叶

……ん…あぁ…

またこの夢だ。 

俺はここ最近奇妙な夢を見る。

それは特に怖いと言った夢ではないが当たりを見渡す限り小さく青い花の花畑が広がっている空間に飛ばされる夢を見る。

その花畑を歩き続けるが先にはまだ花畑が続いている…ってのがここ最近続いていた。

 

ﾋﾟｰﾋﾟｰﾋﾟｰ（目覚まし時計の音）

「あの夢はなんなんだよ…ずっと続きっぱなしだ…ってもうこんな時間かよ？！」

俺の名前は夢叶 建 （ゆかの たつ）

落ちこぼれの会社員だ。

自分で言うのもなんだが学生の時はスポーツがすごく出来ていた。先輩すごいっす！って尊敬されたもんだ。

でも社会人になって世間の厳しさを知った。

やっとの事で入社した会社も足を引っ張ってばかり。

毎日何やってるんだろって思いながらキーボードを今日もカタカタと打っている。

｢はぁ…やっと終わった…｣

資料をまとめるのに時間がかかりすぎてしまってもう空が真っ暗だ。

｢早く寝たい早く寝たい…｣

今の俺は睡眠欲を満たすロボットと化している。

家に帰りたいが眠過ぎて体が動かない…

ﾊﾞﾀﾝ

俺は会社のデスクで寝てしまった。