鬼狩りと鬼族
〜注意〜
あんま話決まってないです。
あやふや時間軸(一応、那田蜘蛛山くらい)
誤字脱字有り
ちょぉっと、口調変えてる。でもあんま支障ないと思う。
何でも許せる方向け。
以上、そんなの気にしない気にしないという方はそのままスクロール〜。
鬼族
「ねえ、俺達の存在はまだ鬼殺隊には秘密なの?」
夕方、まだ山の隙間から太陽が覗いており、さわさわと気持ちの良い風が吹く。その風に揺られて、赤みがかった黒髪と左耳に花札のような模様を模した耳飾りが揺れる。耳飾りはカラン、と儚く音を立てて鳴る。
「そうだね。もう少しは秘密だ。何れは紹介しようと思っているから」
屋敷の中で温かい静かな声で話す、額が病気か何かで紫色に爛れている青年。この鬼殺隊を治める九十七代目当主、産屋敷耀哉が申し訳なさそうに言う。
「ふーん?まぁ、俺達は特にする事も無かったからこうして手伝ってるんだけどね」
そう言いながら耀哉の方へ振り返る少年。あどけない顔をしているが、その瞳の瞳孔は細く、宝石のようにキラキラ輝く赫い瞳が耀哉を捉える。そして口には小さな牙が生えている。その口を大きく開けて、左手に持っていたみたらし団子を頬張る。
「んー!美味しいなぁ。やっぱり人間の食べ物は良いな。何で紛い者は人ばかり喰べるのだろう?俺にはよく分かんないや」
「良かった、そのみたらし団子は私の行きつけの和菓子屋なんだ」
ほっぺたが落ちる、とはまさにこのことだろう。少年は、頬を紅潮させ幸せそうに団子をもっきゅもっきゅと頬張る。
――人の食べ物を食べる鬼、日光が平気な鬼。自分たちの知る鬼とは全く違う個体。
いや、種族が違う。
自分たちが知っている鬼は、人から鬼と堕ちたもの。
だが、目の前にいる少年、炭治郎は生まれた時から鬼。自分はそれを鬼族と呼んでいる。炭治郎も纏めた呼称は無かったので大賛成だと、自分を紹介する時は鬼族だと言っている。
鬼族は炭治郎以外にも存在する。目の前にいる炭治郎は『日』を扱う鬼。妹がいるそうだが、その妹は『火』を扱う。そして、炭治郎の友人達は、『雷』、『獣』を扱う。
「そういえば、妹は何をしているんだい?」
「ん?あれ、言ってなかったっけ。禰󠄀豆子はその、鬼舞辻?の逃れ者の鬼と一緒に旅をしてるよ。鬼を人に戻す薬を作るとか」
逃れ者の鬼の珠世。そう言う鬼が居ることは頭の片隅に置いていた。だから耀哉は安心した。
「んー、善逸と伊之助はのんびり気ままに過ごしてると思うよ。そういえば、久しく会ってないな…」
「そうか、皆、元気そうで安心したよ」
炭治郎は二本目のみたらし団子を頬張りながら答える。
「そうだ、耀哉。呪いはまた戻って来ちゃってる?」
「ああ、また、目が見えなくなって来たよ」
すると、目の前に気配を感じる。炭治郎が耀哉の目の前にいるのだろう。
「じゃあ、額失礼」
炭治郎はひんやりとする手のひらを耀哉の額に置く。すると、暖かな太陽のような光が耀哉の体を包み込む。
―ヒノカミノ加護―
そう呟いて、暫くすると光は消えた。ゆっくりと目を開くと、先程まで暗闇しか見えなかった視界が、自分の屋敷の景色を映しており、炭治郎が目の前にいた。
「どう?目、見える?」
「いつも有難う、炭治郎。君の力は凄いね」
すると炭治郎はどこか誇らしげな顔をする。
「俺は日の神様に気に入られてる鬼だからね!多分俺達は神様に造られた存在なんだよ!」
無邪気な幼子のように言う炭治郎。それが例え無惨より前に生まれた存在だろうと愛しく感じる。
すると、鴉が応援を呼びに来た。
「カァ!那田蜘蛛山デ!怪我人大勢!至急応援ヲ要請スル!」
「おや、那田蜘蛛山で、大勢の子供達が怪我しているのかい。其処には十二鬼月がいるかも知れない」
「柱を向かわせるの?」
「いや、炭治郎。君が向かってくれるかい?」
「へ?」
炭治郎は気の抜けた声を出し、目を丸くする。耀哉はふふっと笑う。
「俺は、鬼族の長だけど戦いは嫌だぞ!」
「おや、紛い者と一緒になりたくないのだろう?なら、強い鬼は倒さないとね」
「うっ、それはそうだけど…分かったよ、行けばいいんでしょ!」
少年の姿を取っていた炭治郎は、立ち上がると同時に大人の姿へと変化する。
「うん、君は少年より大人の姿の方が似合うね」
赫灼の髪が腰程までに伸び、肉付きは華奢だが、少年らしい肉のつき方、身なりも変わり、ヒノカミ様が纏っていると言われている豪華な羽織へと変わる。
「う、五月蝿い!もう、俺は行くからな。絶対柱を呼ぶなよ!面倒臭いことになるのは目に見えてるんだから!」
「大人になると冷たくなるのは悲しいね」
そう悲しそうに呟きながら、行ってらっしゃいと手を振る。
コメント
4件
わーーー!!✨イメージしてたのと 一緒過ぎて感動してきた😭 これも面白い!! 私がいいね♡してるのって反映されてるんですかね…🤔💭