テラーノベル
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「はぁ…」
『ため息ついて、どうしたんだい?』
「昨日も今日も曇り空…気が滅入っちゃうよ」
『季節的にも仕方ないさ』
「そうなんだけどさ…分かっちゃいるけどさ…
もう少し何とかならないかな…」
『何とかって?例えば?』
「んー…改まって考えると浮かんで来ないけど……真夏の晴天の様な感じ?」
『もうとっくに過ぎてるじゃないか、それに真夏は暑いから嫌だって嘆いていたのは誰だっけ?』
「例えばの話だろ?…僕は暑いのも寒いのも嫌なんだよ」
『随分ワガママな事言ってるね』
「良いじゃないか、どうせボヤいたところで何も変わりはしないんだしさ」
『それならもっと夢のあるものを想像しなよ』
「夢のあるもの?…お金が降りそうだとか?」
『降ってきたとしても交番に届けてお終いになるだけだね』
「面倒な事になるだけだから無しだな…」
『なら”飴”が降ってくるとかはどうだい?』
「大量の”飴”が降ってきたら濡れはしないけど…普通に痛いだろ…」
『…君は現実的に考え過ぎだよ』
「仕方ないよ…こういう性格なんだから」
『嫌な天気が続いて気持ちまで曇っちゃってどうするのさ』
「いっその事土砂降りになれば気分が変わるかもね」
『そこは晴れ晴れとじゃないのか…まぁ君の性格なら仕方ないかもね…』
「はぁ…」
『気持ちは分かったけど………おや?あっちの空を見てみなよ』
「青空が顔を覗かせてるね」
『雲の流れからもうすぐこっちにも青空が拝めるよ』
「そうだね、少しは気分も晴れ…………………雨が降ってきたよ…」
『……………そんな時もあるさ……………』
〜 END〜
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