テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
体育の時間、居残り掃除を押しつけられた**恋夢(れむ)**は、
小さく舌打ちしていた。
れむ:「マジありえない……サボったやつ誰よ……」
そのとき――バサァッ。
マットの裏から現れたふわふわの布団と、
いちごパジャマの塊。
「……ん〜〜……zzz……」
れむ:「…………おまッ!!」
「ぁ〜〜……ばれたかぁ……💤」
現れたのはもちろん、
睡魔ねゅ。
れむ:「サボってたんでしょ!?マジで意味わかんないんだけど!!」
ねゅ:「いやいや、寝てただけで〜す……スヤァ……」
れむ:「……っ……マジこいつ……!!💢」
「てか、あんた……何も考えてないの?
恋とかさ、誰かを好きになるとか、そういうの……」
ねゅ:「う〜ん……考えてたら寝れないから……考えない♡」
れむ:「はぁ!?フザけんな!」
「……それでさ、
“ぶりっ子キモッ”とか言ってんの、正直ダサくない?」
れむ:「ッ……!」
ねゅは、笑いながら言う。
「れむちゃんって、ぶりっ子キモいって言いながら、
ほんとは“可愛い”って思ってる子、いるでしょ?」
れむ:「な、なに勝手に決めつけて……」
「そうやって、言えないの隠してるの、見え見えだよ?」
れむ:「……ッうっさいな……ッ!」
「まぁ、可愛いって言えたら、たぶん……
れむちゃんの人生、ちょっと変わると思うけどねぇ〜?」
れむ:「なっ……なんなのこいつ……ッ!!」
校門の前。夕焼けの中、れむはイヤホンをつけようとして止まる。
「……マジで、なんなんだよあいつ……」
「むかつくし、なーんか見透かしてくるし……」
「でも……」
──少し、思い出す。
ふわふわの笑顔。
ぐさっと刺さるような優しさ。
そして、あの時――
『ねゅは、れむちゃんのこと、“すごく頑張ってる”って思ってるよ』
れむの胸が、少しだけ、チクっとした。
鏡を見ながら、髪を巻くれむ。
ふと、つぶやく。
「ねゅってさ……あたしのこと、どう思ってんだろ」
れむはまだ、それが恋だと知らない。
でも、自分でも気づかないうちに、
“あの子の言葉”を、探すようになっていた。
コメント
3件
見るの遅くなってごめんなさい ! 書き方とか 、雰囲気とか 、めちゃめちゃ好きです ! 登場人物も 、みんないいこで 、すっごく可愛くて … 自分は恋愛系とか上手に書けないので 、大尊敬って感じです ! 連載してくれてありがとうございます ! 続きも楽しみにしています !!