テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
memi(めみ)
965
塩﨑side
僕と柔太朗の関係に進展はないまま、もう2ヶ月以上の月日が経とうとしているわけで
自分にその気はないし、柔太朗から正式に良い返事が返ってきても困ってしまうからって言い訳をして、自分からは催促せんと柔太朗の返事を待つフリをしているんやけど、今のこの雰囲気がなんとなく心地良くて、惚けて油を売る自分がおる。
結局、佐野さんを振り向かせなければ意味をなさないけど、果たして自分の暗躍は正しく歯車を動かしているのやろうか?
ようわからんくなってきている…
今日も楽屋で柔太朗は僕のそばでスマホを触る。
何気なく柔太朗の太ももに手が触れて、そのままトントンとリズムを刻みながら、ぼんやりとこの先への不安を解消する。
柔太朗は僕が触れても何も発さず、ただ自然に受け入れている。
柔太朗はスマホから目を離して、あくびをすると俺の肩に頭を預けて目を閉じる。
寝させてとかそんな言葉なく行動する彼に驚く事もなく受け入れて、髪の毛をサラッとなぞると少し口角を上がったように感じる。
この空間が何よりも居心地が良い。
小さな幸せの空間に新しい風が吹き込む。
扉の前にいた自分たちを気にする1人の影は、静かに近づき自分たちの対面にボスっと腰をかけて座った。
気づきたくないけど、気づく様に鋭く睨みつけられているという表現が正しいとも取れる様なほどに強く強くこちらを見つめている。
その刺される様な視線に柔太朗な撫でていた手が止まる。
磔にされたかの様に手がそこから動かなくなってしまった。
佐野side
前仕事を片付けて次の目的地へ急ぐ。
当たり前に愛している自分たちのグループ、大好きな仲間である関係が少しずつ変容する様に感じるこの頃。
居心地が悪い訳じゃない。
ただ少しの違和感…
想像したくない最悪の想定から目を背けたいと考えているからだろう、毎日あの場へ向かう足取りが日に日に重くなる。
🩷「はぁ…」
溜息を一つついてドアノブを握る手に力を込める。
扉を開けると飛び込んできた情報は太智の肩に己を預けて眠る柔太朗のこの世のものとは思えないほどに美しい顔だった。
🩷「っ…」
あぁ、何故自分があそこに居ないのだろうか…
柔太朗を間近で感じたい、太智が羨ましい…
そんな事を考えながらソファに深く沈むと、太智の肩がピクンと動き、柔太朗の頭をゆっくりと撫でていた手は、少し躊躇しながら柔太朗から離れる。
こちらを見る太智の瞳は少し揺れていて、まるで蛇に睨まれ怯えるウサギのようで、自分の奥に眠るドス黒い部分がジワジワと滲み出てきているような気がして、また自分を嫌になる。
🤍「ん…だぃちゃん?」
💙「どしたん、柔太朗?」
🤍「なんかあった?」
💙「ん?何もないよ…」
🤍「そっか…」
何でもないようなただの会話。
でも、その会話は俺にとってはドロドロのハチミツのように甘ったるくて胸焼けがする。
コンコン)
マネ「山中さん、今お話しいいですか?」
💙「じゅぅ、呼ばれてるわ」
🤍「ん、はーぃ」
立ち上がる柔太朗を目線で追う太智は恋愛ドラマでよく見る溺愛する彼氏のような温もりで、俺はこれで全てを察してしまった。
そして、また一人で暗い奈落の底まで突き落とされる。
その場にいるのが居た堪れなくなり、外へ出ようと扉まで向かうと、やってきた仁人と鉢合わせる。
💛「うわぁぁぁあ」
🩷「そんな驚く事ないだろ」
💛「ごめん、ぶつかりそうだったし」
しよしよと謝る彼は少し幼く感じた。
💛「外出るの…?」
🩷「ちょっとな」
💛「今取り込み中かも…」
🤍「いやぁ、ちょっと考えても…」
マネ「BLはちょっとハードルありますか…」
🤍「ベッドシーンですよね…」
すぐ近くから聞き覚えのある声と聞き馴染みのない単語、いや聞きたくない単語が聞こえてきた。
コメント
2件
第31話、読み終えたよ…!もう、冒頭の塩﨑と柔太朗のあのゆるやかな距離感がすごく好きで、触れてる手とか、肩に頭預けてくるとことか、なんかもうずっと見ていたくなるような空気感だったのに…佐野さん来た瞬間のピリつき、やばかった😭💦 あの「ベッドシーン」ってワード、ドアの向こうから聞こえちゃうの辛すぎるよ…。続きどうなるんだろう、気になりすぎる!