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注意1話同様
戻れないと言う真実
放課後。
息を詰めながら、机に伏せた。
まだ帰る気になれなかった。
後ろの方で、声がする。
赤)ねぇ、今日一緒帰らない?
青)え、珍し
聞こえた気がした。
でも、顔は上げない。
赤)たまにはいいじゃん
青)まぁ、ええけど!
シャーペンを持ったまま、動かない。
芯、もう出てないのに。
赤)あ、ないくんには—
聞こえない。
今のは聞こえない。
聞いてしまったら、
きっと、
戻れない気がした。
椅子を引く音。
扉が閉まる音。
青)じゃ、先行くな
「一緒帰ろ」って。
当たり前みたいに。
今日は、
その当たり前が、
どこにもなかった。
教室が静かになってから、
やっと顔を上げた。
もう、誰もいなかった。
コメント
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毎日更新しててえらい