私はワレモノ
僕は、小学生5年生の中路すぎ(なかみちすぎ)。
僕には好きな人がいる。好きな人の名は、笹木のの(ささきのの)。
クラスの中では、隠キャで、誰とも話さず人見知りだった。
友達がいなさそうに見えたので、僕が、「友達になってあげる!」って言ったら
他の人には聞こえないような小声で「う…うん…。」
と言ってくれた。
2ヶ月経った今、ののとは仲良くなって、何でもグチでも話せる
ようになった。そして、僕の心にはののに対する恋心が動いて
いた。最近から仲良くしていて、クラスの人から、
「アイツら付き合ってんの?」という声が飛び交っていた。
だけど、もう恋が芽生えているのだから、告白しても
いいかもしれない。
なので、僕はののに、裏庭に放課後に来るように伝えた。
そして、放課後。僕は、ののに、「好きです。付き合って
下さい。」とシンプルに告白した。(のの の返事は…?)
ののは、いつもより少し大きい声で、「私も好きでした。
一緒に誰ともにも負けないようなカップルなろうね!」と
言ってくれた。
それからののは、伝えてくれた。「私は、ワレモノみたいに
扱ってほしいの」と。どういう事かというと、
ワレモノはよく衝撃を与えると、割れる、壊れる。私も
ワレモノみたいに守って欲しい ということらしい。
それから、7年が経った今。二人は中学、高校、大学と
ずっと一緒に来た。今は大学生。僕とののは結婚することに
した。籍を入れただけだ。
僕は、7年経っても忘れない。のの の、あの時言った言葉。
それは、「私はワレモノみたいに扱って欲しいの」。