⚠️注意⚠️
 ・この作品はBLの要素を含みます。
 ・rd×gtです。地雷の方はここで引き返してください。
 ・今回は🔞のシーンはありません。
 ・2人とも高校生。年齢操作あり。
 ・転載、自作発言❌
 ・通報、アンチコメしないでください。
 
 この上の要素が大丈夫だよー、って人はこの先に進みくださいませ。
 
 
 
 
 
 
 
 小さい時に僕は初めて恋をした。綺麗な一輪の花のように笑う君を見て僕はその日から君の楽しそうな顔が頭から焼き付いて離れないんだ。
 「ねぇ、いがらしくんー!こっちにね、きれいなね、おはながあったんだー!」
 『え、どこどこー?』
 君に話しかけてもらうだけで、君の楽しそうな表情を見るだけで、君と一緒にいれるだけで僕は幸せを感じるようになった。
 「じゃ、また明日ねー!いがらしくん!」
 『うん!またね』
 また君に会えると思うと次の日が待ちどう
しくなる。
けれど、勇気のない僕はそんなことを君に言えるはずもなく、時間だけが過ぎていった。
 ずっと君の横に居たい。君の見たことのない表情を見てみたい。そんな自分勝手な欲求なんて通らず、気づけば卒業式。
 「いがらしくん、いつもいがらしくんとあそんでたけど、とってもたのしかったよ!ありがと!」
 言わないで、もう君に会えないのかもしれないから、やめて、
 「じゃ、」
 言わないでくれ、いつも君の口から聞いてワクワクしてた言葉。今はただ言ってほしくない。
 「また明日ね!」
 
 
 ──保育園を卒業したのを機に僕は引っ越した。
 
 
 
 
 人生で二回目、人に恋をした。その時は10歳で色々な経験をしてきていたから勇気はそこそこある。けれど両思いだったらしくあっちの方から誘われ、放課後に呼び出された。
 「好きでした。付き合ってください」
 『───────』
 すぐに僕は首を縦に振った。だって断る理由だどこにもないんだもの。
 夏休みの前日、僕の言葉を遮るように蝉が煩く鳴いていた。
 
 夏休みが明けた。学生にとってはとても憂鬱な一日だろう。けど僕は違った。やっとあの子に会える、やっとあの子と話せる、そう思っていたのに、
 「なぁ、お前に告ってきた〇〇ちゃん、今朝見かけたんだけどお前に告ったこと、勝手に無かったことにされてるぞ!」
 耳を疑った、もしかしたら俺の前に居る子が俺に嫉妬して根も葉もないことを言っているのかもしれない、そういっぱい考えた。けれど、日を過ごすうちにちょっとずつ似たような噂を耳にする機会が多くなってきた。
 『俺の…心で弄びやがって』
 とにかく家で泣いた。けれど親には心配させたくなかったから頑張っていつも通りを突き通した。けれどもいろんなことでズタズタになっていた俺の心はもう隠すだけで苦しくなるまで弱っていた。学校に行くかも考えた。俺の心をここまでズタズタにしたあいつを憎むだけ憎んだ。それでも俺の心の傷は癒えなかった。
 
 それがトラウマになり、俺は人に恋するのをやめた。もうあんな経験をしたくないから。中学は成績優秀、スポーツ万能。周りの女子が噂してたけど、何かと俺は気にならなかった。
高校は偏差値の高くて、俺の学力で受かりそうなとこに受かった。小学校時代からの友達が居たからっていう理由もあるけど
 『今日からバスケ部に入らせてもらう五十嵐です!よろしくお願いします!』
 何人かの友達がバスケ部に入るから、俺もバスケは好きな方だったから、と言う理由でバスケ部に入った。そのバスケ部の友達、らっだぁはとてもリーダーシップ性があって、顔も性格もいいから俺が女なら一発で惚れてるレベルだな、そう思っていた。
そう思っていたはずなのに
 「なぁ、今日ってさ、空いてる?」
 休み時間で話しかけて、去ろうとすると腕を急に掴まれる。
なんで、心ってこんなにバクバク言っていたっけ…?嫌だ、俺、自分の気持ちを認めたくないよ。
そう思いながら振り返った。らっだぁと目が合い、俺は──
 
 
 ───また恋をしてしまった。
 
 「んで、今ってわけねぇ…」
 『一発で惚れちまったんだよ!今までは一緒に過ごしてきて自然と、って言う流れだったけど今回はまじでちげぇ!』
 「はいはい、んで?早く告ればいいじゃん」
 『馬鹿なのか??お前は。同性から告られてOK出すやつだどこにいるんだよ!しかも相手は思春期真っ只中の奴!』
 『俺もう、あんなきつい思いしたくないよ、』
 此奴は小学校低学年からの友達。って言っても小学校に入る前から家が近くてよく遊んでたから腐れ縁的なやつかな。俺はたらこって呼んでる
 「…よし、俺が一つぐちつぼにとっておきのアドバイスをしてやろう!」
 「それはズバリ、勇気を出すことだ!」
 『……はぁ?』
 「今のぐちつぼは勇気がなさすぎる!早くらっだぁに告らないと、あの人異性からもモテモテだからねぇ。………早くしないと俺がとっちゃうよ?」
 『…冗談だよなぁ?』
 「ま、そこからの行動をどうするかはぐちつぼ次第だけどね」
 アイスを食べるたらこ。
それを見ている俺の横で小さく紫のフラージアが揺れていた。
 
 
 
 
 
 
 「ぐちつぼって、好きな人って居るの?」
 雲一つない青空に入道雲が高く高く立ち上がる。なんでこんな話になったんだよ、もっと話題あったろ。
いや、それよりも今この状況をどうやって掻い潜るかだ、ここで下手な回答をすれば今の関係が壊れかけない。ここは慎重に…
 『あぁ〜好きな人?いねぇかなァ…?』
 「えぇー?居ないの?居そうだけど」
 『まぁ、気になってる人は居るけど』
 「え、だれだれ!?」
 しまった、言ってしまった。らっだぁとの顔の距離どんどん近くなっていく。鼻の息がわかるぐらいに近くなった。目を見て話したらきっと俺はいつもみたいにうまく話せなくだろう。
 『ちょ、近い近いってw』
 「あ、ごめん、つい気になりすぎてw」
 自分でも制御できなかったわw、頬をポリポリと掻きながらニヘッとする。そう言う笑顔に俺は惚れたんだよ。自分でも制御できないその無邪気さに惚れたんだよ。俺の気になってる人は他でもないお前なんだよ。今すぐにでも言ってやりたい。
けど、今言ったらこれまでの関係が全て、全て壊れてしまう。
 「あ、そうだ。あと、一ヶ月ちょいで夏休みに入るじゃん?だから一緒に夏祭りに行けないかなー、って思ったんだよ。まぁ、先約がいなければの話なんだけどねw」
 『夏祭り?別に先約はいないからいいぜ!』
 たとえ先約がいたとしても、君がせっかく誘ってくれたのならこっちを優先させてしまうけれどね。もちろん、誘ってくるやつなんていねぇけど
 「あ、まじ?よかったぁ、これで断られてたらどうしようかと思ったわw」
 『いや、俺じゃなくても他にもっと誘う奴がいるだろ。例えば他のバスケ部のメンバーとか』
 自分でなんでこんなことを言っているのかがわからなくなってきて自分に苛立っていた。少しの怒りの混じった声で話す。
 「いや、ぐちつぼとがいいんだよ。だってお前と話してたら自然と笑顔になるし」
 ドキッとした。まさか感情的に言ってしまった言葉にこんな返しがされるとは…ほんとに、やっと諦めようとしていたところなのに
 『諦められなくなったじゃねぇかよ』
 「ん?なんかいった?」
 『なんも言ってねーよ、てかここら辺だろ?それじゃ、またな』
 「あ、うん!また予定とかなかったら連絡するわ」
 『おう、じゃあな』
 彼と別れたあと思わず笑みが溢れた。
 
 
 『…あいつ、いったいどこにいてやがるんだよ』
 午後5時前、たくさんの人混みの中に真っ赤の夕日に照らされるキミを見つけた。見つけた瞬間心臓がドキッ、と高鳴る。
 「あ、いたー!おーい!ぐちつぼー!」
 手を振りながらくるのはまるでお母さんを見つけた幼い子供のように走ってくる。
 「やっと見つけたよぉ、てか、この人混みの中、見つけた俺すごくね?」
 『すげぇよw早く行こうぜ?早くしねぇと綿飴、売れ切れちまう!』
 「ふふ、綿飴なんて’‘可愛い’‘ね」
 その言葉が彼の口から溢れると顔が真っ赤っかになる。ばれたくなくて思わずそっぽを向く。
 「ん?どうしたの?ぐちつぼ」
 『あ、いや、美味しそうな綿飴屋さんを探してんだよ!ほら、綿飴ってどこかしこも売るじゃん?』
 「そう?けど、顔。赤いけど」
 『何言ってんだw 夕日でそう見えるだけだろ、とにかく早くいこーぜ!』
 「わー!引っ張らないでー!」
 
 
 
 
 陽がすっかりと落ち、そこかしこで屋台の明かりと人々の賑わいの声がだんだんと強調されるようになったいく。次にどこの屋台に行こうか迷っていると外国人に声を掛けられた。
 「Sorry, I want to ask for directions.(すみません、道を聞きたんですが)」
 『Sure. How far? (いいですよ。どこまでですか?)』
 「〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
 『〜〜〜〜』
 「Got it! Thank you! (わかったよ!ありがとう!)」
 
 『you’re welcome. (どういたしまして)』
 『ふぅー、あ、ごめん。待たせたな』
 「………………」
 『ん?どうした?そんなにボーとして』
 「あ、いや、」
 『なんだよw絶対なんかある反応だろ、それw』
 「いや、あんなに英語がペラペラでカッケェなぁって」
 彼が真剣な顔をして褒めてくれる。なんの取り柄のない俺に。彼が。賞賛の言葉をくれている。それを再認識する度にどうしよもなく心臓が高鳴る。
 『いや、こんなんフツーだろw』
 「これがフツーなんだ…やっぱ学年1位は違うなぁ」
 『てか、そろそろ花火が打ち上がるから高台に行こうぜ?』
 「そうだな!行くか」
 風で近くにあったコリウスが夜月に綺麗に照らさせていた。
 
 
 「よくこんな場所、見つけたなぁ」
 『だろぉ?だーれも来ないから邪魔される心配もないしな!』
 「ふふ、そうだね。花火が上がるまでもう少し時間があるかな」
 『……らっだぁって、同性愛ってどう思う?』
 「同性愛?別にどうも思わないけど」
 『じゃあさ、もし同性の同級生がお前に告ったとしたらなんて返事する?』
 「んー、人にもよるかなぁ、どう返事するかはそれが大きく関わってくるかも」
 『……じゃあさ、そのお前が好きな同級生が俺だ、って言ったらどうする』
 あぁ、ついに言ってしまった。丁度のタイミングで花火が打ち上がり、逆光で彼の表情が見えなくなる。多分キミ悪がってるんだろうな。関係もこれで終わりかぁ
 「……つ…!…ちつ…!ぐ…つぼ!ぐちつぼ!」
 『なんだよ、俺ってキミ悪いだろ?』
 「じゃあ、なんで、なんで!お前が泣いてるんだよ!」
 え、あ、あれ?俺、いつから泣いてるんだ。おかしいな、泣きたくない、泣き止め泣き止め!
 「…一回、落ち着こ。な?」
 『………落ち着いた。ありがと。俺の言いたいことは言えたから。気持ち悪いだろ?同級生にこんな感情を持って(笑)だから、だから……突き放してくれよ…もう、諦めたいんだ。こんな叶わない恋は。』
 「勝手に話を終わらせないでくれる?俺の言いたいことはまだ言ってないんだけど。誰がお前のことを気持ち悪いって言った?俺はなお前が他人にあーだこーだ言われるのが嫌なんだよ。
俺もこの気持ちを今まで理解したくなかったよ。俺もお前と一緒で諦めようとした。でも諦められなかった!諦めようとしても諦められなかった沢山の魅力がお前にはある!」
 「だから…だからもう自分で自分のことを悪く言うのはやめてくれよ……」
 『……こんな時に言うことじゃないけどさ』
 『ずっと前から好きでした。こんな俺でよければ付き合ってください。』
 そう、一言放つと彼はやんわりした笑顔を見せてくれて
 「…此方こそ、お願いします」
 ゆっくりと頷いてくれた。
全て実話です。
コメント
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お久しぶりです .ᐟ 書き方すごくおしゃれで 尊敬します✨