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うずくまっていると誰かに声をかけられた。
「お嬢さん、大丈夫〜?」
そんな呑気な声が聞こえ、頭を上げると白髪のイケメンが私の前に立っていた。
なんでこの廃校に?そんな考えを見通すように白髪イケメンが口を開いた。
「いやね、肝試しに来たら迷っちゃってさァ〜。んな時に君を見つけたから声をかけちゃって…お邪魔だったらごめんね〜?」
そんな言葉とは裏腹にニコニコと顔色を変えずに話す男に違和感を覚えるが、そんなことに構っている余裕は那月には無かった。
那月「いや、私も迷っちゃって…。」
「あ、そーなの?んじゃあ一緒に帰り道でも探さない?」
【男と行動しますか?】
《Yes》◀《No》
「勿論」と返事をすると笑顔がより一層強くなった。
若葉「あ、俺”若葉”よろしくね〜、えっと…」
那月「那月です、よろしく」
先程のこともあり、まだ恐怖でいっぱいだった。その顔を見て、若葉が少しニヤッと笑ったのは気のせいなはずだ。
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若葉「ごめん、少し腹が痛くなって…トイレに寄っていいか?」
そう言って、トイレに向かう。迷ったと言っていた割には初めてこの廃校に来たのか疑うくらいスラスラとトイレに向かっていく。
ついでにと、私もトイレへ入る。
薄暗く、少し怖い。
そしてトイレに入り、出ようとした時に壁に何かが書いてあることに気がついた。赤い文字で
【一緒に遊ぼう?何して遊ぶ?】
と書かれてあった。あ、これ知ってる。トイレの花子さんだ。
え?トイレの花子さん?「何して遊ぶ?」って私拒否権ないんだ…そっか。
なんだかあまり怖くはない。トイレの花子さんという話は有名だから、解決法だって耳にする。確か、百点満点のテストを見せると逃げていく…だっけ?
いや、持ち歩いてるわけないんですけど。「これ無理だ」と思い、トイレの扉に手をかける。その瞬間、私の手を白い半透明の手が掴む
さっきまでの余裕はどこに行ったのか、背筋が凍る余裕もないくらいに怖い、恐ろしい。
花子さんに捕まったらトイレに引き込まれるというのを思い出して、もっと怖くなる。その手を振りほどこうと暴れるが力が強く、とても振りほどけない。
そのままトイレへと引きずり込まれていく。
この光景を見るのは何度目だろうか。
いや、何を私は考えている?こんな状況、一度も体験したことはないはずだ。なのにどうして…
そんな事を考える余裕を花子さんは与えてくれない。こんな時にあのイケメンが助けに来てくれたら…と若葉を思い出す。まあ、そんな事は起こらないのが現実。とりあえずグッバイ人生。
・・・・・・【ゲームオーバー】・・・・・・