌をさらす心配がない。
四つ目は、顧問の先生がオレの秘密を知っている担任教師の矢吹桃先生であること。
だから安心して汗だくになり過ぎる事なく練習に打ち込められるし、ピンチがある時は桃先生がフォローしてくれるので助かる。
だけど完全に完璧とはいかないデメリットもある。
それは、室内が部員人数男女含めて30人のわりに狭いと言うことだ。
なので日替わりで男女一時間ずつ交代して練習しているのが日課になっているのだ。
今日は、男子が先に練習する事になっている。
狭い室内の中で、女子部員たち15人は、男子の練習が終わるまでの待機のあいだ予め着替えてから壁に寄りかかって体育座りをしていたり、立ったまま見学していたりするのが、いつもの定番だ。
あともう一つ問題なのは男女と更衣室が分かれてあり、制服はそこのロッカーに入れてあるので、オレの場合は、着替える時は人がいなくなるのを待つか、予め無人の際、ロッカーから制服を取り出して職員用女子トイレで着替えるかだ。(職員用女子トイレ入る際は必ず誰もいないか確かめてから入るように気をつけている)
弓道部としては、珍しいらしく、外の練習場はなく完全に室内の中に人工芝や的《まと》をセッティングし設備を整え、練習場として行っている。
一応冷暖房はついているが使う必要が無いため光熱費はかなり節約されているようだ。
また、顧問教師でもある矢吹先生は、そそっかしくおっちょこちょいで一見頼りないように見えるが意外性としては、弓道経験者なので、殆《ほとん》ど初心者のオレにとっては頼りがいがあると思う。
ただ、夏の関東大会の予選では、先生に沢山指導してもらい厳しい練習にも耐えたのだが、男女共団体戦四位と残念な結果だったのが、未だに悔しい。
そのため、来年の大会に向けて今度こそ予選を通過すべくリベンジに向けて上級生は下級生たちに指導しつつ自主練もしなければならない。
オレとしてはまだまだ未熟なので指導する側としてはどうかと思うのだが、、、主将が顧問に相談して決定事項になってしまった。
なので10月上旬行事の体育祭は、休める口実には、なりそうで助かる。
何故なら毎年の体育祭は、色んな理由をつけては学校を休んでいた。
例えば仮病とかね(笑)
まあ、自主練しにくい悩みと言えば、待機中の女子部員たちの声援が煩《うるさ》くて集中しずらいのと、右隣にいる《《コイツ》》かな?
だけど今日は、いつもと少し違っていたのは、心強い味方が更に一人増えたことかな
オレの秘密を知っている公美子も同じ弓道部だからで
もう公美子には隠す必要ないから誠の事や今、隣にいる《《コイツ》》の事など色々、悩みとか話せそうだし、、迷惑でなければだけど相談にのって貰《もら》おうかな
と深く考え込んでいたので上《うわ》の空になってしまったせいで、弓を矢につがえ、矢を思い切り飛ばすと、26メートル先の的内から左斜めに外した。
オレはしまったと思う感情が周囲の状況よりも先走っていたため同時に今、何が起きていたのか把握していなかった。
そのためオレ以外の部員たちが「ヨシ!」と声を揃《そろ》えて叫んでいた。
桃先生曰わく弓道のルールにおいて自分が外しても誰か一人でも的に当たると《《ヨシ》》と叫ばなければいけないと教わってはいたが、あくまでも試合でのルールで
なにしろ、今のオレは前置きの通り、集中力が落ちている上に、何故か情緒不安定でイライラしていた。
誰が的に矢を決めたのか?
女子部員の声に耳を傾けると誰が決めたのか判明
女子部員D「キャー!三谷先輩!凄い!」
26メートル先の的にオレは目線を移すと
しっかりと的の真ん中に矢が刺さっているのが目に入った。
そう、、隣のコイツの名は、三谷《みや》和馬《かずま》、三年B組の隣のクラスで、見た目は坊主だった髪が少し伸びた黒髪、視力がかなり悪いらしく強い度が入った眼鏡をかけている痩せ型で、身長176くらい、、いかにも優等生的な神経質で取っつきにくい印象のオレの苦手な奴だ。
噂では弓道歴10年という実力者だが
確かに一発目から何度も決めるのは凄いとは認めるが、
どうもオレとは話が噛み合わないのでいつも喧嘩《けんか》になりそうになる。
我が部の主将に選ばれるのは納得出来る。しかし
三谷「おい!神条?さっきはなんのつもりだ?お前だけヨシって言わなかっただろ?」
そこ、怒るとこか?、、言い忘れただけで、、そこまで拘《こだわ》ることねえだろ?
ハア、、やっぱりコイツ苦手だ、、なんなんだよ、、、もう~
「うっかりしてた。悪かったよ。言わなくてすまなかった。」
オレは渋々謝るが
三谷「謝れば済むと思ってんのか?お前?弓道、舐《な》めてんのか?上の空でやってたら上級生として後輩に示しがつかないだろ?」
「あのな(怒)!謝ってんだろ?」
流石に堪忍袋《かんにんぶくろ》の緒が切れ爆発したオレ
そんなオレたちを見かねて
???「そこの二人止めなさい!」
上下ジャージ姿の桃先生が喧嘩の仲裁に入った。
またやってしまった(汗)揉《も》めてるあいだ、待っている女子部員たちに迷惑かけるわけだから
頭ではわかっていてもコイツとは、いつもこんな感じで犬猿だな~
???「ドンマイ」
声のする方を振り返ると、公美子が励ましてくれて凄く嬉しくて思わず微笑んでしまった。
その様子をみた女子部員の後輩たちの反応が、いつもと違いなんだか怖い。
女子部員A「田辺先輩、、神条先輩といつの間に?キャーやだ~付き合ってるんですか?」
女子部員B 「神条先輩の笑顔、、、ステキ、、田辺先輩とどういう関係?」
女子部員C「キャーわたしは信じないもん、、先輩、付き合ってないですよね?」
女子部員D「三人とも、、今はそんなことより、、みてみて、、三谷先輩のあの汗だくな凛々しいお姿、、ステキじゃない?」
女子部員A「神条先輩の方がステキよ、、きっと私たちに微笑んだのよ、、わたしの思い違い」
女子部員B 「そうなの?良かった~神条先輩こっちみて~」
女子部員C 「キャー神条先輩!こっちみて、、怒ってる顔もステキ」
女子部員D「ううん断然、、三谷先輩の方が男前じゃない、、神条先輩もステキだけど・・わたしは断然三谷先輩推しよ!・・キャー先輩、、、こっちみて」
女子部員後輩4人組の声が特に大きくて目に焼き尽《つ》く
「みんな~ごめんな、、迷惑かけて、オレのせいで練習時間削られて足りないよな?」
女子部員ABC「先輩!いつもの事だから大丈夫ですよ~私たちは先輩の味方です。気にしないで下さい」
女子部員D 「先輩、悪気がないのはわかってますから気にしないで下さいね。でも、、、なんでもありません。先輩方お疲れ様です。」
他の女子部員たちも無言で首を横に振り大丈夫だからと言っているように見えた。
三谷は不機嫌そうな声を発すると、更衣室へ向かって行った。
公美子にも申し訳なく思い謝ることに
「公美子にも、なんだかオレのせいでごめんな」
公美子「ううん啓祐は悪くないよ。あの弓道馬鹿主将の三谷が可笑《おか》しいんだよ。わたしもヨシって言い忘れる時あるもん。上の空になることだって人間なんだから心配の一つや二つ考える事だってあるもん。あそこまで三谷、過敏になることないのにね。わたしも三谷、苦手通り越して嫌いかな~女々しいっていうか、、男の癖に細か過ぎ~なんで一部の後輩に人気あるのか謎だよね?じゃあ頑張ってくるね、、今日もお疲れ」
「あ!公美子、それからあとで話したいことがあるから」
公美子「話したいこと?わかった、、じゃあね」
「おー!頑張ってこい」
オレは更衣室で着替えたくても三谷がいるので行かず、先ずは職員用トイレへと向かった。
実は、さっきから股間の方が気持ちが悪いのと、身体のあらゆる関節が痛くて、頭が重くズキズキしていてクラクラする。
そして腹も痛いし、そろそろアレかも?と感じたのもある。
漸《ようや》く職員用トイレ前に着くと、誰もいないか辺りを確認すると迷わず女子トイレに入る。
女子トイレには幸いにも無人だったのでホッと溜め息を吐くと、一番奥の個室へ入りドアを閉めると鍵をかけ、面倒な袴とパンツを脱ぎ、便座に座ると、はじまったか確かめるため脱いだパンツの状態を見る。
やっぱり血が付いていた。
どうしよう~予定より二日はやいから今日に限ってナプキン持ってきてねえよ。
幸いにも、袴の方に血は回ってなかったのが救いだけど
そんな時トイレに入って来る足音にオレは変な緊張感で固唾《かたず》を呑《の》む
念のためチョーカーも外すことにした。
???「神条くん?いるのかな?」
この声は、桃先生だ!ハア~助かった
「矢吹先生!ここです」
矢吹「一番奥ね。今、そこに行くからね」
足音がドアの前で止まった。
矢吹「神条くん?もしかしたら生理?なんか三谷くんと揉《も》めてる時、イライラしてる感じだったしもしかしたらと思って心配してたのよ、、大丈夫?」
「全然大丈夫じゃないです。ナプキンとか忘れてしまって////先生、助けて下さい」
矢吹「わかったわ。待っててね。待ってるあいだ誰も近づかないように掃除中の立て看板置いとくからね」
「ありがとうございます」
助かった!ホッ
チョーカーを外して地声なのに先生気づいてくれて凄く嬉しく感謝さえし安堵《あんど》の溜め息をまた吐いた。
あれからどのくらい待っただろうか
足音が再び聞こえてきた、、え?、、なんか一人増えたような?
???「啓祐?大丈夫なの?桃先生が血相変えて走って来るからどうしたんだろうと思って訊《たず》ねてみたら躊躇《ちゅうちょ》して中々教えてくれないんだもん。だから大丈夫です。啓祐の秘密知ってますからって言ったら漸く教えてくれてね。もしかして?今、大変な状況?先生と一緒に助けにきたよ」
「その声は公美子?なんだか練習の邪魔して迷惑かけてごめんな。まさか予定より二日早く来ると思わなくって(泣)」
矢吹「神条くん?かなり待たせてごめんなさいね、、不安だったでしょ?これからは定期的にナプキン携帯した方が良いわよ。もし持ち歩くのに抵抗があるなら他の方法をみんなで考えましょう」
「大丈夫です。先生、、確かに、万が一落として誰かに拾われた時の事を想像すると怖いです」
そして二人の足音がドアの前で止まると、ノックされる音がしたのでオレは恥ずかしいのでドアを半開きにして先生から紙袋を受け取り中身を取り出した。
中身は生理用パンツとナプキンで
凄く助かったけど、、なんだか涙が込み上げてきて
改めて自分が女だと思い知らされ、自覚せざるおえなかった。
「ヒック、、ヒック(涙)」
公美子「啓祐?泣いてるの?」
矢吹「神条くん?大丈夫?」
泣きながらナプキンを新しいパンツに取り付けて履いた。
そして袴を着直すと血に染まったパンツは、残りのナプキンと一緒に紙袋に入れた。
オレは出た汚物は汚物入れに入れ、便器内の汚れを水で流し終えると、個室の施錠を引き、漸くドアを開け出た。
そんなオレを見るなり公美子は、抱擁《ほうよう》して来て頭を撫でてくれた。
それでもオレの涙腺《るいせん》は開《ひら》いたまま、閉じてくれそうもなくて
なんで今のオレ、どうしようもなく女なんだろう?
ずっと男として頑張って来たのに
そんなに三谷に言いくるめられて悔しかったのか?
こんなに頑張ってもホントの男には適《かな》わないから?
ただ、、悔しいだけなのかもしれない
だけどそう素直に認めたくない自分がいて
いや、違う、、たまたま今日は運が悪かっただけだ、、アイツと揉めるのは、今に始まった訳じゃないのに、、なんで泣いてんだよ、、オレ
きっと生理のせいで情緒不安定になってるんだ、、きっとそうだ、、オレはそう思うようにしたら、漸く落ち着きを取り戻し滝のようにさっきまで流れ落ちていた涙が止まった。
おそらくトイレに来てから一時間くらいは経ったんじゃないだろうか
なんだか二人に申し訳なく思い、お礼と謝罪をし、男子更衣室へ向かった。
向かう途中で公美子には、あとでメールをすると伝えると、二人は女子更衣室へ
男子更衣室は、流石に誰も居なかったので安心して制服に着替えられ帰る身仕度も出来た。
そして、オレたちはそれぞれの帰路につく