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ベロニカは眼前に堂々とそびえる豪華絢爛な建物に、しばらく開いた口を塞ぐことができなかった。


ここはアスター伯爵領内にある大きな街のひとつ、ヴァルタイン。


この街の中心部に、サイラスの父親であるアスター伯爵が大金をつぎ込んで建築した劇場がある。


それが今、ベロニカが唖然と見上げている建物だ。


(まるで貴族の大豪邸ね)


もしくは皇族が郊外に構えた宮殿だろうか。


午後の青空の下では、突き出た入口の屋根を支える柱や壁に掘られた繊細な模様も、屋根の立派な彫像もよくわかる。


「さすがに人が多いな」


派手な劇場に意識を奪われていると、隣に立つアダムが気だるげに呟いた。


「新しい劇場で有名劇団の公演が行われるのですから、あちこちから人が集まっているのでしょう」


整備された広場の***************

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王女様と体が入れ替わったので侍女の私が冷徹公爵の妻になります

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