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コメント
5件
初コメ失礼します! 初めて桃桃見たんですけどめっちゃ好きです!フォロー失礼します!
ぁっ好きです…ありがとうございましたっっ
なんか桃桃だといくらRっぽくてもほのぼのなんだよなぁ 最高でした!ごちそうさまでぇぇぇす!
世の中は理不尽だ。
なんでこうも、第二性に振り回されなければいけないのだろうか。
「っ、……さいあく……ッ」
椅子からなだれ落ちながら呟いた。
身体が重い。
そう感じ始めたのは10分ほど前。
正直、心当たりがありすぎて何が理由か分からないが。
とりあえず鞄を開き、頭痛薬を服用。次に適当な栄養ドリンク。そして、ヒートの抑制剤を服用した。
それでも、だるさは治らない。
「っ、ぁ……」
急に全身の力が抜けた。
そして、全身が火照る感覚。
「っ、ひー、と、……じゃん……ッ」
抑制剤を服用するタイミングが遅かったのか、仕事中にヒートが来てしまった。
ましてや、今は社長室。
密室であるため、フェロモンが充満している。
助けてほしい、と思う反面、誰にも来てほしくないと思う心もある。
タレントにも、社員さんにもαやΩがかなり居る。
お願いだから、βが来てくれますように、と思いながら、椅子からなだれ落ちた。
「っ、……さいあく……ッ」
そして、今に至る。
ひんやりとするフローリングの床に転がる俺。
ふぅ、ふぅ、と熱い吐息が漏れる。
αの匂いが嗅ぎたい。項を噛んで欲しい。
だんだん理性が本能に侵食されていく。
触って欲しい。挿れて欲しい。
「っ、……ある、ふぁ、ッ♡あるふぁっ……、♡」
何度もαを求めた。
掴んだチョーカーのチャームがチャリ、と音を立てた。
side.rn
おかしい。時間になってもないこさんが来ない。
お昼、一緒に食べようって約束したのに。
ないこさんは、約束破るような人じゃないし……
気付けば、社長室の前まで来ていた。
万が一、大事な用件中だったら……、と心配になりつつ、社長室の扉を開けた。
「ぇ、……ッ//」
その瞬間、ぶわっと香るΩの匂い。
ないこさんがΩ……?
フェロモンやば……ッ//
早く扉閉めないと。
β、呼んでこないと。
項噛みたい、
色んな感情がぐちゃぐちゃになる。
その中でも、一番早く動いたのは本能で。
気付けば、ないこさんを押し倒していた。
「ぁ、……♡ある、ふぁだ、ッ♡っら、らん、項ッ♡噛んで、……っ♡」
瞳にハートを浮かべながら、求めてくるないこさんに理性を煽られながら必死に耐える。
「ッ、ダメ、ですよ//そんな、簡単にしちゃ、ッ//」
「ちが、♡ら、らがいーの……っ♡番、なろ……?♡」
……これは、都合の良いように受け取って良いのだろうか。
このまま項を噛んで、既成事実を作ってしまえば、なんて考えが過る。
「ッ、ほんとにいいんですか?♡」
「んっ♡いーよ、ッ♡噛んで……っ♡」
頭の隅で理性が駄目だ、と叫んでいるが、それを無視してないこさんのチョーカーを外した。
「好きです、ないこさん……っ♡」
そう呟き、綺麗なその項に噛み付いた。
「ん゙ぁ゙ッ、♡は、っ♡おれ、も、すき……っ゛♡」
番ったからか、フェロモンがより強く感じる。
“好き”の言葉に期待しながら、齧り付くように唇を重ねた。
side.ni
やってしまった……
ヒリヒリと痛む項を撫でながら、天井を見つめる。
メンバー以外にΩってバレたし。
会社でヤッてしまったし。
とんでもないことを口走った気がするし。
それでもって、嬉しいとどこかで思ってしまう自分がいるのは何故なのだろうか。
「あの、その、……ないこさん……」
床に座り小さくなっているらんらん。
「あー、らんらんは何も悪くないから!俺が誘ったんだし!」
記憶はないけど。
「いや!えっと、……その、ないこさん。」
ふと、真剣な目になるらんらん。
鮮やかな桃色の瞳と目が合い、ドキッとした。
「番になった後に言うのも卑怯だと思うんですけど、……ないこさん。好きです。俺と付き合ってくれませんか?」
こ、くはく……?
「あ、っ……!//」
告白されて気付いた、自分の気持ち。
情な……、俺……
「俺もらんらんのこと、好きだよ。よろしくお願いします。」
照れ笑いみたいなってしまったけど、微笑みながら言えば、驚いたように目を見開き、飛びついてきたらんらん。
「嘘、じゃないですか?本当ですか、?」
「嘘じゃないよ。本心。」
頭を撫でながら、そう返す。
「絶対、離れないでくださいね?」
「ふふ、そっちこそ。絶対離さないでよ?」
顔を上げたらんらんに、口吻をした。
少しは、Ωでもいいと思えた瞬間だった。
※とてもリベンジしたい。