テラーノベル
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見て頂いてありがとうございます。
第一話深夜テンションで書いたせいで色々直しちゃった…女の子の可哀想設定もモリモリにしすぎた
第二話3,000文字も書いちゃった‼︎自分でもびっくりだよ‼︎第一話2,000も行ってないよ‼︎
頑張ってください‼︎
* * *
「俺の家に、来ませんか。」
⠀ああ、言ってしまった、と思った。
⠀口に出した瞬間、取り消せなくなってしまった。
⠀届いてしまった。
⠀もっと曖昧にできたはずだった、もっと遠回しの言い方でマイナを保護することもできたはずだ。なのにどうしてこんなにも直接的で、誤解の余地すら与えない言葉を選んでしまったのか。そんな考えが頭の周りをぐるぐると回る。
思考が追いつくよりも先に口が動いていた。この事実が男の頭をぐるぐると回っていて、まるで自分の中のナニカが勝手に動いたような気味の悪さがじわじわと広がっていく。そんな後悔をしている間も沈黙が落ちる。ほんの数秒のはずなのに、沈黙に気づいてからはやけに長く、重く、息が詰まるような時間だった。その間にいくつもの言い訳が頭に浮かぶ。
「今のは違う」
「変な意味じゃない」
「無理にとは言わない」
どれも口に出せばきっと不自然になってしまうだろう。結局どれも言えずに喉の奥に引っかかったままになる。考えるよりも先に出てしまった自分の言葉にいささか悩みながらも視線を逸らすこともできずに、ただ目の前の小さな少女の反応を待つしかない。ほんのわずかな時間のはずなのにやけに長く感じる。
「……いいんですか」
⠀待ち遠しかった声は弱々しくて小さくて、けれどはっきりと耳に残る声だった。そこに疑いも喜びもほとんど含まれていない、ただ確認するためだけの感情の乗らない平坦な声。その温度の低さが逆に現実味を強くしていて、冗談ではないことを突きつけられる。
「え……あ、はい。」
⠀反射的に答えてしまった。考えるよりも先に肯定してしまった。自分での発言を決定してしまう。マイナを前にして、その言葉に抗う余裕がなかった。
「……その、嫌じゃなければ、ですよ?」
⠀付け足した言葉は自分でも驚くほどに弱い。最初に言い切ったはずの言葉を自分で変えている。主導権を渡すような言い方で、無責任なことに気づくがそれでも言わないよりはマシだろうとどこかで思っている自分がいる。マイナは少しだけ視線を落とした、その動きは小さく、何かを考えているのか分からないくらいに曖昧で、ほんの少しの間が空く。その時間がやけに長く感じて、心臓の鼓動を変に意識してしまう。
「…じゃあ行きたいです。」
⠀あまりにもあっさりと言った。その受け入れ方に、いささか思考が止まってしまう。もっと警戒すると思っていた。あるいは断られると思っていたのだが、マイナはただただ受け入れている。そのことに対して安堵よりも先に違和感が浮かんでくる。あまりにも躊躇がなさすぎる。まるでこういう選択に慣れているかのような、そんな言い方だった。
「……大丈夫、なんですか」
⠀思わず口に出してしまう。こんなことを聞かなくとも、マイナを保護するつもりなのはわかっていても。
⠀確認のようだが、実際には自分自身への問いかけに近かった。このまま連れていっていいのかというよりも、この状況自体がどこかおかしいのではないかという違和感を隠すための言葉だった。
「……大丈夫です。」
⠀間を置かずに返ってくる。さっきと全く同じ速さ、響き、冷たさ。まるで条件反射のようで、 変に現実味を欠いている。
⠀本当に大丈夫な人間はこんなふうに即答するだろうか。少しくらい、迷ってもいいはずだろう。そのはずなのに、迷いの一切ない不自然さは男の心を抉っていく。
「本当に?」
⠀それ以上踏み込むことができない。踏み込めば壊してしまいそうな気がする。何が壊れるのかもわからないままだが。
「じゃあ、行きましょうか」
⠀自分で言っておきながら、その言葉の責任が重くのしかかってくる。マイナを自分の生活に加えるということ。もう後戻りできない段階に入っている。全部を理解してはいけないことはわかっている。それでも言葉はもう出てしまっていた。
「……はい。」
⠀小さな返事が耳に入る。するとマイナは自分の足で立とうとする。汚れた壁に手をつき、ほとんど体重を預けるようにして体を支え、ぎこちない動きで一歩を踏み出そうとする。歩くというよりも倒れないために前足を踏み出しているに近くて、見ているだけで危うい。それでも止まろうせず、できる、と無理を押し通そうとしているように見えて、マイナの中ではそれが当然なのだろうと思わせる。そのまま二歩目を出そうとして、足がもつれる。ほんのわずかに体が傾く、その瞬間に考えるより先に体が動いていた。
「ちょっと、無理しないでください」
⠀咄嗟に腕を掴んでしまうが、細い、と思うよりも先に軽いと感じた。その感覚がさっきよりもはっきりと腕に残っている。支えるだけのつもりだったのに、そのままでは立っていられないことが分かってしまうほどに不安定で、力を抜けばそのまま崩れ落ちる未来が簡単に想像できてしまう。
「……大丈夫です。」
⠀すぐに返ってくる、間を置かないその言葉がさっきと全く同じで、条件反射のように響く。体は大丈夫なはずないのに、言葉はそれを否定している。体と言葉の矛盾が明らかで、男の心を揺らして行く。
「大丈夫なわけないです」
⠀思ったよりも強い声が出てしまった。自分でも少し驚いてしまうほどの断定で、その言葉に押されるように、マイナの動きが一瞬止まる。それでも、腕を引こうとするような小さな抵抗が伝わってきて、自分でやろうとしているのがはっきりと伝わってくる。
「歩けます」
⠀小さく、でもはっきりとした声。その言葉に込められているのは意地なのか、それともそうしなければならないと思い込んでいるのか。できるかどうかではなく、やるしかないと思っているのだろう。
「……無理です」
⠀短く返す。否定するしかなかった。ここで任せたら倒れる、そう分かっている以上、選択肢はコレしかない。そのまま腕を引き寄せ、体の支え方を変える。どう持ってあげればいいのか迷って、結局、膝の裏と背中に腕を回して持ち上げる。お姫様抱っこの形だ。
軽い。
⠀分かっていたはずなのに、実際に持ち上げた瞬間、その軽さは想像以上で人を抱えているはずなのに重みがあまりにも少なくて、本当にこれで合っているのかと心配になる。
「あの」
腕の中から小さな声がする。
「ごめんなさい。」
⠀抵抗はもうなくなっていた。ただただ申し訳なさだけが残っているような声がする。完全に体の力を抜くわけでもない中途半端な状態のまま、静かに小さく収まっている。距離の近さに一瞬だけ意識が持っていかれるが、それ以上考える余裕などない。
「謝らなくていいです」
⠀それだけ言うのが精一杯だった。これが正しいのかどうかなんて分からないけど、それでもこのまま歩かせるよりはマシだと判断するしかなかった。その判断に根拠があるわけでもない。ただただ、そうしないといけない気がしたという曖昧な感覚だけで動いている。微笑みを意識して少女を見ると、見下ろしていた時には見えなかったアザが見える。見てはいけないものだっただろうか。
⠀そんなことを考えながらも歩き出すが、腕の中の重みはやっぱり軽くて、存在しているはずなのにどこか現実味が薄い。その違和感を抱えたまま、視線だけは前に向ける。もう後戻りはできない、そんな事実はとうにはっきりと分かっていた。ボロボロの知らない少女を家に連れていくという異常な行動。それを理解しているはずなのに引き返そうという発想は浮かばない。そのこと自体がすでにどこかおかしい。助けたかったのか、放っておけなかったのか、それとも別の理由があるのか、いくら考えてもはっきりした答えは出ない。まるで、最初からそうすることが決まっていたかのようで、いささか気味が悪い。そしてその気味の悪さの奥に、ほんのわずかに安堵している自分がいることにも気づいてしまう。その理由を考えようとして、やめる。考えたところで、きっとろくな答えは出ないと分かっているからだ。ただただ歩き続ける、腕の中に確かに存在している重みを意識しながら、進み続ける。
⠀ この選択が今後をどう変えのか、まだ分からないままに。
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コメント
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私も頑張らないとだな
第2話、すごく引き込まれました…。 主人公がマイナを家に連れていく決断をする場面、迷いとか後悔とかがリアルで、すごく人間くさかったです。特に「お姫様抱っこ」であまりにも軽くて戸惑う描写、あそこ本当に心臓がギュッてなりました。 それと「ごめんなさい」って言うマイナちゃんの声が、あまりにも慣れてる感じで…読んでて胸が痛かったです。 007さんの繊細な心理描写、大好きです。続きすごく気になります…!