大好きな声が聞こえた。
「ぇ、?」
反射的に振り返ると、そこには、
酷く焦った顔のるなちゃんが居た。
「ッ…るな、ちゃ」
足早にこちらに向かってくる。
(今、目が、腫れて…ッ)
そんな事を気にしている間に、一瞬で私の前まで来たるなちゃん。
『…?唯華、どうして顔隠すの、?』
私は顔を見られたくなくて、無意識に手で顔を隠していた。
「今、酷い顔してるから、」
必死に振り絞った言葉。
『ッ…唯華顔見せて、?』
るなちゃんは昔から勘が鋭い。
この言葉の意味もすぐに理解したと思う。
(どうしよ、また泣いちゃいそう…)
さっき引っ込んだはずの涙が、るなちゃんを前にまた溢れ出そうになった。
『………』
「きゃっ」
私は突然お姫様抱っこされた。
大好きな、るなちゃんに。
《なっ》
驚いた顔の高見くんが見えると同時に、
『唯華借りるから』
そう言って私を抱えて歩きだした。
「やっ、重いから、!」
私は恥ずかしくて少し暴れた。
『はいはい、暴れないで』
「……… 」
優しい声で言われ言う事を聞いてしまう。
(私って、ちょろいなぁ、)
気がつけばるなちゃんの家の前に居た。
躊躇うこと無く私を部屋の中に入れる。
「やだ、帰る!!」
私は逃げようとドアの方に走った。でも
『はいストップ』
あっという間に捕まってしまう。
『唯華、どうして逃げるの?』
『私、何かした、?』
心配そうに問いかけてきたるなちゃん。
顔を横に振り必死に否定した。
『それじゃあ、どうして、?』
「るなちゃん、好きな人が居るって…」
私はゆっくり話し始めた。
「私、お邪魔かなって思っ、て」
「それ、で」
堪えきれず涙が溢れてきた。
「ご、めんなさ、」
『……可愛い♡』
「ぇ、?」
聞き間違いかと思い顔をあげると、
嬉しそうなるなちゃんと目が合った。
『ねぇ唯華はどうして泣いてるの?』
そう問いかけられ、私は固まった。
「どうして、?」
疑問に思うと同時に、嬉しそうに
『私が取られるの、嫌だったの?』
そう聞いてきたるなちゃん。
「……ッ」
図星突かれ、分かりやすく反応してしまう。
(やだ、恥ずかし)
そんな事を思っていると、
手を握って目を見てきたるなちゃん。
『唯華』
名前を呼ばれ心臓が跳ね上がった。
「な、に」
『私ね』
「へ、?」
「うそ、」
『嘘じゃない 』
『ずっと、ずっと好きだった』
「友達、として、?」
『ううん、恋愛として』
「れん、あい、」
嘘、嘘だ。子供扱いしてきたのに、?
私の好き流してきたのに、?
沢山の不安が私を襲った。
でもそれよりも、嬉しかった。
「私も、るなちゃんが好き」
「すき、なの」
必死に伝えた。
『唯華』
『私の、恋人になってくれますか、?』
「ッ……なり、ます」
私、佐藤 唯華、 大好きな人の恋人になれました。
*次回瑠奈side*
コメント
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え、尊い無理最高です