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登場人物

里上 桃也(さとうえ ももや)高1 男

大分 朱里(おおいた あかり)高1男 桃也の幼馴染

早坂 理音(はやさか りおん)高2男

多々 彩香(ただ    さやか)高2男

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「あっ!桃也く~ん」

「こっちこっちー!おいで~!」

「桃也きた!!」

あれ…………?俺は……確か、合コンに来たはずなんだけどな……

なんで女の子がいないんだ……?

女の子達は後でくるのか…?いや、でももう席が1人分しか空いてないぞ……

合コンってのは嘘なのか?ただの男同士で焼き肉??

「さ、自己紹介始めよ!桃也くん俺の隣座って!」

「え、あ、はい、」

え、合コンじゃないの?えなにこの集まり、

そんなことを目まぐるしくぐるぐる考えていると隣に座らせてくれた2年生に小さな声で呟かれた

「今日でイケメン彼氏ゲットしようねっ」

え、は、?

「えぇぇぇぇぇぇぇぇ?!?!?!?!」




時は遡り3時間前 昼休み

「はぁ…なぁ朱里ぃ」

「どしたの、もっちー」

「そろそろ彼女欲しくねーか…?」

俺の名前は里上桃也。今は俺の最高の親友、朱里に男ならよく思うであろう不安を話している。

もっちーという呼び名は俺の頬がとてもモチモチしているからという謎の理由で朱里にだけ中一の頃からそう呼ばれている。

俺としてはあまり気に入っていないがもう慣れたので何も言わないでおいている。

さあ、本題に戻ろう。

俺は今、ものすごく彼女が欲しい。

何故かと言うと俺のクラスの3分の1がリア充だからだ。

教室の中のリア充達と勉強してるんだ、と思うだけでも苛立ちが隠せない。

だから俺も早く脱・非リアをしたいのだ。

でも俺の顔はかっこいいって程でもないし身長が高い訳でもない。

勉強はそこそこできるが運動が壊滅的。これを聞けば俺に彼女ができないのも納得がいくだろう。

「うーん、彼女ねぇ…」

朱里は天井を眺めて眉間に皺を寄せて考えているように言った。

ちなみに朱里の顔は超がつくほどのイケメンで切れ長二重でキツネ顔…?と言ってもいいか分からないが、とにかくイケメンだ。

身長は俺よりも高く運動神経も抜群…だが、勉強だけはだめだめだ。

朱里はついこの間も赤点を取って補習地獄にあっていた。

「僕はもっちーがいれば充分かな?」

「はぁ??」

急に何を言い出すのかと思えば、俺がいれば充分??

いきなりぶっ飛び発言をし、俺は目を見開いた

こいつ、なんでこんなニコニコしてるんだ?

「何言ってんだよ~笑」

「朱里も彼女作っていちゃいちゃしたいだろ~?」

俺はニマニマと気持ちわるーい笑みを浮かべながら言った。

だって…ほとんどの男がそう思うもんじゃないの?

俺だってそうだよ!

彼女といちゃいちゃしたいよ!!

そして、夜にはあんなことやこんなことを……。ふふふ、ふふ、ふふふふ。

俺は目の前に朱里がいることをすっかり忘れ変な想像をして最高に気持ち悪い顔をしながら笑ってしまっていた。

俺としたことが……まずい、我に返るんだ、自分

「僕はもっちーといちゃいちゃしてたい」

「は、え、?え、ま、…えぇ??」

またまたぶっ飛び発言をし意味が分からず困惑して語彙力が一気に無くなる。

朱里はマジで言ってるのか?

さすがに冗談だよな。

俺が変に真に受けすぎただけだ。

きっと。いや、逆に冗談じゃなかったら困る。

「お、おい、朱里、変な冗談やめろって笑」

俺は戸惑いながらもなんとか笑顔で言った。

引きつっているかもしれないが。

「は、冗談?もっちーはこれ冗談だと思ったの?」

急に朱里の声のトーンが下がる。

笑っているように見えるが目が全然笑っていない。

こんな朱里の顔を見たのは初めてかもしれない。

もしかして、怒っているのか?

「え、ご、ごめ、」

俺はなんて返せばいいか分からなかったからとりあえず謝った。

朱里の顔が怖くて見れない。

今はどんな表情をしているのだろうか。

俺は怖くてたまらなく、冷や汗をかいた。

「ぷっははっ!!」

「もっちーなにビビってんのー!!」

朱里がいきなり笑顔で大きな声で笑う。

さっきの笑っていない目とは大違いだ。別人のよう。

「…………………………え?」

俺は頭の中全てがハテナ状態だった。

え、やっぱ冗談だったのか?ただ遊ばれただけ?

頭の中をフル回転させても状況が全然つかめない。

「ふっふふっ、冗談冗談っ!笑」

「はぁ?!なんだよぉ!」

朱里は両手にピースをして下を出してべっー、と俺をバカにしてきた。

ふざけんな。ビビっただろうが。

俺は肩の力を一気に抜いて椅子の背もたれにもたれかかった。

緊張して体が強ばっていたから力が抜けて解放された気分になった。

「お前…このぉぉぉぉぉ!!!!」

「ちょ、もっちぃぃぃぃ笑笑」

俺はバッと椅子から立ち上がると朱里の肩を思いっきり強く揺さぶった。

さっきの仕返しだ!!!

ゆっさゆっさと肩を振っても尚イケメンな顔が保たれている…くそ、ムカつく。




すると突然教室のドアがガラガラガラ、とゆっくり静かに開いた。

背は朱里と同じくらい高く少し茶色がかった髪、エメラルドグリーンの綺麗な瞳の男子。

この人は俺と同じ部活の2年の早坂理音先輩だ。

先輩は教室の中をあちこち見ている。

そして俺とパチッと目が合うと明るい笑顔になり「あ、桃也くんいた~!」と言ってこっちへ足早に向かってくる。

「どうしたんですか?理音先輩」

「急にごめんね~、話があるからちょっと廊下来て!」

先輩はそういうとちょいちょい、と手招きをして廊下へ向かう

「あの、それで、どうしましたか?」

「急でごめん!今日合コンやるから来てくれない!!」

両手をパチンッと合わせ頭を下げて俺にお願いをしてくる。

なんで俺なんだ?もっと誘う人いないのか?

てか今日ってほんとに急だなあ。

「え、なんで俺、?」

「人数足りなくて他の人誘ってみたんだけど皆行けないみたいで!」

「あ…なるほど…」

「だからもう桃也くんしかいないの!ね!お願い!」

合コンかぁ…まあ彼女は欲しいと思ってたしこのタイミング逃したら次いつチャンスくるか分かんないから行くかぁ…

「分かりました。いいですよ」

「え?!ほんと?!」

先輩はハイライトが大量に入っているキラキラした目で思いっきり俺を見つめる。

そんなに嬉しいことなのかは知らんがまあ先輩が喜んでくれたならそれでいいだろう。

「はい、いきます」

「おっけ!じゃああとで場所とか送っとくね~!」

「はいっ」

先輩は嬉しそうに胸を弾ませながら自教室へ戻って行った。

はあああ、俺にも…俺にも、ついに、彼女ができるのかあああ!!!!

やっと脱・非リアができるのか!!

これで「彼女いない歴=年齢」がなくなってくれる!!

そんな感じでめちゃめちゃ1人で舞い上がってたら後ろからいきなり朱里が来てトンと肩を叩かれた。

「うわぁ?!」

「って朱里かよ…笑」

「なに?僕で悪かった?笑」

「え、いや、」

教科書、筆記用具を持った朱里は呆れたような笑顔で俺の方を見る。

なんだよ…そんな顔で俺を見ないでくれ。

胸が痛む。

やめろ。

その顔反則。

だめ。

絶対。

てかなんで教科書持ってんの?

すると、突然ぽつりと一言だけ、

「もっちー、次、移動教室」

そう言って朱里は俺を置いて「遅れても知らないからね」みたいな顔で1人でそそくさと歩いて行く。

「あぁ!!忘れてたわ!!やばいやばい!!!」

俺は大急ぎで教科書と筆記用具を取ると足早に教室を出て廊下を走っていった。

朱里の後ろ姿はもう見えなく、「あいつ速くね…?」とか思いながら急いで特別教室へ行く。

ガラガラガラ、と強めにドアを開けると丁度号令をしている所だったようだ。

ギリギリ……アウトッォォォォ!!!と脳内再生され、周りの冷たい目に羞恥心混じりな気持ちで静かに自分の席に座った。




放課後


合コンまで残り1時間、なんでこんなギリギリなんだ、とか心の中で先輩への愚痴を吐いていた。

そういえば場所確認しとかなきゃな、と思い歩きながら2件の通知が来ているLINEを開く。

場所はなんと家から徒歩20分の焼肉屋。

こんな近いとこだとは思わなかったがこれなら時間に余裕あるしいいか!

そんなこんなでにこにこしながら歩いていたけどある1つの疑問が思い浮かんだ。

高校生って合コン行くもんなの?

高校生が合コン行くイメージなんてあんま無くない?大体大学生とかだよな?

これ思ってんの俺だけなのかな?

首を傾げながらよたよた歩く桃也。

でも毎回出かけるときの準備は早めに終わらせておきたい派だからすぐにハッとし早歩きに戻る。

まあ、なんでもいいか!とりあえず、目標は可愛い女の子と連絡先交換をすることだ!!!

心の中で意思表示してガッツポーズをとる。



さあ、初の合コン  一体どうなるのでしょうか……

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コメント

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誤字脱字等あれば教えてください‪- ̗̀‎𖤐

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