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コユキと善悪の横、丁度サタナキアが立ち尽くしていた辺りの空間に裂け目が入り、そこから出て来たのは、両手に鬼切丸(おにきりまる)と蜘蛛切(くもきり)、腰に滅魔の腰帯を巻き闇夜の内掛けを羽織った正一(しょういち)、オハバリのメット・カフーの姿であった。
空間が裂けたせいか、はたまた正一がぶんぶん振り回していた刀のせいか、サタナキアは無言のまま地に伏せ、幾つかに切断された体をゆっくり再生させ始めるのであった。
「むっ? 何か居たような…… んまあ良いか! 久しぶりだなコユキ、公時(きんとき)もな」
コユキのツナギの中で腹掛けが光り輝いて答えた。
「おう元気そうだな、すまんが今はコユキのお腹を護らねばならん、後で話そう友たちよ」
正一の装備も同じ様に輝いている、恐らく了承したのではなかろうか。
善悪はしっかり頭を下げて挨拶だ。
「初めまして拙僧(せっそう)は善悪、コユキ殿の相棒の聖魔騎士でござる、テイアさんにお会い出来て光栄なのでござるよ」
「なるほどね、善悪和尚か…… コユキに会った時にも同じ様に感じたが、やはりデジャビューを感じるな、カーリー? これって」
「ええその通りよ、五回目の周回、私とアナタだけで戻ったの」
「お前と私だけ…… まさか」
「……地球が壊れてしまったの」
「何っ! ま、まあ後で詳しく教えて貰うとしよう…… それよりも、今は大事な話を先に済ませて置きたい! 私はここにいるコユキと善悪の二人を滅する事には断固反対を表明する! コユキと出会って以来、ずっと不思議な感覚に捉われていたのだ、上手く説明する事は出来ぬが彼女達が消えてしまっては、絶滅の危機から逃れられない、そう感じてしまうのだ! 無論、こんな説明ではお前達五人が納得しない事は百も承知、その上で尚、再考して欲しいのだ! もう一度他の方法を検討してくれ、頼む、この通りだ!」
「お、おお」
「まあね」
「あーいんじゃね」
「……取り合えず、頭は上げてくれ」
「あ、ありがとうレグバ、ガイアよ! か、感謝する! カーリーはどうだろうか? 頼む!」
メット・カフーの心からの感謝の言葉を聞いたレグバ達は揃って気まずそうに視線を逸らすのである。
カーリーも非常に話し難そうにしながらも、覚悟を決めたらしい顔付きで言葉を発した。
「ええ、あ、あなたがそう言ってくれて私も安心したわ、実は私もそう言いたくてここに来たのよ、地球を破滅の運命から救う為にはコユキと善悪の力が必要だと信じてね」
「おおっ! やはりっ!」
喜んでいるメット・カフーの横からコユキが言う。
「んでもストレンジ・レットなんてどうやって対処すれば良い物やら、皆目見当がつかないわよ…… 何とかなるのかな、善悪?」
「ううむ、そうでござるな、みっちゃんに聞く位しかあてが無いのでござる」
カーリーが善悪の両肩をガシッと掴んで言った。
「みっちゃん? それって、昼夜の息子の光影の事よね? 聞けるの? 前の周回では聖女や聖戦士を忌み嫌っていて中々協力を得られなかったのよ! まあ最終的には協力してくれて彼のアドバイスに従ってアスタロト、バアル、サタナキア始めここに居る殆(ほとん)どの悪魔が、デイモスの衝突から地球を護るべく飛び立って行ったわ…… 天へと戻ったの…… 結果は…… 残念だったけれど」
「う、うん…… 以前よりは全然協力してくれてるでござるよ、コユキ殿に息子、ナガチカ君が救われたからかな? 今じゃあパーティーメンバーの一人、って感じでござる」
「聖女コユキが息子を? どうやら前回とは随分違う流れで来ているみたいだわね…… でも、でも、でもぉ、何だか希望が見えて来たわっ! 何とか滅びを回避出来るかもしれないわよ! ヤッホォー!」
ほう、何やら私、観察者の父方のお爺ちゃんがキーマンになっているようである。
親父ナガチカ、長短も良い仕事をしたらしい気配ではないか?
にしてもストレンジ・レット、奇妙な粒、か……
初めて耳にしたが中々に終末臭が濃い目で怖ろし気な響きだね。
良しっ、続けて観察してみるとしよう。