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あーーーー😭良すぎる😭 癖に刺さる…(((( こんなん泣かずに見られない😭 あと10回以上はリピれる…
はぁぁぁぁ、、、これ深夜に見るんじゃなかったです。こんなの叫びたいのに叫べないじゃないですか!?全員ボロボロっていう危機的状況っていうのが既に私の性癖ぶっ刺さりなんですよね。そこから守るのが🐙っていうのが解釈一致すぎてぶっ壊れてしまいそうです。vta要素っていうのも数々の作品を見てきた中でも好きな奴なんで栄養素っていうか体の源になるんですね。疲れという疲れが取れていく感覚ですね。長文失礼しました。
うわぁ(泣)なんか…想像してた100倍凄い話すぎて…😭😭😭リクエストして良かったです🙏🙏🙏まじ主さん天才ですありがとうございます1世紀分の栄養を得られました…これからも色んな話楽しみです✨✨✨
(注意点)
リクエスト作品です
100%妄想です
怪我などの痛々しい表現があります
言葉遣いなど解釈違いでしたらすみません
長文で申し訳ないです
大丈夫な方はこのままお進みください
先月からあまりにも忙しすぎて、書き上げるのに時間がかかってしまいました
すみません!
とある日、激しい戦闘音がずっと街に鳴り響いていた。
民間人の避難はすでに完了しており、悲鳴や助けを求める声は聞こえない。
街から徐々に森の方へと爆音や地響きが移り、そこでも暫く騒音が続いていたが、やっと静けさを取り戻した。
本日ディティカに指令された敵討伐内容はそんなに困難なものではなかったはずだった。
しかし、事前に伝えられていた敵の情報が大いに間違っていて、ざっと見ても3倍以上の規模。
数も多く、1体1体が知能も攻撃力も高い。
次々と襲いかかる敵に戸惑い、苦戦を強いられながらも、なんとか全滅させることができた。
早々に民間人を避難させられたのと、戦闘場所を森に誘導できたことで被害を最小限に抑えられた。
とはいえ、4人ともボロボロで、致命傷こそ無いものの、それぞれあちこちを負傷して体を引きずっていた。
とりあえず、無事任務完了ということで皆ホッと胸を撫で下ろす。
帰路をゆっくり歩きながら、今日の誤情報の発信源に文句を溢し合った。
そんな中、1人の男がふと思い出したように声を張り上げた。
伊波「あれ!?今日ってロウの誕生日じゃない?ちょうど任務も終わったし、みんなでこのままハピバご飯会しようよ!」
小柳「あー、言われてみればそうだったわ。最近忙しくて忘れてたな。ま、今日疲れたしメシはパス。」
面倒そうに言い捨てた。
叢雲「おい主役は逃がさんからな。外食めんどいならタコがウマイもん何か作るやろ。」
星導「えぇ?!俺?!もうヘトヘトなんだからウーバーにしましょうよ!」
伊波「え、まじ?星導おごってくれるんだ!」
小柳「あざっす ごちでーす。」
叢雲「寿司一択やろ!」
星導「いやいや無理無理!なら作りますって!」
お祝い食事会が拠点内でタダで食べれると分かるやいなや手のひら返して話に乗ってきた。
星導は寿司奢りを回避すべく冷蔵庫の中の食材を思い返した。
そして「どんな料理でも文句言わないでくださいよ」と仕方なく手料理を振る舞うこととなった。
今日は星導が比較的1番軽傷であり、他3人がわりとボロボロなので、彼なりに労わってあげようという気持ちもあるのだろう。
星導「えーっと、オムライスと野菜スープなら材料足りるはず、、。」
有り合わせで何が作れるかブツブツ呟きながら思考していると、前を歩く3人から「卵はトロトロで!」だの「コーンスープ飲みたい」だのガヤが入る。
そんな3人の言葉は聞こえなかったことにして、明日の予定はなんだっけ と思考を切り替えた。
星導以外の3人もいつの間にか別の話題で盛り上がっていて、楽しそうな笑い声はなんだか心地よかった。
そんな朗らかな空間に向けて、ゾワリと強い殺気を感じた。
最後尾を歩く星導だけがそれに気付いて足を止める。
殺意を込めた嫌な気配がする。
背後から微かに物音がした。
バッと素早く振り返る。
そこにはマシンガンのような武器をこちらに構えた敵が1体。
銃の引き金に指をかけていた。
やばいと思うよりも先に、触手を瞬時に伸ばしていた。
それとほぼ同時に銃からダダダダダ!と弾が連射される。
3人の背を守るために盾の如く触手を大きく広げ、間一髪のところで全弾を受け止めた。
突然の銃声にワンテンポ遅れて振り返った3人は驚いた表情で固まっている。
眼前には自分達を覆う触手があり、なにが起こったのかわからなかった。
弾切れで銃声が鳴り止んだタイミングで「後方から敵の銃撃!」と星導が叫んだ。
その声にハッとした小柳が素早く動き、触手の盾を飛び越え、その勢いのまま敵の首を切り落とした。
小柳「チッ、取りこぼした敵が潜んでたとはな。」
先ほどのムードとは打って変わって張り詰めた緊張感に包まれる。
ポタポタと水滴の落ちる音が聞こえた。
星導はそこでやっと自身の失敗に気がついた。
身体中に激痛が走る。
ジワジワと白い衣服が血で染まっていく。
指先を伝う血は地面にポタリと滴った。
触手は3人を覆うために全本使用し、自分は咄嗟に顔の前で腕をクロスに構えてガードしていた。
頭は守れたが、体はいわゆる蜂の巣状態。
特に酷く痛む右脇腹を抑える。
じくじくと燃えるような痛み。
グラグラと揺れる体。
踏ん張る足。
そんな時に頭の中で「3人に銃弾が当たらなくてよかった」と思ってしまえば、安堵感で身体の力が抜けた。
伊波と叢雲が「星導!」と叫びながら、ゆっくり崩れ落ちる体を受け止めた。
支えられた衝撃で体がさらに痛み、苦しげに呻き背を丸めた。
まだ周りに敵がいるかもしれないので、小柳が3人を守るように武器を構えて周囲を観察した。
星導「ぅ、、すみませ、、俺、」
なんとか立ち上がろうと身を捩ると、すぐさま2人に地面へ押し戻された。
叢雲「無理に動かんでええ!寝とけ!」
伊波「傷見るからじっとしてて!」
叢雲が傷口を確認しながら止血していくと、眉間にギュッと皺を寄せた。
星導が抑えていた右脇腹は、3発の銃弾が体内に残ったままになっている。
不運にも貫通していない。
叢雲「腹ん中に残っとる弾取り出すから、ライは体動かんように抑えといてくれん?」
伊波「それはできるけど、、星導は大丈夫なの?」
星導「大、丈夫です、、」
小柳「これ噛んどけ。舌噛むぞ。」
周囲を確認し終えた小柳が、自分の羽織の一部を破って星導の口元に差し出した。
叢雲が手持ちの中で1番細長い形のクナイを箸のように2本持ち、「キツイけど我慢しとけよ」と声をかけてから脇腹の傷に差し込んだ。
星導「!んぅッッ!!、!ゔぅぅ、ッ!!ぃ、!〜〜ッ!!!」
目をギュッと閉じて布を噛み締めながら悲鳴が喉から漏れる。
反射的に捩ろうとする体を、小柳と伊波がしっかりと押さえつけている。
脇腹の銃傷をさらに刃物でえぐられ続けて、強い痛みの追い打ちに意識を持っていかれそうになる。
どうにか痛みを逃したくて、無意識にガリガリと指が地面を引っ掻き削る。
血の滲む指先を伊波が掬い取り、手を握った。
ギリギリと強く握られる痛みなど、今の星導の痛みに比べたら微々たるものだ。
叢雲「もうちょいやから頑張れ!」
最後の1発がやや深めの位置にあり、なかなか取り出せずにいる。
刃先で奥へ奥へと切り込む。
どんどん溢れてくる血液が叢雲に焦りを促す。
真剣な表情には汗が伝う。
最初悲鳴のような呻き声をあげていたが、段々と意識レベルが落ちてきたようで、浅い息遣いだけが聞こえる。
噛んでいた布は力無く口から離れた。
小柳「おい!意識飛ばすな!目開けろ!」
軽く肩を揺らすと瞼が薄く開いた。
小柳ではないどこかをぼんやり眺めた後に唇が僅かに動いた。
なにか聞こえる。
星導の口元に耳を近付けると、掠れた小さな声が聞き取れた。
「かこまれてる、うえみて」
すぐに立ち上がり刀を構えると、頭上を鳥のような姿の敵が何十体も飛んでいた。
絶望的という言葉が脳裏に浮かんだ。
小柳「ライ!今すぐ救援と救急呼べ!」
伊波「やってる!でも!デバイスがずっと通信エラーが起こしてる!この感じ、敵に通信障害されてると思う、強制再起動まで時間稼いで!」
叢雲「こっちは弾、摘出完了!応急処置も終わったで!」
敵は数を増やしながら頭上を旋回している。
小柳が悔しげに奥歯をギリリと鳴らした。
おそらく最初から敵の仕組んだ策に嵌められていたのだろう。
まず雑魚20体を街で暴れさせ、簡単な任務だと本部に思わせ、ヒーローに指令を出させる。
現場にヒーロー到着と同時に中型40体を追加する。
全滅完了と油断させたところで背後から不意打ちで負傷させ、さらに上空から40体の飛行型を追加し全員にトドメを刺す。
さらに電波障害を起こして救援は呼ばせない。
徹底した作戦。
見事なまでに敵の策にハマったわけだ。
伊波はデバイスに色々な機材を繋いで電波障害解除に急いでいた。
カタカタガチャガチャと入力したり設定を変えたり手元はとても忙しなく動く。
脇腹を手で抑えながら地に横たわる星導。
寝転がってる場合じゃないと心の中で焦る。
不規則な呼吸をしながら、何度も立ち上がろうとしては沈むを繰り返していた。
叢雲と小柳がそんな2人を庇うように立ち、攻撃に備えている。
上空の敵全員がこちらを見下ろすと、大きな鳴き声と共に一気に襲いかかってきた。
敵の嘴は非常に鋭く、まるで槍の雨が降ってきたような光景。
2人が懸命に武器で弾いて攻撃をいなすが、数の暴力で打ちのめされた。
体は無数の刺し傷が増えていく。
伊波は機械を弄ってる余裕はなさそうだと判断してデバイスを放り投げ、ハンマーを振り回した。
星導を中心に背を合わせ、3人はただひたすら戦う。
襲いかかる大量の敵はなかなか減らず、こちらが先に疲弊して全滅する未来が頭をよぎった。
1人、また1人と片膝を付いては、歯を食いしばってまた立ち上がる。
もはや気力だけで戦っているようなものだった。
小柳「ライ、星導背負ってここから離れろ。お前もう武器振る力残ってないんだろ。」
伊波「嫌だね、、ロウがやればいいじゃん。」
叢雲「僕が一旦囮で引きつけたるから、、そこを」
小柳「バカか、どうせ捨て身でやるつもりだろ。やらせるかよ。」
星導「俺、置いていってください、全滅する気ですか。」
その言葉には誰も答えなかった。
置いていけるわけがない。
全滅する気もないが、状況的には厳しい。
悔しい、情けない。
星導は爪が食い込むほど強く拳を握りしめた。
確実に俺は足手纏いだ。
自分を捨て置き去ってくれない。
分かってる。3人はそういう仲間だ。
3人もまた悔しい気持ちで唇を噛み締めていた。
自分達を身を挺して庇って倒れた仲間を、危険な状況から救い出すことができずにいる。
さらには全滅の危機。
なんと情けないことか。
お互いの気持ちと意地の押し問答が続く中、切り出したのは星導。
震える足でふらりと立ち上がった。
星導「はぁ、、仕方ない、最終手段ありますけど、どうします?。敵を一掃できますが、、、その後はどうなるか俺にも分かりません。」
伊波「どうにかできるならお願い!なんとかして!」
小柳「おまえ何する気だよ?!」
叢雲「全滅よりマシやろ!やれ!タコ!」
ギリギリな3人は声絶え絶えに叫んだ。
星導が空を見上げると、顔面がパキパキと割れていく。
右目だけでなく、左目、鼻、頬、口、、どんどん割れていく。
一瞬とても悲しげな表情が見えた。
そしてついに顔全体に宇宙が広がった。
両手を広げて空へ掲げると、青空がバキリと音を立ててひび割れる。
ガシャンと大きく割れた空間の中から宇宙が現れ、ブラックホールが敵を吸い飲み込んでいく。
周りの木々も何もかもを吸い込み消し去る。
3人は星導の近くにいるおかげか、不思議と引っ張られることはなかった。
唖然とした表情でその光景を見守る。
ブラックホールの中心部からズルリと現れた8本の触手。
それはまるで星導の触手と同じだった。
なす術なく逃げ惑う敵を次々と縛り上げて宇宙へ引き摺り込む。
敵たちの悲痛な断末魔がビリビリと鳴り響いた。
耳を塞ぎたいが体が凍りついたように動かない。
それなのに心臓の鼓動はバクバクと暴れていた。
最後の1体を飲み込み終わると、またパキパキと音を立てて宇宙空間が閉じていき、もとの綺麗な青空に戻った。
長い夢から覚めたかのようにハッと我に帰り、3人は星導を見た。
全面割れたままの顔面は戻らない。
髪の触手だけがいつものようにうねうねと緩く動いているが、本体は棒立ちのまま動かない。
恐る恐る声をかけてみた。
伊波「ねぇ、星導、、大丈夫?」
星導「縺ゅ↑縺溘?隱ー縺ァ縺吶°」
返ってきた言葉は何語かもわからない、バグった電子音のような音声だった。
伊波「え?今なんて言った?もう一回いい?」
星導「菴薙′逞帙>」
叢雲「おまえさっきから何言うてん?!日本語話せよぉ!」
星導「險ア縺輔↑縺」
そのひとことに酷く殺気を感じた小柳が、咄嗟に2人を横へ突き飛ばした。
目にも止まらぬ速さで触手の先端が小柳の左肩を貫いた。
小柳「ぐっ、、!お前、、どうなってんだよ、、!?」
ズルリと小柳から触手を抜くと首を傾げた。
「謨オ縺ェ縺ョ?」と何かを問うてきた。
小柳「だからわかんねぇって!」
苛立ちを込めて触手を斬りつけた。
しかし普段とは違う質感と硬度に刀はガキン!と弾き返された。
星導「縺溘☆縺代※」
震える声とも音とも分からないそれは、どこか苦しそうに聞こえた。
小柳が「ぇ?」と聞き返すと同時に、鳩尾あたりに強烈な痛みと衝撃が走った。
自身の体を見下ろすと、1本の触手が腹を貫通している。
頭も体もフリーズしていると、ゆっくりそれは体から引き抜かれ、生温かい血液が溢れ出した。
どうして、と思いながら星導を見るが、表情も感情も読み取れない。
ぐらりと揺れた体を伊波が受け止めた。
伊波「一旦離脱するよ!あいつかなりヤバい!」
叢雲「なに暴走しとんねん!頭冷やせ!」
目眩しに煙幕を星導に投げつけた。
姿が白い煙に包まれて目視できなくなる。
その隙に3人はその場から離れた。
小柳を2人で支えながら走っていく。
叢雲「ぅぐ、、!、」
伊波「カゲツ?!」
突然叢雲が呻きながら転倒した。
片方の支えを失った小柳も、伊波もろとも倒れ込んだ。
伊波が隣を見ると、叢雲の体が背から触手に串刺しにされていた。
まだ煙が立ち込めている中から、星導がゆっくりとこちらに歩いてくる。
どう見えているのか分からないが、煙なんてそもそも無意味だったのだろう。
叢雲の体から引き抜いて血の滴る触手の先を伊波に向けた。
2人を抱えて逃げるのは無理だ。
戦うしかないのだろうか。
星導はぺたりと座り込んでいる伊波の目の前に立って見下ろしている。
戦えない。
心も体も戦うことを拒否している。
瞳から涙がポロポロ流れた。
眼前に伸ばされた触手の先を、両手で包み込んだ。
すがるような気持ちで「お願い、元に戻って」とひたすら声に出した。
すると、別の触手が伊波の両手に添えられた。
両腕を触手が包んでいく。
優しく撫でるような動きに、伊波は思いが通じた喜びで笑顔が溢れた。
その1秒後。
バキッ!!と骨の折れる音と激痛に襲われ、笑顔は絶望の表情に塗りつぶされた。
痛みにもがき苦しみながら叫び、地面にうずくまる。
小柳が力を振り絞って立ち上がり、星導の顔面に広がる宇宙へ刀を投げ入れた。
急に異物を放り込まれてビクッと体が反応した。
伊波から星導をどうにか引き離す事で頭がいっぱいで、自身の攻撃手段を捨ててしまった。
星導はぐるりと向きを変えて小柳に近づいていく。
なにかこいつを刺激できる事はないだろうか。
いつものあいつを引っ張り出すにはどうしたらいいか。
ダメ元でもいい。なにかないか。
小柳「でびらび。」
星導の足が止まった。
小柳「ぴょん。」
凍りついたかのようにピクリとも動かなくなった。
小柳「お前なら分かるだろ、星導晶。そこにいるなら早くあのバカ呼んでこい。ついでに、こんな訳分からんやつに飲まれてんじゃねぇって1発殴ってやれ。」
それだけ伝えると、体に限界がきた小柳は立っていることもできなくなり、倒れてそのまま意識を失った。
両腕を折られた伊波も激しい痛みにより気絶している。
叢雲も失血性ショックで気を失っている。
静寂の中、星導だけがその場に立っていた。
真っ白な空間に星導ショウは1人で立たされている。
何も考えられない。
何をしていたんだっけ?
なんでもいいか。
思考が溶かされていく。
そこへ突然、右頬に衝撃がきた。
いつのまにか目の前に、淡い髪色の、深い緑色の目をした男の人が向かい合っている。
拳を握りしめているので、この人に殴られたのだと分かった。
晶「悪く思わないでください。頼まれたんです。1発殴って呼んでこいって。」
意味が分からなくて、ただその人を見つめることしかできない。
晶「ほら、みんなが待ってます。行きますよ。」
その人に腕を引かれるがまま歩いていくと、徐々に目の前も頭の中も真っ白に引き込まれていった。
静寂の中、いつもの星導ショウだけが森の中で立っていた。
地面に沈んでいる3人。
血の海が広がっている。
自身の触手に滴る血が、全てを物語る。
自分が何をしたのか、理解した。
乱れる呼吸と震える全身で3人の状態を確認した。
なんとか脈はある。呼吸もしている。
心臓も動いている。まだ生きている。
震える手でデバイスを取り出し、救急と連絡を取り合う。
とにかく急いで来て欲しいこと、危険な状態であること、そして、、
「俺が3人を傷付けたんです。」
涙を流しながら、なにかを諦めたように悲しく微笑んで、そう伝えた。
最後に か細く「すみませんでした」と伝えると、デバイスを地面に置き、その場から立ち去った。
3人の入院期間中、一度も星導はお見舞いに来なかった。
それどころか行方不明とされている。
2ヶ月後にやっと退院できた3人。
誰に聞いても星導の居場所は謎に包まれたまま。
きっと今1番辛い思いをしてるのは星導なのに、話をすることもできない。
もどかしさと共に、与えられたヒーロー業務をこなす日々が続いた。
あれから星導は、自分に何を「課す」べきかを考えていた。
「死」は何度も頭をよぎったが、それは自身への甘えであり「救済」とも取れる、1番ラクな選択肢だと感じた。
みんなと同じ、いや、それ以上の苦しみが欲しい。
あてもなく色々な場所を彷徨いながら、偶然に遭遇した敵を片っ端から殲滅する日々。
その中で無惨に殺されることができれば本望だ。
それを求めてひたすら彷徨う。
戦い、傷つき、戦い、傷つく、の繰り返し。
傷の癒える隙もなく、戦いに明け暮れる。
いつか自分を殺してくれる敵に出会うまで。
もうディティカには戻れない。
仲間を殺しかけた罪悪感は、どんな理由があれど消える事はない。
もう自分はヒーローじゃない。
敵でもない。
ただ死に場所を探して彷徨う生きる亡霊だ。
血の海に沈む3人の姿が脳裏に焼き付いて離れない。
触手が仲間を貫く感触なんて知らないはずなのに、何度も頭の中でフラッシュバックされる。
気が狂いそうだ。
助けて欲しい。
そんなことを言える立場ではない。
分かってる。でも、苦しい。
お願い、誰か、ころして。
その時、ちょうど偶然遭遇した敵が刃物を振り回している。
その敵がまるで神様のように見えた。
戦えば普通に勝てる相手だろうが、もう戦うことにも疲れてしまった。
もう自分に生きている価値はない。
お願い、俺を殺して。
「消えたい ズルくてごめんなさい」
無防備に立ち尽くす星導に、敵が容赦なく刃物を振りかざす。
自然と笑みと涙が溢れた。
瞳を閉じてその時を待つ。
しかし、いつまで経っても切り裂かれる痛みはこない。
瞳を開けると、小柳が敵を切り裂いていた。
呆気に取られていると、叢雲が星導の襟元を掴んでグンと引き寄せられた。
叢雲「なに勝手に死のうとしとる?!どこほっつき歩いとったか知らんけど、遅すぎるわ!」
デバイスを弄りながら伊波が側に寄る。
伊波「ここ最近ずっと、敵が現れると同時に、殲滅完了の表示が出てたから、星導かなって思ってたんだよね。そんなボロボロになってまで自分を責めて、、、だれもそんなこと望んでないよ。」
星導は伊波の両腕に抱き寄せられた。
伊波「あの時も、今も、ありがとう。辛い思いさせて本当にごめん。戻ってきてよ、星導。」
星導「俺はみんなを傷付けました。もうヒーローでもディティカでもいられない。もう、消えたいんです。」
そう言い残すと、足元に落ちていた短刀を拾い上げ、首に当てた。
星導「ごめんなさい ありがとうございました」
短刀が首をかっ切るよりも早く、小柳が刀で短刀を弾き飛ばした。
小柳「なに自己完結してんだよ。こちとら結果オーライだって言ってんだ。さっさと帰ってこい、星導。」
背中に重みを感じ振り返ると、叢雲がしがみついていた。
叢雲「このままいなくなったら許さんからな。地獄の果てまで追いかけて連れ戻したる。、、だから、、頼むから、帰ってきてくれん?、、。」
どうやら自分はまだここにいてもいいらしい。
両手で顔を覆った。
涙が止まらない。
またみんなと肩を並べられる。
あの楽しい日常に戻れる。
何度も「ありがとう」と繰り返し言いながら、3人に手を引かれて拠点へ戻っていった。