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「よし。ここが管理室だ」

「よく知ってますね、極秘情報管理室の場所」

当然だ。こんなところ誰でも…

「…極秘?」

「え、黒さん、知らずに知ってたんですか?私は研究のために出入りはしてましたけど」

う、うん。いや知ってたよ?うん。

なんかこのくだり多くね?実は俺って、城の中のことよくわかってないのかな。

「ま、まあな。知り合いに研究に詳しいやつがいただけだ」

「そうだったんですね。また聞かせてください」

……よくそんな簡単に人を信じられるな。いい子の証拠なんだろうけど、これが原因になっちゃったのかな。

日本に同級生に同じような子がいたんだけど、虐められててね。俺が虐めを止めたんだけど、その後転校しちゃってどうなったか分からない。

つくづく気分が悪くなるようなことばっかりしてくるな、城の奴らは。

「確かここって監視されてるっけな」

「はい。各地に魔法具が設置されているはずです。どうやって侵入しますか?私ならパスワードを入力すれば…」

「いや、そんなことすればエルミが来たってバレるだろ?さっきと同じように破壊すればいい」

俺は《魔力探知》を使って魔法具をさがす。

だが、

「見つからないな……」

「それはそうですよ!ていうかそれが普通なんです!黒さんが異常なだけです!」

「そうか?……まあ、これならいいだろ。《魔石探知》《座標指定》《空砲弾》」

『ボボボンッ』

はい、これでおっけー。安全(?)にこの部屋を調査することが可能でーす。ざまぁみろ!

「うわぁ……。さ、流石ですね……」

おい、そのうわぁやめろ。俺がまるで悪者じゃないか。(※城に侵入している時点で悪業です)

「ここに、国の解決すべき問題が書かれている本みたいなのって、どこにあるか分かるか?」

「えーと、あ、これです」

「ありがとう。じゃ、早速だけどやっちゃうね」

「何をです?」

「見てたらわかる」

俺は、本をそこらにあった机に置き、手を置いて魔法陣を描く。

ざっと400ページ。それに沿って約400もの魔法陣を重ねがけし、《速読》。

さらに、全てを把握した上でそれらしい『ウソの情報』をつくり、(《並列思考》ですぐ創った)《情報操作》と《魔力文字》で上書きしていく。

ここまでで計15秒。

15秒あれば記録の改竄が可能。これってもう、世界を管理できてしまうのでは?と思うだろう。

……その通りだ。

だから見せない、教えない、やらないの3つを守ってたんだけど、もういいでしょ。面倒臭いし。

「よし。これで地味ーな嫌がらせは終了だ。」

「って、どこが地味ーなんですか!これ、城の中だけでなく、国民も巻き込むじゃないですか!!」

「え?」

今、何の魔法を発動させたか分かったのか?特に《魔力文字》なんて勇者特有の魔法のはず…。

出会ってからもそうだ。俺が発動させた魔法をエルミは全て知っていた。それが失われた魔法、あるいは勇者魔法と言われる伝説級魔法でも。

明らかにただ城にいた人ではない。

……まさか。

「なあ、エルミ。お前、魔法は使えるか?」

「え?いえ、残念ながら使えません…」

……これではっきりした。彼女が研究者だってのは聞いたことあったが。まさか自分の記憶が顔と一致しなかったとは。あ、顔隠してたっけ。だからか。

「はあ。全く、どうして嘘ついてるんですか、『師匠』」

「えっ」

「俺の前では仮面被ってたし、自分のこと全然話してくれなかったから気づくのに随分遅れましたよ」

「……ひ、人違いかと……」

「俺の姿が違ってても、どうせ『女の勘』とか言って、俺だって最初からわかってたんでしょうけど」

「うう、そうですよ……。仮面は仕方がなかったんですよ……」

「あ、認めた」

もじもじするところとか、本当に変わってないな。騙されやすそうな性格してるところも。

そういえば、その性格を治しに、俺が面白がって他の研究者にやり返しに行こうと今回同様同じようなことを誘った気がするね。

とにかく、俺が勇者なりたての時魔法を教えてくれたこんなに優しい師匠が、なぜ追放させられたのか。なぜ森の中でさまよっていたのか。

「んー。聞きたいことが山ほどありますけど、取り敢えず記録の改竄できたんで、人呼び込みますね」

「無理やり気づかせるんですね……。相変わらず性格が悪いですよ……」

うるせー、もう勇者じゃないんだしいいんですよーだ。

とか思いながらその場を離脱し、城の外に出たところで《混乱》《座標指定》を使おうと……

「……ん?」

城から《浮遊魔法》で4人組が近づいてくる。

へー、便利な魔法使えるやついるじゃん。魔力もなかなかだし、俺が居なくても大丈夫そうだ。

「あれ?ソウマ…黒さん、あの方たちって」

「知り合いですか、師匠?……って、」

うわーお。まさかのあいつら。なにしてんの?てか何しに来たの?

「お、追いついたのです…」

「……」

「ソウマ!久しぶりだな!」

まー…バレてますよね。《浮遊魔法》俺たち以外が使ったとこ見た事ねーしな。

「カーラ、ナナ、ソラ、コルマゼオ、…よっ」

「突然だがソウマ、手伝ってはくれませんか?」

「どうしたコルマゼオ、何かあったのか?」

うん、100俺がやったことに関してだ。知らんふりだぞ師匠……!

「城で問題が起きまくっていたのにも関わらず無視して記録していた書が見つかりまして…」

そうなるよね。魔力痕完全に消してるし。

「そそそ、そうなんですか!そそ、それは、たた、大変ですね!」

師匠ー!?!?!?

「む?ソウマ、その方とは知り合いか?」

あ、そっか。師匠がいることは知らせたが、顔見せたこと無かったから皆は分からないんだ。

「えーっと、俺達はこれから用があるから、じゃあな!」

「な、ちょっと待ってくださいソウマ!これでは城だけでなくこの国も崩れてしまうんです!一刻を争うのです!」

「このままじゃ面倒臭いんだよ」

「ソウマ…戻ってきて…なのです」

「頼むソウマ!私からのおねがいだ!」

……ああもう、ここまで言われたら……


「余計ほっときたくなるよなぁ?!www」

俺は師匠の手を取り、《風速》でその場から離脱を試みる。

「ちっ、そう言うと思ったよ、面倒臭い」

だが、ソラがお得意の《風操作》で《風速》の風を逆流させて俺の逃走が阻止される。

「もぉー!いいだろ?お前らだけでどうにかしろ!俺は知らん!」

半分ヤケクソで《風速》の威力を上げつつ、違う魔法を構築。

「コルマゼオ、貴様にかかっている!私がソウマの所まで飛ばすから、あとはどうにかしろ!」

「はあ。久しぶりですね。カーラに投げられるのは」

よし、構築完了!

「師匠、『とびます』!」

「は、はい!」

……?!

おい?おいおいおいおい?!

なんかコルマゼオがこっち来たんやが?!間に合うか?

「《爆封》!!」

「─────くっ」

拘束魔法か!

「ソウマ、残ってくださいっ!貴方には我々と魔物を倒す義務もあるのですよ!」

「…仕方ねぇ─────なんてな」

「なっ」

あくまで相手は俺の元パーティー。誰がどんな魔法が使えて、情報に備えてどんな動きをするのか。それくらい分からなければやっていけない。

こうなることは予想していた。

俺がさっき構築していたのは、《解呪》と《無感知転移》。簡単に突破できる。

「じゃあな。魔物退治も国のお助けも、お前らだけでできるだろ、『元勇者パーティー殿』wああ、言い忘れてた」


「徹夜、頑張れ☆」

「や、やはりソウマはやりすぎです…」

すぐ隣から変な感想が聞こえたが気にしない。


視界が一瞬真っ白になり、見慣れない盛りに着いた。

「ふーっ、なかなか楽しかったですね、師匠」

「なんだか、城の皆さんが可哀想……」

「師匠を追放した罪は重いですからね」

「…師匠、ではなく、エルミでいいですよ?敬語もなしですからね!」

「!……分かった、エルミ」

…気を取り直して。

俺はまたひとつ、復讐(笑)をやり遂げた。転生してからまだ1年も経っていないのに、勇者をやってた時よりも充実した生活をおくれている。とてもいいことだ。

「というわけで、行くぞエルミ!」

「え?どこです?」

「新たな復讐場所だ!」


やりたいことがまだ沢山ある。もっとたのしく生きるために、俺は───────



この人外魔法で、やり返す!!!





どうもイレガです!

最終話、めっちゃ長くなってしまいました💦

最後まで読んでくださり、ありがとうございます!どうでしたか?面白かったらいいねお願いします!

次は何にしよーかなー…


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