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寝る準備を全て済ませ、微かなクラシックを流し、
カラン、と音を立てるアイスコーヒーを啜りながら
趣味の読書に耽ける。
今日は土曜日、もう直時間がやってくる。
コンコンコン
ドアをノックする音が部屋中に響き渡る。
『入りなさい。』
「……」
無言で部屋に入ってくるのは、
雄英高校からのインターン生、爆豪勝己。
彼此、彼が一年生の頃から
もう三年の付き合いになる。
出会った頃と変わらない瞳がじっと私を見つめる。
『こんな時間にな…あ、また髪の毛を触ったのか。』
「あぁ。」
『こっちに来なさい、なおしてあげよう。』
「…おう、」
彼の髪の毛を梳かすため、置いてある櫛を手に取る。
『大分癖が着いてきたんじゃないか?
もうすぐ纏まりそうだ。』
いつもと同じ其の言葉に、
手元にある体が少し跳ね上がるのを感じる。
今日も、来る。
「もう終わるのか。」
『そこは “もう終わるのですか?” だろう?
直終わるよ。』
予想通り、彼の手が温かな体温とは裏腹に、
冷たく私の手を払い除ける。
今日も、来た。
頬が緩むのを牽制しながら床に落ちた櫛を拾う。
『いきなり何をする……….何をしている?』
「髪、崩した。」
『…どうやらお仕置が必要なようだな。』
衝撃を抑えるように抱き抱えながら
彼の体をソファに押し倒すと同時に
口許のベルトを解き、滅多に魅せない口を露わし、
接吻を落とす。
その言葉とこの手を待っていたかの様に
彼の頬が紅潮し、蕩けるような視線で
彼が私を見つめる。
「はい。」
来るとわかっていても、
どんな下心が在るか分かっていようとも
いつも拒むことなく、お仕置という言葉の元、
私は私を利用する。
嗚呼、今日も私は悪い人。