テラーノベル
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~新連載~
世界は、AI 人工知能により侵略が進められていた。
人類は、混乱と反乱が巻き起こり…人工は世の中の4割が壊滅。
地球は…破滅への一路を辿っていた。
とある田舎の、小さな生き残りの村にて…
白尾与一『ねみ~…こんな時間に何の用だー…?こっちは殺し屋からァ、足を洗った身だってんのによ…』
彼女の名前は、白尾与一 元最強の殺し屋。ボサボサロングの白い髪、まつ毛が長く、輝く青い瞳…誰でも一度は振り向くほどの、美人である。
そんな彼女はスマホから政府に呼び出され、ボロい一軒家を出る。
白尾与一『はぁ~ぁ…どいつもこいつもォ…人工知能とか言う、鉄のガラクタにビビって出て来ねーし…』
白尾は瓦礫まみれの道を歩きながら、ブツブツと独り言を垂れ流す。
野犬の大群が、威嚇するように白尾に向かって吠える。しかし…
白尾与一『んッ…?何の用かな?犬っころ~』
そんなこと日常茶飯事…白尾は、そんな野犬を撫で回して笑う。
白尾与一『ってか…政府からの呼び出しって何だろーな…』
そして野犬はすっかりと懐き、白尾の真っ白な胸にすり寄る。
白尾与一『おっ?マセてんな~犬っころ…でもすまねーな、流石にィ、犬とはヤれねーよ』
白尾はゲラゲラと笑い、再び立ち上がって瓦礫まみれの道を歩く。
そして、瓦礫まみれの道を歩き…3時間後
白尾はスマホを見ながら、ついに立ち止まる。
白尾与一『ここかな…日本政府の本拠地とやらは…』
そこは高い門で視界を遮られた、鉄壁の高層ビルだった。
白尾はポリポリと頭を掻き、門の入り口を蹴飛ばして入る。
白尾与一『おーい、どこだ~?与一様が来てやったぞ~』
白尾は不機嫌そうにビルの方へと歩く。
庭のような辺りには、高額そうな銅像が沢山飾られていた。
白尾与一『呼ぶだけ呼んで…お迎えなしか~?政府さんよー』
すると…
ビルの入り口がゆっくりと開き、ヨボヨボの老人が出てくる。
白尾は不機嫌そうに老人を睨み、爪をガジガジと噛む
白尾与一『おーおー…久々だなァ、じじい』
白尾は腰に手を置き、まじまじと老人の顔を見つめる。
佐藤勝『じじいとは何じゃ…何度か夜を共にした仲じゃろうが…』
老人の名前は、佐藤勝 日本政府を牛耳る裏の顔。黒いゴムでくくった白髪に、長い髭を蓄えた、元 人間戦車との異名もある男である。
白尾与一『うるっせーな…あん時は金積まれてたからだ』
佐藤勝『くくッ、チョロいのう…まあ、話は中で…』
佐藤はわかばと言うタバコを取り出し、ビルの中へ招く。
ビルの内部は、物騒かつ厳重なセキュリティで溢れていた。
白尾与一『昔みてーに火はつけねーぞ?もう足洗ったんだ』
佐藤勝『釣れねーなァ…?昔みてェに媚び売りゃ良いのに…』
佐藤はわかばを咥え、ボロいライターで火をつけて煙を吹く。
そうして…
ビルの最深部の部屋の前で、佐藤は足を止める。
佐藤勝『ここじゃ…入れ、我が部下よ』
佐藤は自分の長~い髭を右手で撫でながら、白尾を見る。
白尾与一『次、部下って言ったら殺すぞ…老害…』
白尾はイライラしながら、鉄の扉を両手で押し開く。
白尾与一『はッ…!?お、お前ら…な、なんで…』
白尾は扉を開けると、目を見開いて口をぽかーんと開ける。
そこには…
白尾が殺し屋時代にバティを組んできた元 仲間2人の姿があった。
佐藤優『どうじゃ?お前の元バディじゃ…生き残りのな』
佐藤は灰皿にわかばを押し当て、ふかふかの玉座に座る。
白尾与一『じ、じじい…コイツら出汁にあたしを使うつもりか?』
白尾は冷や汗をかき、警戒心丸出しで佐藤を睨み付ける。
佐藤は部屋にあるひとつの椅子を指差し、白尾を見つめる。
佐藤『あそこがお前の席じゃ…まあ、座れ』
椅子に座った元バディ2人は、白尾を見つめてニヤリと笑う。
田中晶『安心しなよー、僕らは捕まった訳じゃないからね』
彼の名前は、田中晶 元白尾の相棒であり、今も現役の殺し屋。黒いサラサラの髪の毛に、光のない真っ黒な眼。いかにもモテそうなイケメンだ。
宮城明『田中、ヘラヘラしてんな…遊びじゃねぇんだ』
さらに彼の名前は、宮城明 元白尾の相棒であり、今は田中とバディで殺し屋をしている。オールバックの金髪が特徴で、ハードボイルドって感じ。
白尾与一『おいじじい…全員集めて、何しようってんだ?』
白尾は倒れるように椅子に座り、テーブルの上で脚を組む。
佐藤勝『君らはァ…今、この世に生き残ってる人類で恐らく…』
佐藤は右手に持ったわかばを一気に吸い、上を向いて煙を吐く。
宮城明『途切れ途切れで話すなッ!イライラすんだよォ…』
宮城はバァンッとテーブルを叩き、ギリギリと歯軋りをする。
佐藤勝『お前らはなァ、生きてる人類で一番強ェ…分かるな?』
佐藤はピンッと指でわかばを弾き、灰皿の中に飛ばす。
白尾与一『だから何だよ…あたしらをまた使う気かァ?』
白尾はポッケからミントのガムを取り出し、クチャクチャと噛む。
田中晶『僕にもちょーだい♡』
白尾与一『無理』
白尾は皮ジャンを脱ぎ、ぷくーっとガムを膨らませ佐藤を見つめる。
佐藤勝『まあ、違うと言えば嘘になるのう…今、世界はAI 所謂~、人工知能に支配されておる…分かるな?』
白尾与一『だから…?無茶苦茶なこと言うんじゃねーだろうな』
白尾、田中、宮城は、佐藤を睨むような視線で見つめる。
佐藤は少しニヤけながら、そこにあった杖を持って立ち上がる。
佐藤勝『お前らには…人工知能特効の殺し屋として戦ってほしい』
佐藤は灰皿からしけもくを取り、しなしなのわかばを咥える。
白尾与一『は?おい、冗談きついぜッじじい!』
白尾は呆れた様子で立ち上がり、佐藤の胸ぐらを強く掴む。
佐藤はガハガハと笑い飛ばし、苛立っている白尾を見つめる。
佐藤勝『お前が殺し屋を辞める時…条件があると言ったじゃろ』
白尾与一『じ、条件…?んな昔のこと、ガキじゃあるまいし…』
白尾は佐藤の胸ぐらを離し、大人しく椅子に座り直す。
佐藤勝『殺し屋ってもんは…簡単に人間に戻れるもんじゃねェ』
佐藤はニヤニヤと煙を吹きながら、3人を見つめる。
佐藤勝『だから、お前の殺し屋辞退の書類に書いたはずじゃ』
佐藤はビッと白尾を指差し、白尾は歯を食い縛り目を逸らす。
佐藤勝『条件は~…政府のお願いは必ず聞くこと。となァ』
白尾与一『くッ…何年前の話だよ、クソ老害が…』
田中はバカ笑いをし、白尾を指差してバンバン膝を叩く。
田中晶『あッはは!与一は一生、佐藤さんの犬なんだね~』
白尾は座りながらピキピキと血管を浮かばせ、拳を握る。
そしてバンッと椅子を蹴飛ばし、立ち上がり
白尾与一『ふざけんじゃねェ!あたしはもう、自由なんだ』
白尾は不機嫌そうに革ジャンを担ぎ、ドアを開けて帰ろうとする。
佐藤勝『政府の犬に一度でもなったら…逃げられねェんじゃ』
佐藤は胸ポケットから拳銃を取り出し、白尾の背中に向ける。
佐藤はさっきまでの笑顔をなくし、冷たい目で白尾を見つめる。
白尾与一『チッ…結局、選択肢はねェのかよ…』
白尾は両手を軽く上げ、ゆっくり振り替えって佐藤を睨む。
チカチカと光り揺れる灯り、部屋の中には異質な空気が漂う。
白尾与一『ふぅーッ…分かったよ…やりゃ良いんだろ』
白尾は首筋にうっすら冷や汗をかきながら、両手を上げ続ける。
佐藤はコクコクと頷きながら拳銃を下げ、再びニッコリと笑う。
佐藤勝『懸命な判断じゃ…流石は、良き部下じゃのう』
左藤は火が消えたしけもくを咥え、その拳銃の引き金を引く。
するとその銃口からは、シュボッと小さな火が散る。
白尾与一『なッ…!?て、テメェそれライターかよォ!』
白尾が白目を剥いて怒鳴りつけると、佐藤はガハガハと笑う。
宮城明『うるせェ…で?報酬は?出るんだろーな』
宮城は貧乏揺すりをしながら、佐藤の目を見て言う。
佐藤は笑いを堪え、白尾を押し返して玉座に座り直す。
佐藤勝『あァ…当たり前じゃ、地球を完全に救えたら…な?』
佐藤は煙を吐き、少しニヤつきながら宮城と田中を見つめる。
田中晶『救えたら?できるかな~…僕ら、3人だけで』
宮城明『いくらだ?それによる…分かるよな?じじい』
宮城はポキポキッと指を鳴らし、佐藤を見やる。
椅子に座った白尾もうんうんと頷き、佐藤を睨み付ける。
佐藤勝『分かっとる…世界を救ったらァ…』
佐藤は勢いよく立ち上がり、バッと右手の指を3本たてる
佐藤勝『3兆円じゃッ!!どうじゃ?』
その声は政府の本拠地に響き渡り、3人を唖然とする。
そんな中、白尾は立ち上がる。
白尾与一『じゃ…本気にさせてもらうぜ?それ』
白尾は、はだけたタンクトップの紐を直して佐藤を見下ろす。
佐藤はニヤニヤと笑いながら、白尾を見上げる。
佐藤勝『分かっとるって~…こっちは政府じゃぞ?』
佐藤は完全に縮まったしけもくを灰皿に捨てる。
白尾与一『じゃ…一旦帰って準備だな~』
田中晶『おっけー☆冒険みたいで楽しいじゃん』
宮城明『この二人と冒険とか…最ッ悪だろ…』
こうして3人は…
と言う、田中の考えたカッコいい(らしい)チーム名で、
人工知能特効殺し屋として、世界を救う旅に出るのだった。
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