あっと視点
「ただいま〜」
「おっ、あっとか、おかえり〜」
玄関を開けたら、そこには、俺の兄―ぷりことぷりっつがいた。
「珍しいね、家にいるなんて」
「まあな〜大学、遠いしな〜」
ぷりは今、大学生だ。大学が家よりも遠く、そもそも地方が違うため、賃家で過ごしている。
「どうしたの?今になって」
「まあ、そろそろ、あっきぃの吹奏楽のようす、見れへんかな〜って、来た」
「嗚呼、そんな理由…」
「というか、あっと、もう高校生になったんやろ? 」
「まあ、ね」
いきなりこんなこと聞いて…、何がしたいんだ?
「あっとはさ〜、恋愛、してへんの?」
「…してないよ、そもそも、俺に恋愛が分かると思う?」
「思わないな〜」
「でしょ?」
「まあ、好きな人とかは、いそうやけどな〜」
「はっ、?す、好きな人…?」
「おん!どうや?気になってるやつとかおらんのか?」
「気になっている人…」
何故か、ちぐの顔が頭に浮かんだ。
何でちぐ?分かんないな…というか、何で恋愛分かんないのに、気になっている人は浮かび上がる…って、ちぐのこと、気になっている人みたいになってるじゃん…
「あっとってさ〜、意外と顔に出るんやな」
「はっ、?」
信じられなかった。そんなこと、言われると、思ったことがなかった。
「ど、どういうこと?」
「その顔、好きな人の前でやったら、百、バレるぞ」
「そ、そこまで…?」
「おん、だから、表情を見せたくなければ、無表情でいとき」
「さ、流石にそこまではしなくていいかな…?」
うん、無表情はぷりがやって、何か他の人が可哀想に思えたので、やりたくはない。
「まあ、そうやな」
「自分でもわかってるじゃん」
「なんてったって経験者やからな」
「何でそこ自慢げなの…」
「ええやん」
「いいけど」
「まあ、頑張ってな〜」
最後まで分からなかったな…
コメント
4件
人魚を 食う 、、 一族 … ?