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「兄さんにしてはかなりの大胆発言だな。それだけ彩葉さんのことを大事に思ってるんだな」



「ああ。俺にもようやく家族ができた」



「そうだな。兄さんには雪都までいて、いきなりパパだもんな。早く雪都にも会ってみたい。きっと可愛いんだろうな」



「ああ。雪都は俺に似てすごく可愛い」



「よく言うよ」



久しぶりの笑顔の再会。



照れながら微笑む慶都さんを、とても愛おしく思えた。



「慶都さんは、ずっと蓮さんのことを大切に思っていました。だから、今日、本当に嬉しいと思います。慶都さん、きっと照れて言わないだろうから、私が言いました」



蓮さんもニコッと笑った。



「兄さんの気持ち、今ならすごくよくわかるのに、あの頃の俺は……本当にバカだった。兄さんをずっと尊敬してたのに、信じてやれなかった」



蓮さん……



「ごめんなさい。そんなつもりで言ったんじゃないんです」



「もちろんわかってます。でも……」



「もういいんだ。過去のことは何も気にしなくていい」



「いや、ちゃんと謝らせてくれ。これは俺のためでもあるから。本当に申し訳なかった。兄さん……ごめん」



蓮さんは頭を下げ、そして、続けた。



「でも、今この幸せがあるのは、あの時のことがあったおかげだから……全部意味があったんだと思うようにしてる」



「蓮……」



「美咲と海の見える場所で小さな店をしてるんだけど、そんな幸せが待ってるなんてあの頃は思いもしなかった。だから、兄さんには感謝してるんだ。兄さんを苦しめておいて変かも知れないけど、今、俺は……本当に幸せだから」



「蓮。過去のことなんかもうどうでもいい。全部忘れればいいんだ。俺は、お前が幸せならそれが何より嬉しい」



あまりにも素敵な兄弟の絆。



この先、何があっても家族として支え合っていけるよね。



「ありがとう。俺も兄さんが幸せなら嬉しいよ。いつかみんなで俺達の店に来てほしい。自作のアロマや香水なんかの販売をしてるから、ぜひ、彩葉さんにも見てもらいたいです」



「もちろんです、ぜひ。嬉しいです」



「一堂化粧品さんほど立派な品は作れませんが、美咲がパッケージデザインをしてくれて、結構人気なんですよ」



「いえいえ。お2人が作っているものには、きっととてつもない愛情が込められてるんですよね。本当に素敵です。早く見にいきたいです。ね、慶都さん」



「ああ、行くよ。蓮が作った香水なら、間違いないな。俺もつけてみたい」



「兄さんをイメージしたのを作っておくよ。必ず……来てくれ」



「楽しみにしておく」



耳に届く波の音、星が瞬く空、優しく吹き抜ける風……



こんな夜に最高の出会いを果たした慶都さん。



私は、あなたのためなら何でもしてあげたい。



愛おしくてたまらないよ……



「さあ、ホテルに戻ろう」



私達はみんなでゆっくりと歩きながらホテルに向かい、蓮さんと美咲さんも部屋に入った。



そして、私達も、スイートルームで2人だけの時間を過ごした。



甘い甘い大人の夜を……

あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~

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