コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
朝、
「ふぁ…ぁ…ぅ……」
ムクリと起きてあくびをする
何回見ても夢みたいだ
こんな大きい屋敷に広い部屋、キングサイズのベッドにクーリーと兄さんと僕が寝ているなんて
カーテンから差し込む太陽の光が眩しい
二度寝でもしようかなと思っていると
コンコンコン
ノックが聞こえた、すると
『失礼します。アヤト様、アキト様、クーリー様、起きる時間でございます。』
クルトが部屋に入ってきた
「クルト…」
『おはようございます。アキト様』
そうクルトが微笑んで言った
「うん、おはよう」
僕も返した
『アヤト様とクーリー様をお起こししますね』
そう言うとクルトは二人の肩をトントンと叩いた
「ん……眩し、」
【くぁ〜〜…あ〜…】
『おはようございます。おニ方、朝ですよ』
【……、はざッス、】
「ぉはよ…ぅ」
眠た気に2人が言う、兄さんとクーリーは朝が弱いんだ
『お着替えお持ち致しましたので朝の支度を致しましょう』
【あーい】
「うん」
「分かったよ」
そう返事するとクルトが2回手を叩いた
『お前たち、入りなさい』
するとメイドが15人ほど入ってきた
〚失礼致します〛
『では御三方、腕を広げて立ってください』
スッと腕を上げて3人が立つと
『ありがとうございます、お背中失礼しますね』
クルトがそう言うと昨日着た物と同じ柄の服を僕に着せてくれた
クーリーと兄さんも同じ服装だった
そしてクーリーの長い金髪を下で1つにまとめると
『終わりました』
と一礼をし、
『朝食の用意ができましたので食堂へお出でください』
と、また一礼をして部屋から出ていった
僕は昨日部屋に来る途中で色々と部屋の場所を教えて貰って車椅子で寝落ちしたので食堂の場所はある程度分かる
【飯か〜、どんなん出てくるんだろうな〜!】
可愛い
クーリーはとてもピュアで良いと思う
「取り敢えず行こっか、私もお腹空いたし」
【我も〜!】
微笑ましいな、
スープ系があれば良し
ちなみに僕はスープ系が結構好きである
「ねぇいつも思ってたんだけどさ、その我ってやつ止めてくんない?私達これから普通に過ごしていく中で身内に一人称我って人がいたら恥ずいんだけど」
【んだと?!じゃあ何が良いんだよ!】
「え?えーと……私とか僕とか俺とか…?」
【じゃあ俺が良い、なんか我と似てて使いやすそう。】
「変な選び方……」
「まぁ良い…じゃあ今日から自分の事俺って言ってね?」
【任せろ】
なんとかまとまったみたいだ
「そろそろ行こっか、ご飯冷めちゃうといけないしね」
「それもそうだ、行こう」
【っしゃ!】
【え、で食堂どこ?】
「ハハハ……こっちだよ」
【ここか……】
いやデケェな
テーブル広すぎだろ
なんなんだよ、俺知らねーよこんなん
『お待ちしておりました』
あ、クルト
食堂、そこはもう凄かった
カトラリーは全部金だし、装飾が施された椅子と机…
夢の国のような食堂だった
【見てみろコレ金だぜ…?!】
「本当だ綺麗だね!凄い……!」
「私もこんなに豪華な物は初めて見たな……、」
俺らがそう感嘆していると
『朝食を運ばさせて頂きますので椅子に座ってお待ち下さい』
クルトが言うと顔の隠れた執事が椅子を引いて俺らを座らせた
【どんなのがくるんだろうな…?!】
『お待たせいたしました、今日の朝食はラム肉のタジン、鮭の燻製、コーンスープ、付け合せにカットしたフランスパンにバターを塗ってお召し上がりください』
ンだこれ…?!すんげぇ美味そう、!
てかタジンってどういう意味…?
まぁ良いや、食お
【頂きます!】
「い、頂きます……」
「頂きます」
パクッ
う、う、うまぁ?!
鮭うんま…?!
一生噛んでられる飲み込みたくない
パンうま?!
スープうま?!
タジンうま?!
全部うま?!
は?すんげぇうめーんだけど!?
こんな美味い物アヤトとアキトはどういう反応してんの?!
「………、」
うーわ…やっぱアヤトはなんも無表情だ
淡々と口に入れてる……こわ、サイボーグかよ…
えーとアキトは…っと
「✨️✨️✨️✨️✨️」
うーわ…キラッキラしてる…
声に出してないけど顔でわかるんだよな…アイツ
ポンポン
ん?アキト?俺の肩なんか叩いてどうしたんだ?
「ねぇねぇクーリー、コレすっごい美味しいよ!」
だろうな、こういうのだと思ってたわ
「美味しいこれ…!」
【そら良かったな】
『身に余るお言葉です…』
と、クルト含め食堂にいた執事、メイド、コック全員が頭を下げた
こんなに美味いモンこれだけしか食えないなんて……マジで少ないな……あ、そうだ
【クルト!おかわり!】
おかわりすれば良いんだ!
「ちょっと、食べ過ぎないでよ?私達顔は良いんだから顔に見合う体型しとかないと、!」
「うっ……に、兄さん……」
「どうしたの?アキト」
「僕もコーンスープおかわりしたかった……」
「じゃんじゃん食べなさい2人共」
【掌返しエグ】
「そこのコック、クーリーにタジン、アキトにスープのおかわりを頼める?」
【ガチめにエグ】
[あっはい!]
そう返事したのは若いコック、見た所彼がコック長らしい
そうは見えない好青年さだな
でも……頭に生えてる角からして人間ではない感じ…
とりま詮索してみっか、頼みたい事あるし
【おいお前】
〔ぼ、僕ですか?〕
結構オドオドしてんな…
【うん、そう】
〔何でしょうか…?〕
おかわり大盛り頼みたいけど普通に言ったら絶対アヤトにドヤされるな…耳打ちにしねーと、
【おかわりは大盛りで (コソッ】
〔あ、はい!かしこまりました!〕
〔では……〕
おいおいそれで呼び止めた訳じゃねーよ
【待って】
〔はい…?〕
【名前、教えて?】
名前分かればこっちのモンよ
〔僕の名前でございますか?!〕
【お願い】
〔そ、そ、そ、そんな!僕みたいな一介の厨房人に!クーリー様のような方に名乗る名など…!〕
めんどくさコイツ
【ね〜お願い〜!】
駄々こねるのも疲れんのにさ〜……
【ダメ?】
上目遣いやったろ、これで堕ちたろ。
俺顔は良いし
〔で、では一度だけ…〕
っしゃ!
【ぅん】
〔ぼぼ、ぼ、僕の名前はマイク・スカーレット……です…〕
マイク……ん?スカーレット、?スカーレット?!
嘘だろおいおい!なんで魔界の名門貴族の息子がここにいんだよ!
【お前…スカーレット家の…?】
〔あっご存知でしたか、!〕
〔僕の家結構な貴族なんですけど、魔界からの招集でここのコック長をする事になったんです〜〕
なんでだよ!もっと良い役職あったろ!
まずなんで招集がかかるんだよ!
まぁ良い……
【それだけ、行って良いよ】
〔あっ、ハイ!失礼します!〕
【あ、あとさアレ…】
〔おかわり大盛りですね!かしこまりました!〕
あっちょおい!
そんな大声で言ったら……
「クーリー…?」
ほらぁ!アヤトが……
「そこの……マイク、だったっけ?」
〔あ、はい!〕
「おかわりは標準で頼める?」
〔し、しかし…〕
「頼める?」
〔は、は、はい!〕
あちゃ〜……
【も〜!なんでだよ!良いじゃん別に!】
「さっきも行った通り、私達はこれから貴族という事になる。」
ん?貴族?
【え、ちょま、え?貴族?】
「そうだよ」
「階級で言ったら結構上らへんだから頼んだよ」
【はぁ?!】
【ンなもん聞いてねぇよ?!】
「当たり前じゃない、言ってないんだから」
おいおいコイツ……
( ゚д゚)ハッ! アキトは?!
「ポケーーー」
アッ…ダメだ飯が美味すぎて話聞いてない
【アキト、!おいアキト!】
「( ゚д゚)ハッ! な、何?!」
【聞いてたかよお前!】
「あ、ごめん…聞いてなかった…」
まぁだろうな
【俺ら貴族なんだってよ、!】
【俺ら上流階級の貴族になっちまったよ?!】
「え?!なんで?!僕が?!」
【分かんない!お前が!】
「えぇぇぇぇ?!」
「君達、うるさいよ静かにして」
「あっ、ご、ごめん」
【でも何で急に俺らが?】
「アキトがあの忌々しい部屋から投げ出された時、頭の中に流れてきたんだ」
「私の頭の中に……お前は平凡な愚民ではない、由緒正しきモノなのだって…その後目がグルグルして私は思わず目を閉じたんだ」
「目を覚ました時、私は再び人間では無くなったと認識した」
「すると私達が帰るべき場所が頭の中に浮かんだ。私達が幸せになれる場所、家族になれる場所、学べる場所、頭で思いつく場所に行くとここだった。それだけの話、分かったかい?」
【や、ややや…!】
「や、ややや…!」
「ん?何?2人共」
【ややこしッ?!】
「ややこしッ?!」
「頑張って考えてよ、私だって説明するの難しいんだ。」
〔あ、あの〜……〕
「ん?何?」
〔おかわり持ってきたんですけど…?〕
「そう、出して差し上げて」
〔アッ…かしこまりましたッ…〕
〔クーリー様、た、タジンです…!〕
【うっわ〜!すげぇ大盛りだ!】
「…………、」
〔すっすみませんアヤト様!しかしクーリー様の顔がとても悲しそうだったので……〕
「はぁ〜〜〜〜〜…………」
「ねぇ別に良いじゃない兄さん、今日だけならさ」
「ふぅ……まぁ今日だけなら」
〔あとアキト様のコーンスープです!〕
「ありがとう、マイク」
〔いえいえ、!〕
楽しいな、
こんな時間や日々がずっと続けば良いのに