テラーノベル
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続き
東「もう終わりだよ、西ドイツ」
🇩🇪「…」
東「……出来損ないのくせに、逃げようとしたからこうなったんだ」
ザシュ
ドイツの右手首に短剣が突き刺され、完全に切り離された。
🇩🇪「ッ……!」
東「どうする?次は左手だよ。」
左手首に短剣の刃があてられる。
東「本当にくだらないね。西ドイツ、お前は全部間違っていた」
🇩🇪「……ああ、本当に、、、、」
🇩🇪「…虚しい人生だな、東ドイツ」
東「は?」
ドガッ
押さえつける力が緩んだ瞬間、ドイツは東ドイツを蹴り上げた。
東「かはッーー」
さらに続けて、東ドイツの胸をガッと掴み殴りつける。すると
東「グッ、ゲホッゲホッガはッ……!」
東ドイツは胸を抑え倒れ込んだ。咳が止まらず、苦しそうにもがいている。
東「かひゅッーー ゲホッゲホッ」
🇩🇪「俺は自分を出来損ないだとは思わない。自分がどうしたいか考えて考えて、組織から逃げた。何よりも、自由が欲しかった」
🇩🇪「お前はどうだ?自分で考えたことがあるか?組織を疑わず一生犬として生きるなんて、俺は死んだ方がマシだ」
東「ゴホッゲホッ……ッ!!」
ドイツは立ち上がり、うずくまる東ドイツを見下ろす。
東ドイツがドイツを見上げた。
成長してドイツと身長がほぼ同じになった東ドイツにとって、ドイツを見上げるのはまだ幼き日以来だった。
脳内に、あの幼き日が蘇る。
👤「西ドイツ君は覚えが良いですね。言葉遣いが完璧です」
👤「数学の伸びが素晴らしいですね。きっと、将来組織を支える素晴らしい人材となるでしょうね」
いつも褒められるウェスに憧れていた。
🇩🇪「別に」
それでいて飄々とした態度を崩さない彼を、どれほど羨ましく思ったか。
……だって、優秀ってことは、“食われない”ってことなんだから。
一方、僕は臆病者
「ひとりじゃこわいよ、ねれないよ…」
1人で寝れないし
👥「今日はご馳走だな!」
🇩🇪「…イスト、大丈夫か、?」
東「……」
食卓で震えが止まらないし
👤「東ドイツ君は……まず言葉をじょうずに使えるようになりましょうか」
東「……はい」
優秀になりたかった。
卍「なあ東ドイツ。これ、食べるか?」
東「……はい」
優秀になりたくてなりたくて仕方なかった。
皿の上に乗せられるのが、僕になる前に
優秀になるにはどうすれば良いのか。
頭を必死に働かせて得た答え、優秀な人を真似すれば良い。
ウェスが本を読むなら、僕も本を読む。
ウェスが勉強するなら、僕も勉強する。
ウェスが1人で寝るなら、僕も1人で寝る。
ウェスが常に冷静なら、僕も常に冷静でいる。
僕は恐怖心を押し殺し、“優秀”へと近づいていった。
やがて体が成長するにつれ、ウェスの身体能力が低いことが露呈していった。
優秀な子と出来損ないの立場が逆転した。
ウェスが厨房へと連れていかれ、吐いて戻ってくる度、僕じゃなくて良かったと安心した。
“出来損ない”がいるからこそ“優秀”が存在するのだと気づいたのもこの頃だ。
このまま優秀な人を真似していけば、何も困ることは無い。
真似する対象は、ナチス兄さんへと移った。
ナチス兄さんが戦闘技術を高めるなら、僕も戦闘技術を高める。
ナチス兄さんが任務を完璧にこなすなら、僕も任務を完璧にこなす。
ナチス様が家族でない人を食べるなら、僕も食べる。
卍「よくやった東ドイツ。お前は愛しい家族だ。その調子で、次の任務もやり遂げろ」
僕は優秀で、ウェスは出来損ない。
一生こうして生きていく。
僕はとっくに理解している。
出来損ないが無いと、優秀は無いってこと。
だから
東「この間、西ドイツが僕の任務を手伝ってくれたのですよ」
卍「そうなのか?」
東「ええ。彼、自分の任務よりも家族の任務を優先させてしまうタチだそうで」
こんな話がお好きでしょ、ナチス様
卍「西ドイツも……やればできるはずだ。もっと厳しく躾けるよう頼むか」
東「ナチス様……ありがとうございます」
西ドイツが今も生きていられるのは、僕のおかげ。
出来損ないのウェス。どうか生き延びて、僕の土台となり続けてくれ
なのに、なぜ?
🇩🇪「だから……俺はこの組織を出る」
なんで?
🇩🇪「……俺みたいな、弱い奴をあんな扱いしといて、“家族”?……イストには分からないだろうな、この組織の異常さが」
分かる、分かるよ。だからこそ怖くて、死にたくなくて、ウェスを土台にしてまで……
🇩🇪「俺はこんなところから逃げ出して、外に出る」
やめてくれ。出来損ないがいなければ
東「……なら、……!!なら、今ここでお前を殺す……!家族の裏切り者として……!! 」
死ぬのは怖いはずだ、ウェスも。
脅せば良いのだ、戻ると言え。
それだけで、全て上手くいく。全て
「……そうしたいなら、そうすれば良い。俺は、……!俺は、……自由になるんだ」
それが、あいつの選んだ答え。
憎い、憎い、憎い、憎い
なぜ僕をおいていくの。
お前が食われないように、ナチス兄さんに嘘をついたのは僕だ。
僕は自分で、殺されないために努力した。それだけでなく、お前も殺されないための努力をした。
チャキッ
銃の照準をウェスの頭に合わせる。
……あそこで撃てば良かった。これほど後悔したことはない。
僕は撃てなかった。
ここでも、僕の臆病が出たのだ。
手が震えて、照準がブレる。
涙によるものか、視界がぼやけてよく見えなくなる。
ウェスを殺すなんて……
今まで殺してきた奴とは違う、実の双子の兄だ
忘れていた記憶がこんな時に限って蘇る。幼い頃、確かに僕たちの絆があったとき
きっと撃てば後悔する。僕はそれが怖かった…
気づけば、ウェスの姿は消えていた。
銃を下ろし、ナチス様の部屋に向かう。
東「……ナチス様、西ドイツの姿が見当たりません」
東「……犬、だって……?」
ドガッ
ドイツの拳が東ドイツの頭に直撃する。
東「ゲホッ……ックソ、クソ……!!」
手探りで落とした短剣を探す。
ガチャン
だがドイツに短剣を蹴り飛ばされてしまった。
東「ゴホッ…僕はッ……!犬じゃッ…!!」
東「犬じゃッ……な……!!」
血が流れ朦朧とする頭の中で、東ドイツは考えた。
身なりも、身に付けた知識も、戦闘技術も、全部全部
東(……僕が自分で身につけたもの、何かあったっけ……?)
ドクン、ドクン……
東ドイツの胸から聞こえる音。
それが鳴り響く度、感じる違和感。
東「ゲホッ…ゲホッ」
咳が止まらない理由
それは
東「どういうことですか!!何をッ……!!」
手術室の中で拘束され、知らない人間に囲まれる。
その中に、ナチス様と、ボスがいた。
卍「お前は……お前だけは、俺のそばにいてくれると、信じている」
??「初めての試みだからなあ、失敗するかもしれないぞ」
卍「東ドイツは特に優秀な子だ、大丈夫だ」
卍「……それに、実の兄弟がいなくなるのは、もう散々なんだ」
その日、ウェスが逃げたせいで、僕の胸に爆弾が埋められた。
起爆装置を持つのは、ナチス様とボス。
卍「これで、何も問題は無い」
??「東ドイツ……もしナチスの生命活動が途絶えたら、その10分後にこの爆弾を起爆する。タイミングを見計らって、敵に突っ込み、巻き込め」
あのとき、幼い頃を思い出さなければ
僕を見捨てたあいつを撃っていれば
その日、僕の自由は死んだ。
東ドイツは胸を押さえた。
心臓が激しく動くと圧迫され、苦しくなる。
東ドイツの目の前にいるのは、自由を選んで逃げ出した、出来損ないだったはずのドイツ。
対して、一生逃げられない呪いを抱えた、優秀だったはずの東ドイツ。
東(犬……か)
ドクン、ドクン……
東(……それじゃあ、僕の人生の方が、全部間違ってて、くだらないじゃん……)
🇩🇪「東ドイツ。本当にくだらないのは、全部間違っていたのは、お前だ」
東(……本当に、同じことを考えるんだな。双子だからか……いや、……僕がお前を真似したから……?)
東ドイツは朦朧とした頭で、ずっと秘めていた疑問を絞り出した。
東「……じゃあ、どうすれば良かったの」
🇩🇪「え?」
東「もう、今更……どうにもできないけど?」
ドイツの背後に、ナチスが忍び寄る。ドイツは気づいていないようだった。
ナチスを見た途端、東ドイツの中に、危うく忘れるところだった感情が再び湧き上がる。
東(これまでの僕をッ……否定するな否定するな否定するな!!!僕は僕は僕はッッ……!!!)
東ドイツには家族がいるのだ、何よりも大切な。目の前のナチスこそ、東ドイツにとっての大切な家族だ。
だから
東「自由なんてッ……いらないんだよ”おお”!!」
ナチスが銃を構え、ドイツの頭を狙うのが見えた。
東「死ね”!!!!!!」
涙で視界がぼやけて、ドイツの顔が歪む。
しかし
卍「あッ……が…」
ナチスの体を背後から何かが貫通し、銃がカチャリと音を立てて落ちた。
ナチスが信じられないように後ろを振り返ると、そこには
震える腕だけを持ち上げる、虫の息のフランスがいた。
卍「何ッで……!!」
ナチスを貫通しているナイフは、先ほどまでフランスの脚に突き刺さっていた毒付きのナイフだった。
しかしフランスはうつ伏せに横たわっており、顔をあげる力が残っていないのか、こちらに視線を向けていない。
卍(あいつッ……!どうやってッ)
慣れていない左手しか使えない状況かつ、まともに対象を視認することすらできない状況のはず。
🇫🇷(甘いんだよボケカス……)
フランスは耳が良かった。足音、衣擦れ、靴の金具が触れる音、呼吸音
フランスには、対象の位置を特定し、急所を狙うことが不可能ではなかった。
少し急所からはズレたようだが、それでもダメージは確かに入る。
🇫🇷「てめえも……道連れだよッ……!」
🇩🇪「ッ!!」
🇩🇪(よくやったフラカス……!! )
ドイツがナチスに襲いかかろうとするも
ズドッ
東ドイツの短剣がドイツの背中に突き刺さる。
さらに、気絶するまでドイツの頭を殴り続けた。
🇩🇪「ぅ……あ」
ドサッと音を立ててドイツは倒れ込む。
フランスもすでに動かなくなっていた。
卍「……」
ナチスは無言でナイフを引き抜き、ドイツの足を掴んだ。
卍「…厨房に行くぞ」
東「………はい」
ドイツを引きずり、残った2人は赤く染まった床を歩き始めた。
第8話 終わり
(こっから読まなくても良いよ)
おふざけ9割のなんちゃって殺し屋パロ小説を書くつもりだったのに……🤕
この戦いは次回で終わります
#るこ🌱𖤐🌻
るこ本垢に物語あげ直し中
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コメント
1件
うわ……読んだあと、しばらく動けませんでした。東ドイツの「僕が自分で身につけたもの、何かあったっけ」の問いかけが、胸に刺さったまま抜けないです。優秀でいることが生き残ることで、真似ることしかできなかった哀しさ。それでも双子の兄は撃てなかった臆病さが、逆に彼の人間らしさだったんだなって。フランスの最期の一撃も痺れました。次で決着なんですね。心の準備をします……!