コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「そんな事を感じる暇はなかったな、とにかく兄貴は仕事に、牧場の建設に、子育てにずっと忙しくて死にそうだったから、手伝うしかなかった、年の離れた弟はまだ生まれたてだったし」
「兄弟で喧嘩したりしたことは?」
子供は親の愛情をめぐって喧嘩するものだが、そもそもその取り合う親がいない場合はどうなんだろう、純粋な好奇心で聞いた
「それが嘘みたいだけど本当に無いんだ、あ・・・まてよ・・・数年前に、末っ子のアキと兄貴が入場ゲートを壊すほどの、大喧嘩したな・・・さすがにあれは俺も焦ったよ」
「あなたはどうしたの?」
直哉は暫く考えてから言った
「どっちの味方にもなったよ、弟の気持ちにも寄り添ったし、兄貴の気持ちも良く分かってたからね、そしたら自然と二人が仲直りした、どっちみち二人供お互いが大好きだったから、そんな長くは喧嘩出来ないんだ、そしてより兄弟の結束が固くなった」
「難しいことをやってのけたのね」
直哉が肩をすくめた
「俺は何もしてないよ、結局は二人供がお互いを思いやったんだ」
その時アリスがタブレット抱えて、パタパタと紗理奈の所へやって来た
「サリー身長はいくつ?」
「162センチです」
「バストは? 」
「ええっと・・・アンダー70のCカップです」
「ちょっと立ってみて!ああっ!ピッタリだわ!今ね、今年一押しのITOMOTOジュエリーうちの、ブライダル部のドレスが予約空いたの!抑えるわね!!」
何やらアリスがタブレッドに、いそいそと書き込んでいる
「お腹が大きくなる前に済ませないとね!私の場合は北斗さんと真夜中の結婚式で、とってもロマンチックだったわ、亡くなったお母様の指輪を頂いたの・・・・驚いたのは彼があらかじめそれを持って」
途端にアリスの背景に花が咲き、瞳の中は星が煌めき、少女漫画のような顔つきになる
「私を追いかけてパリまで来てくれたことよ・・・ああ・・・なつかしい 」
「あ~あ・・・またママの発作が起きたよ 」
佐奈がうんざりして言う
「無視していいよ、サリー、ママが一旦乙女チックモードに入ったらしばらく戻ってはこないから」
瑠奈も呆れて肩を竦めた
「どうして紗理奈のドレスのサイズなんか聞くんだ?」
不審に思った直哉がアリスに聞いた
「決まってるじゃない!あなた達の結婚式よ! 」
アリスがさも当然と言った
「結婚式?」
「結婚式?」
二人はお互いの顔を見て、キョトンとなった