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「なあ、とーじろー」
「どうしたの?景くん」
「これホントに上手くいくんか?」
「んー…わかんない」
「マジか…」
僕らは今、日本に行くために頑張っています。いや、正確には晴くんに会いに行くためかなぁ?とにかく、僕達は晴くんの所に行けたら良いんです。
「あー、甲斐田元気かなぁ?」
少し汗をかきながら作業をする僕を横目に、景くんは呑気な事を呟いた。そんな景くんの独り言に、僕は返事をする。
「どうだろうね。晴くんコミュ障だから」
「確かに、あ、でも」
「何?」
「日本には剣持が居るか」
「あー、確かに」
そう、日本には晴くんと刀也くんが居る、はず。あの術、結局上手くいったのかな?晴くんか刀也くんの記憶、戻ってるといいけど…。
そう、あれはあの頃の出来事。
ーーー
はぁ…ぅ…痛っ…。
「…またか…」
最近頭痛が酷い。一日で治ったりまた痛くなったりを繰り返している。
「はぁ…薬あったっけ…」
いつも愛飲している晴くんお手製のお薬(正確には薬じゃないけど)を探す。が、見つからない。
「…切らしてたっけ…我慢するか…」
そんな事を呟いた瞬間、今まで感じたことの無いくらいの激痛が頭に走る。
「ぅっ……やば……」
少し涙目になりながら、急いで出かける支度をし、晴くんの家へと足を動かす。
「…晴くんっ…居る…?」
僕は冷や汗でだらだらと顔を濡らしながら、晴くんが不在かどうかを確認する。しかし、返事は無い。なんで?普段引きこもってんのに。
「…晴くん、…入っていい…?」
やはり返事は無い。こんな時に限って不在なのか?
「…入るからね…?」
晴くんの家の中を見ると、僕は絶句した。なんだこれ、ゴミ屋敷…?って思うくらい家の中が魔の資料とか普通の紙切れなどで汚くなっていた。
「…えぇ……」
資料を掻き分けて廊下を進んでいくと、一つだけ襖が開いている部屋があった。僕はその部屋にだけは一度も入った事が無かったから、少し覗くことを躊躇ったけど、やっぱり 気になったので覗いてしまった。すると、そこには神々しい異世界の門みたいなのがそびえ立っていた。
「な…なに、これ…」
部屋に収まりきらなさそうなほど大きい門に驚きすぎて、頭痛の事などとっくに忘れていた。
門の左手前を見ると、少し小さめな机があった。その机の上には、手紙らしき物が置かれていた。封筒から中身を取り出し、書かれていた内容を読む。字が汚い。とても急いで書いたようだった。所々読むのに苦戦しながら、汚い字を読み進めていく。そして、今の状況を理解するのに少し時間がかかった。そんな手紙の内容がこれだ。
『この門は日本ってとこに繋がってる門だよ。この門をくぐるとあっという間に日本にたどり着くよ。その代わり、くぐった人は記憶が無くなっちゃうんだよね。あ、複数人でくぐる場合は誰か一人だけみたい。友達で実験して、友達に結果を送ってもらったんだよね。ちなみにこれ門くぐれるの時間制限あるからね。術とかで頑張ったらまた使えるようになるかも。あとはこ……』
どうやら書いてる途中で時間制限が来てしまったようだ。文章?の最後には書きかけの一文字が添えられている。
「……マジであいつ…!!」
多分、これは晴くん数年は戻って来れないやつだ。せめてなんか伝えてからどっか行け。クソっ、帰ってきたら丸一日ぐらい説教してやる!覚悟しとけ!!晴くん!!!
「…ん?待てよ?」
多分晴くんは刀也くんと一緒に日本へ行った。晴くんが記憶を失っていたら、刀也くんは混乱しすぎてえやいこっちゃになるかもしれない。刀也くんが記憶を失っていたら、晴くんは日本の事分からなさすぎてえらいこっちゃになるかもしれない…。
「…これ、普通にヤバくないか?」
え、待って、てか普通に魔の研究者候補消えるとか桜魔の未来が危ねぇぞ。
「もぉ〜!マジでさぁ!!」
あの野郎マジで自由すぎるって!!
僕は肩で息をして走り、キレながら景くんの元に向かった。