こんにちは、みじんこです。
最近めっちゃ秋って感じで、なんだかテンションが上がってます。
いいですよねぇ、秋。
私は食欲の秋まっしぐらです。
ひたすらに芋と栗。
うますぎ。
それでは今回は、大好きなルフィ君のがっつり愛されを書いていきたいと思います。
またまた悲しい系なんで、まぁ、うん、はい。
お楽しみに?
それと、今回はいろんな人の視点で書くので、少し分かりにくいかもしれません。
頑張ってお読みください。
「なぁお前、名前なんて言うんだ?」
入学式当日。
緊張と期待の入り混じった空間の中、そいつはいきなり現れた。
初めてみたときは驚いた。
なんせ学ランを着崩し、首には麦わら帽子をかけていた。
正直、やばい奴に絡まれたと苦々しく思ったものだ。
「…いきなりなんだ」
「いや、仲良くなりてえな―って思ってよ!」
そういって、輝くような笑顔を浮かべる彼。
その姿は、花盛りの桜の木々にも負けないほど美しく、きれいだった。
まるでそう、花開いたばかりのひまわりのような。
そんな暖かさがあった。
「…トラファルガー・ロー…」
「トラファルガー…」
「…じゃあお前はトラ男だな!」
「俺の名前はモンキー・D・ルフィ!」
「よろしくな、トラ男!」
このときから俺はすでに、こいつへ惹かれていたのだろう。
誰よりも自由で美しい彼に。
入学して何か月か経った。
ふと前を見る。
一見教科書を読んでいるかのように見えるが、うつらうつらと揺れる小さな背中。
それを見てクスリと笑いながら、静かに起こしてやる。
「おいルフィ、おい」
「ん…、あぁ、サンジ…?」
「なんか用かぁ…?」
「なんか用かじゃねぇよ」
「また寝てると、センセイに怒られるぞ?」
「んんー…」
まだ眠そうな目をこすりながらも、なんとか起きるルフィ。
何気ない仕草だが、こいつがすると、なんでも愛らしく、可愛く見えてしまう。
不覚にも心を揺らがせる。
俺はこいつのことが好きだ。
それこそ、小学校のころから。
だがこいつは全く気付かない。
一応、ずっとほのめかしてんだけどなぁ…。
だがそんな鈍感なところもまた好きなのだ。
だから俺は決めた。
こいつが気づくまで、とことんやってやろうと。
「…覚悟しとけよ…」
「んー?なんか言ったか?」
「いや、なんでもねぇよ」
夏はまだ、始まったばかり。
秋も真っ盛りの中、文化祭でにぎわう校内。
俺らのクラスでは定番のカフェをやっていた。
他のやつらと一緒に調理や接客をしていると。
「おーいゾロー!」
教室内に、ひときわ大きく元気な声が響き渡る。
散々聞いてきた声を間違えるはずもなく、大体の予想をつけながら振り向く。
「おい、でけぇ声出してんじゃねぇよ」
「ほかにも客がいるだろうが」
「あ、悪ぃ」
少し申し訳なさそうに立つルフィ。
その隣には、あの忌々しいぐる眉。
「てか、なんでてめぇもいんだよ」
「俺だって来たくて来たんじゃねぇよ」
「ルフィがこんな格好でお前のクラス見に行くつったから…」
そう、ルフィたちのクラスでは、どうやら逆メイド喫茶をやっているようで、
なんともまぁかわいらしいメイド服に身を包んでいた。
…似合いすぎじゃねぇか?
確かに、こんな姿で一人うろうろさせるのはよくない。
ぐる眉の気持ちもよくわかる。
「おいルフィ、なんで着替えてこなかったんだよ」
「だって時間かかるんだよ、これ」
「それに早くゾロんとこ行きたかったしな!」
その言葉に何の含みもないと分かっていても、やはり、
片思いの身としては少し意識をしてしまう。
その格好でそれは、なぁ…?
つい無言でルフィを見つめていると、隣から牽制のまなざしが送られてくる。
分かってる、抜け駆けはなしだってことだろ?
そう意味を込めて見つめ返す。
どうやらちゃんと伝わったようで、ふいと目線をそらされる。
興味深そうに教室内を見まわしている隣の彼へと。
その表情は、一目でわかるほど露骨で、呆れてしまう。
だが鈍感なこいつにはこのくらいはしねぇと、一生気付いてもらえないだろう。
だからこその、ぐる眉との協力。
俺ら2人でアタックしながら、意識してもらえるように。
「ルフィ、こっち座れ」
「どうせなんか食ってくんだろ?」
「サービス、してやるよ」
「!いいのか!」
だがたまには、こんくらいの抜け駆けもしねぇとなぁ。
少しでも早く、気づいてもらえるように。
はらり。
今年初の雪。
それはまだ小さく、手に触れるとすぐに溶けてしまった。
「ん、雪か」
隣を見ると、上に手をかざしながら、雪を受け止めるベックの姿が。
「今年は早ぇなー」
「まぁ、確かに少し早いな」
そうなんともなしに話しながら歩いていると。
「シャーンクスっ!」
後ろからいきなり、誰かから抱き着かれる。
その衝撃に思わずよろけてしまう。
「ぉわっ!」
「びっくりしたぁ…」
「ルフィ、いきなり抱き着くと危ないぞ」
「ん、悪ぃ、ベック」
「いや、俺に言うべきだろ?」
そう言って、ひらりと背中から軽やかに降りるルフィ。
どうやらちょうど、彼も下校中のようで、コートにマフラーと、大分着こんでいた。
「おぉ、ごめんな、シャンクス!」
「まったく、その癖、いい加減直せよなぁ?」
「仕方ねぇだろ」
「なんかついしちまうんだよ」
「まるで飼い主を見つけた犬みてぇだな」
「えー、俺、犬じゃねぇぞー?」
頬を膨らませながら、少し不貞腐れたようにベックを見るルフィ。
可愛い。
コートに顔を少しうずめるその姿に、愛しさを覚える。
こいつが後輩として入学してきたとき、その明るさに、愛らしさに驚いたもんだ。
だが今では、その明るさが、俺の心を照らす光となった。
その楽し気な表情、動作、声、すべてが俺の頭の中をさらっていく。
これほど恋焦がれるのは、初めてだった。
だが、こいつの周りには、敵がたくさんいる。
入学してからやたらと一緒にいる、帽子をかぶった男。
小学校からの幼馴染の2人。
俺がこいつのとこに行くと、必ず鋭い視線が送られてくる。
まるで、自分の子を守る親のように。
だからと言って、俺は諦めない。
諦めきれるはずがない。
こんなにも、俺の心をかき乱す存在は、ほかにいないのだから。
「…ん、シャンクス」
「あぁ?なんだ?」
ぽんっ、ぽんっ。
いきなり頭に手が触れる。
「…なっ?!」
「髪に雪、ついてたぞ!」
「…そうか、ありがとう…」
つい、顔を赤らめていると、隣からからかうような視線が送られてくる。
…こいつ…。
だがもう今更だ。
散々こいつには話してきた。
恥ずかしがることなんて何もない。
はずだが。
…やっぱりまだ無理だわ…。
こうしてまた、振り回されていく。
春。
長い受験期間を終え、無事念願の学校に入学できて喜んでいると。
「おい、そこのお前!」
いきなり声を掛けられる。
入学早々絡まれてしまった、と恐怖に体を硬直させながら振り返る。
だが、そこにいたのは、想像していたよりもずっと小柄な男だった。
そしてもう一人隣に、声をかけてきた人とは違う、目つきの悪い男が立っていた。
どちらかというと、こちらのほうがそれっぽかった。
「おい麦わら屋、いきなり後輩に話しかけるなんて何考えてるんだ」
「いや、ちょっと気になってよ!」
「はぁ…、お前は本当に変わらねぇな…」
「なんだ?ほめてんのか?」
「あぁ、ほめてるほめてる」
話しかけられたにも関わらず、話に置いていかれ、どうすればいいのか困惑する。
するとそれに気づいたのだろう。
再びその小柄な男が話しかけてくる。
「あ、悪ぃ悪ぃ」
「あ、いえ…」
「で、その…、なにか…」
「お前、名前なんて言うんだ?」
「え、な、名前ですか…?」
「おう!」
「俺と友達になろうぜ!」
そういって輝くような笑みを浮かべる。
どくんっ。
その顔に、なぜだか鼓動が早まる。
「え、っと…」
「コビー、です」
「コビーか!いい名前だな!」
「俺の名前はモンキー・D・ルフィ!」
「よろしくな!コビー!」
その一連のやり取りを呆れたように見ている、柄の悪そうな先輩。
そして満足げに笑う彼、ルフィさん。
まさか、高校初めての友達が先輩になるだなんて、想像もしていなかった。
今でもまだ、混乱している。
だがなんだろう。
すごく、嬉しい。
そしてこの日から、僕が彼を目で追う日が始まる。
目が合うごとに、話を交わすごとに嬉しさが増す。
きっとこれが、僕にとっての初めての恋。
そう、誰もが彼に恋い焦がれる中。
ある日、彼に恋人ができたといううわさが流れた。
その相手は、彼のもう一人の幼馴染、ナミだという。
人気者の彼がついに付き合った、ということで、その日は1日中その話題で持ちきりだった。
その噂の彼と彼女は否定するでも肯定するでもなく、いつも通り仲良く談笑している。
その光景は、噂を決定づけるかのごとく、甘く、暖かかった。
あいつに、彼女。
…おめでてぇことじゃねぇか。
…だがなぜだ。
素直に祝福できない。
…やっぱり、最初から駄目だったんです。
そんな中、彼はいつも通り話しかけてくる。
「なぁ、今日遊びに行こうぜ!」
俺は。
この感情を。
どこに持っていけばいいんだ。
もう、何もかもわからない。
まるで太陽が消えたかのように暗い。
どうせなら、
俺を/僕を、
選んでほしかった。
うわぁぁぁ。
クソ長くなりました。
まさかの4000文字突破。
うわぉ。
スクロール、お疲れさまでした。
今回はあとがきがだるいので、省かせていただきます。
それでは今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
またお会いしましょう!
ばいばい👋
コメント
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ウワァァァァギャァァァァァアハァァァァァァ←(え) 最高じゃないスか(((((殴 好きです☆ ((꜆꜄ ˙꒳˙)꜆꜄꜆ポチポチポチポチポチポチポチポチ