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桃愛され
赤桃、水桃、白桃🐜
715の日記念🍣
赤桃 【夢の30分】学パロ
赤視点
「りーうら!」
四時限目の終わりを告げるチャイムが鳴り、教室では食堂へ行く人、机をくっつけ一緒に弁当を食べる人、他クラスから人を呼びに来た人などで騒がしくなる。
俺は友達も少なく、お昼ご飯を一緒に食べる人もいないので大人しく自分の席で食べるかと思っていると、急にどこからか名前が呼ばれる。
「ないくん?」
「一緒にご飯たべよ!」
こいつはないこ。俺の唯一の幼なじみで、家も近かったことから何故かずっと関係が続いている。
俺よりもひとつ上の2年生で、生徒会長もやっている。ピンク髪で、ピアスもバチバチなのに生徒会長でいられるのは成績もよく、実績もあるからだろう。
俺とは全く別のタイプなのに何故か向こうは未だに俺と仲良くしてくれている。
俺としては嬉しい限りだが、周りの視線が痛い。そりゃそうだ。俺みたいな陰キャとないくんみたいなみんなの憧れの的の人が一緒にいるのだから。
だがないくんはそんなことを気にもせず、俺に、にこにこと笑いかける。その笑顔に何度目を奪われたことか。
ないくんお気に入りの屋上に来た。
一般生徒は使用不可なのだが、ないくんの生徒会長特権を使用し、特別に使えることになっている。まあ、ないくんモテるから教室なんかで食べようものなら、女子に囲まれてお昼所ではないのだろう。
「あ、卵焼きじゃん!りうらママの卵焼き好きなんだよねー」
なんていう彼はキラキラと俺の卵焼きを狙っている。
「1個食べる?」
「いいの?たべる!」
俺がそう言った瞬間パァっと顔が明るくなるもんだからこっちまで嬉しくなる。
その後は各々世間話だったり最近あった出来事だったりとくだらないことを話し合った。
よほど楽しかったのか予鈴がなりもうそんな時間かと、現実に引き戻される。
あぁ、もうないくんとはバイバイしないといけないのか。
ないくんは生徒会の仕事があるし、自分も軽音楽部があるため帰りは一緒に帰れない。俺がないくんといられるのは一日の中で休み時間の30分だけ。
この時間が一番好きで、自分が自分でいられる瞬間だ。
ないくんにはたくさんの大切な人がいる。
きっとないくんはそのうち俺の事なんか忘れて持ち前の行動力でどんどん前へ進んでいくのだろう。
俺にはないくんを縛り付けておけるほどの力も魅力もない。けど、この夢のような時間を今だけでも味わわせて。
水桃 【支え】
僕は惚れやすいタイプなのかもしれない。
僕は自他ともに認めるメンブレしやすい人間だ。日々の心の痛みが積み重なりある日突然、もう何も出来ないと思うほど心が傷ついてしまうのだ。
そんな僕がメンバーにいることで一番迷惑をかけているのは、他でもない社長兼リーダーであるないちゃんだろう。
僕が居なくなればその分の穴埋めを誰かがしなければならない。それは活動だけにとどまらず、活動の仕事もある。
活動休止中はもう、申し訳なさで心がより壊れそうだった。
でもそんな僕をないちゃんは笑って支えてくれた。何も言わず僕の家で楽しそうに笑いながらご飯を食べてくれたないちゃんはきっと自分も活動休止の辛さを知っているからだろう。
「いむは大丈夫!」
なんて根拠もなく言い切るのだから僕ではきっと一生敵わない。
だから、何度挫けても、何度心が折れても君がいれば何とかなるのだろう。
そう思えるように成長できたのもないちゃんのおかげなんだろうな。
白桃【前髪】
「今日は会えない」
なんて彼からLINEが来てからもう30分。僕はどうしようもない不安で胸が張り裂けそうだった。
社長業で多忙なないちゃんと珍しく予定があい、ふたりでご飯でも食べに行こうとふたりで決めたのは先週のことだ。
ワクワクと心が踊り、どんな服を着ていこうか、最近買ったアクセをつけてもいいな、なんて考えていたのに。
急な彼からの連絡でそんな心がどん底まで突き落とされる。
何かあったのかと連絡を送っても、仕事が立て込んでて会えないだけ。ほんとにごめんと連絡が返ってくるだけだった。
どうしたものかと悶々としていると、不意に僕のいる会議室のドアが空く。
そこには今まで僕の心を支配していなピンク色。まさか会えるなんてと、驚く僕だが、目の前のないちゃんは目が飛び出るほど驚愕している。
だがそんなことよりも目に入るのはパッツンと切られた前髪だ。
ないちゃんと目が合うやいなや、顔が真っ赤になったないちゃんは僕から逃げるように体制をとったが、僕が手を掴む方が早かったようだ。
「何その前髪」
「し、失敗したの…」
彼によると久しぶりのデートだからと前髪を切ったはいいものの切りすぎてしまったようだ。それで急に行けなくなったと連絡したようだった。
なにそれ
「パッツンないちゃんも可愛いやん」
そういうともっと赤くなるないちゃん。
こんなないちゃんもありやななんて思う僕だった。
黄桃、青桃なくてごめんなさい😭
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コメント
1件
読み終えたよ。「赤桃」の30分がすごく切ないなと思った。ないくんにとっては何気ない日常の一部でも、りうらにとっては「夢のような時間」で、それがもう決して長くないって分かってるからこその儚さが刺さる。水桃の「いむは大丈夫!」って言い切る感じ、ああいう強い信頼関係が見える瞬間が好きだな。白桃のパッツン前髪、ほっこりした。不意打ちのキュンってあるよね。3篇とも「ないちゃん」が軸で、それぞれ違う角度から彼との関係が見える構成が上手いと思った。