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▶彼女の首元につけた覚えのないキスマがついてたら…?
【灰谷蘭】
仕事から帰って来ると、同棲中の彼女の首元につけ覚えのないキスマがある。
朝見たときには確実に無かったし、浮気でほぼ確定。思い返せば、しばらくは仕事が忙しくてヤれてなかった。
顔はにこにこだけど内心はめちゃくちゃイライラ。もし近くに三途がいたら迷わずぶん殴ってる。(三途かわいそう)
「今日は何してたんだ~?」
「え、」
そう聞くと明らかに動揺する彼女。
「いつもそんなこと聞かないじゃん。どうしたの?急に?」
「どうしてってお前、自分の首元見てみろよ。」
なんだなんだ?と手鏡で自分の首元を確認するのを横目に彼女のスマホで浮気した男との連絡の履歴を探す蘭。絶対証拠があるはず…とLINEやインスタをチェックしていく。
「蘭、聞いてこれは…ってスマホ返してッ!」
「ずいぶん必死だなぁ~?何かやましい事でもあんのかァ?」
「と、とにかく返してッ!」
あまりに必死な彼女を見て、最後に検索画面の履歴をチェックする。
「は…?」
「ば、ばれちゃったかぁ…」
『彼氏 誕生日 サプライズ』
『男性 誕生日プレゼント 喜ぶもの』
『男性 喜ぶ 髪型』
検索履歴は誕生日やサプライズについてのことで埋まっていた。恥ずかしそうに顔を隠す彼女を見て蘭は唖然とする。
「蘭、これキスマなんかじゃない」
「せっかくの蘭の誕生日だからおめかししたくて、アイロン頑張ったんだけど、失敗してやけどしちゃったの…」
「や、けど…」
「そう。やけど。」
彼女が浮気していなかった安心感と疑ってしまった自分に対しての感情が煩わしい。
「ご、ごめん…」
「ううん。いいの。
ねぇ、蘭。誕生日おめでとう。」
「ん、ありがと。ほんとごめん。愛してるから。」
「私も。」
結局企画していたサプライズはキスマ(やけど)のせいで台無しになってしまって彼女しょぼん。
サプライズの種明かしをしながら1年に一度の誕生日の夜を過ごした。
【灰谷竜胆】
仕事から帰って来るといつものように玄関まで迎えに来てくれる同棲中の彼女。昨晩は飲み会で、さらに今朝は仕事が早かったから実質1日ぶりに会うことになる。相変わらず可愛いらしい彼女がそこにいて、抱きしめようとするが、首元にはつけ覚えのないキスマ。
「は…?」
「…?どうしたの竜ちゃん?」
恒例のハグをやめちゃうし、固まっちゃうしで様子の可笑しい竜胆を見て困惑する彼女。
「これ、どういうことだよ…」
「これって…ねぇどういうこと?何の話?」
本当に言っていることがわからなくて首を傾げる。
「とぼけんなよ…このキスマつけたの俺じゃねぇ!」
「えっ…」
唖然とする彼女をみて浮気をしていたのかと聞く。でも彼女はただ悲しそうな顔をするだけ。
「…竜ちゃん、それ本気で言ってる?」
「本気も何も俺以外に男がいるってことだろ!」
悲しい顔でそう尋ねてくる彼女にむかついて、さっきよりも大きな声で怒鳴ると彼女の目から雫が零れ落ちた。
「酷い…」
「これ!昨日の夜に酔っぱらった竜ちゃんがつけたやつでしょっ!!!」
「は…?」
酔っぱらった俺が…?
記憶にないことを言われ今度は竜胆が唖然とする。
「昨日の夜、飲み会から帰ってきたときに竜ちゃんがいきなり押し倒してきてこんな目立つところにつけたんじゃない!!」
それを私が浮気してる…?
そんなのないよ…といよいよ本格的に泣き始める彼女を見て、記憶になかった昨晩の光景が脳裏に浮かび上がる…
昨日の飲み会で彼女との惚気話話してるとき、三途が彼女が浮気してたらなんてしょうもない質問をしてきたから、ムカついて帰ってきたんだった。それで、俺の彼女が誰にもとられないようにって目立つところに…
思い出した…
「…ごめん。ほんとごめん。」
しばらく口をきいてくれなかったけど、いつも以上に家事を手伝ったりしてスパダリンドウを発揮。彼女ちゃんにその誠意が伝わって許してもらえた。