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直哉と紗理奈の結婚&妊娠は、紗理奈の実家水谷家に大騒動を引き起こした
母親は結婚を諦めていた三姉妹の末っ子が、なんと島一番の大金持ちの所に嫁いで、一番出世したとうれし泣きをし
次女は牧場の馬に乗るアクティビティチケットは、無料で分けてもらえるのかと紗理奈に詰め寄って、早速子供のお古を紗理奈に譲ると言って、聞かなかった
長女の千秋は成宮直哉に対して、ずいぶん厳しい評価をつけていた事を、紗理奈に素直に詫びた
そしてこれからは彼の良い妻として、良い母として立派な牧場主の女主人になれるように、今まで以上に紗理奈に指導、助言すると張り切ったので、紗理奈は姉さんが妹を心配してくれる気持ちはありがたく受け取るけど、もう助言は遠慮すると言って笑った
さらに紗理奈は和樹に電話で、直哉と結婚することを報告した
以外にも彼は笑って紗理奈にこう言った
直哉を投げ飛ばすコツはもう掴んだから、何かされたらすぐに自分に告げ口する様にとの事だった
紗理奈はびっくりしてその話を聞いたが、和樹はこうも付け加えた
「辛いこともあるだろうけど、子は鎹さ、子供がいれば色々乗り越えれるものだ、子育てが一段落してまた小説を書くことがあれば、一緒に仕事ができたら嬉しいよ」
まさに彼は「できちゃった婚」カップルに対して、お手本の様な激励の言葉を紗理奈に送った
彼に以前は淡い恋心を抱き、それを裏切られたと思った時は辛かったけど、ここへ来て二人は良い友人になったんだと、紗理奈は理解した
直哉への愛に比べれば彼に淡い恋心を抱いていたのは、まさに月とすっぽん、和樹への気持ちがにわか雨だったとしたら、直哉への愛は木も家もなぎ倒す大型台風と言った所だ
さらに紗理奈はマダム鶴子にも連絡した、出来れば二人の結婚式に、出席してほしいと頼んだら、マダムは笑ってこう言った
『お気持ちはありがたいけど、世の中にはルールと言うモノがあるのよGirlお嬢ちゃん、あたくしは所詮日陰の女・・・そんな女が公の場所にノコノコ出向くと、みんなが困ってしまうのよ・・・、youのお父さんも、youのお母さんも・・・あたくしの言ってることわかるでしょ?』
そうマダムに諭されてハッとした、父も母もマダムの事はよく知っている、母は特にあの楊貴館を憎んでいるはずだ、自分の軽い浅はかな考えが少し恥ずかしくなった
『ごきげんよう・・・水谷先生(はぁと)あなたはこれで楊貴館の特別なお客様ではなくなったわ・・・ここは寂しくて愛を求める人が来る所、あなたはもう二度と訪れることが無いようにしないとね、良い妻に・・・良い母になってね・・・ナオちゃんを支えて幸せになるのよ 」
そう電話を切った時には、紗理奈は少し切なくなった、なぜなら紗理奈はマダムが好きになっていたから
しかしマダムの方から「住む世界が違う」から「もうかかわるな」と引導を渡されたのだ
澄やかに晴れ渡った、成宮牧場のガーデンウエディングは、エメラルドグリーンの芝生の上に、披露パーティーに使用する白い大きなテントが張られ
上空から見るとまるで巨大な雲が休息の為にこの牧場へ、舞い降りたかのようにあちこちに広がっている
今は牧場の全権限を直哉に譲り、来年県議会選に出馬を控えている北斗の妻として、彼を支えているアリスも元はこの牧場の女主人だ
アリスは張り切ってここぞとばかりに、義弟の結婚式に自分の力を誇示した
それはこの島でも例年にない豪華な結婚式で、招待客も牧場関係者や議会関係など500人を超え、今年島一番の話題に上る勢いだった
青空ウエディング用の祭壇の後ろには、北斗の薔薇園の薔薇とあざみの花が、あしらわれたアーチが設置され
そこには正装をした北斗の友人で、この島で唯一の牧師、和也がかしこまって、マイクテストを行っている
今は誓いの儀式の時の照明にうるさくこだわって、音響係の自分の子供達5つ子(全員高3)に指示を飛ばしている
その前に紺色のタキシードに身を包んで、派手に男前が上がった直哉が立っている
アリスが派遣したメイクアップチームに綺麗に、ヘアセットされ、ずっと風が吹いているように外ハネで、スプレーで固められている
素敵なタキシードに今は「カッコいい」の無駄遣いが過ぎる彼だが、どうもなんだか様子がおかしい
目を赤く腫らし今にも泣き出す一歩手前だ
その半べその直哉の後ろで、急遽サンフランシスコから兄の結婚式の為に帰国した、アキレオがゲラゲラ笑っている
「アキ!レオ!今日は兄さんの晴れ舞台だ!あんまりいじめるとコイツが正気に戻った時に、お前らまとめてミンチにされるぞ!」
北斗が真っ黒のタキシードの蝶ネクタイを付けながら、半笑いでアキレオを諫める、自分も直哉を見て笑いをこらえるのに必死だ
「その時は俺らはもうアメリカさ!」
HAHAHA!!とすっかりアメリカンナイズされた、レオの笑い方がムカつく
コイツはしばらく見ないうちに、アーノルド・シュワルツェネッガーみたいになっている、筋トレが過ぎる
「撮るなよ!アキ!」
直哉が睨んでスマホを掲げているアキに言う
キヒヒヒッ「撮ってないよ!ライブ配信さ!ナオが泣いてるなんて明日天変地異が来るぞ」
ガーッ!と怒った直哉が、アキレオに飛び蹴りをくらわす
またそれをゲラゲラ笑って交わしていると、そこに郵便員のジンがレオの肩を抱き、消防隊員の正勝達も混ざって、ドヤドヤ団子のような男子校風のおちょくり合いが繰り広げられている
そこへ北斗の子供正斗と優斗が直哉の所へ、走って来た
「ねぇ!パパ!知ってた?1カラットのダイヤモンドの原石を見つけるためには、1トン近くの砂利をふるいにかけなきゃいけないんだって!おばあちゃまが言ってた」
グレーのバーバリーのキッズスーツに身を包んだ正斗が興奮して北斗に言う
そして次に紺色の同じハーフパンツスーツの優斗も、ぴょんぴょん跳ねて言う
ヘアスタイルをオールバックで二人供固められている、おそらくアリスがやったのだろう
「ダイヤモンドがサリーの頭にいっぱいついてたよ!!」
「それは見ものだな!」
北斗が笑って我が子二人を抱き上げた