テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#まいるーむ
•♥𝓇𝓎𝓊𝓃𝒶♥•
110
•♥𝓇𝓎𝓊𝓃𝒶♥•
444
#専用部屋
ある寒い冬の日のことだ。
「寒い……」
気がつくと口に出していた。
手は震えていて、今にも凍えそうだった。
空からはしんしんと雪が降っていた。
聞こえるのは、雪が降る音と人々が歩く足音だけ。
まだ来ないの。
こんなに待っているのに。
貴方のことを待ってからもう、二時間が経った。
古びたマフラーやコートを着ていても寒く感じる。
もう、指の感覚がない。
”ピコン”
LINEの通知音が流れた。
”ごめん、もうそろそろ着く”
貴方からのLINEだった。
これだけで私は少しだけ温まったように感じた。
”わかった待ってるね”
そう、返信を返した。
貴方は今歩いているのか既読がつかない。
三十分、一時間、二時間、三時間
私は流石に寒くて倒れそうだったので、デパートに入った。
”デパートで待ってるよ”
LINEをしても貴方からの返信はない。
それから、一時間、二時間、三時間、四時間、五時間
5分おきに、貴方からのLINEを確認するけど
既読はつかない。
諦めた私は近くで売っていたマフラーを買い、古びたマフラーを捨て
また、歩き出した。
家について、数分後。
”プルルルプルルル”
電話が来た。
もしかして貴方から?と思い、すぐに手を伸ばした。
画面を確認すると、貴方からで私は胸が踊った。
「由姫乃です。」
そういつも通り名前を名乗ると、重い空気を感じた。
「由姫乃さんと言う方なのですね。」
「悠真の母の華乃と申します。」
「突然、悠真の携帯からお電話失礼しますね。」
え、どうして。何かあったの?
「あ、はじめまして。」
「由姫乃と申します。」
「本日はどのようなご要件で?」
「実は、今日の十時に悠真が事故に巻き込まれて亡くなりました。」
「急の連絡で申し訳ないです。」
え?え?え?
悠くんが亡なくなった?
「それは……」
「本当ですか?」
「えぇ、いま病院にいるんです。」
「殺人等の疑いがないか、確認してもらったときに最期にメッセージをしたのが由姫乃さんだったということでお電話させていただいてるんです。」
よく聞くと、すすり泣きしているのがわかった。
「そう…なんですね…」
私はもう何も言えなかった。
「由姫乃さんも会いますか?悠真に」
「私が?いいんでしょうか…」
「もちろんですよ。私も悠真も会いたいので。」
ふふふっ
今日初めて微笑んだ。
「伺いたいです。きちんと別れをしたいので。」
「では待ってますね。」
「はい。」
私はすぐに準備を始め、家を出た。
近くの花屋で白ユリをベースとした、花束を作ってもらった。
”コンコンコン”
< どうぞ
「失礼します、由姫乃です。」
「あら、はじめまして。悠真の母の華乃です。」
「ずいぶんと可愛いお嬢さんでびっくりしたわ。」
「あの‐ゆうくんは…?」
「こっちよ。」
指を指す。
「うっ…」
ベットに遺体が置かれていた。
急に頬に涙が伝った。止まらなかった。
「……っ、う、……ううっ、うぅ……。ひぐっ、──う、くっ……」
「……っ、う、……ゆうくん……っ。うぅ……、ひぐっ、──う、くっ……」
「……っ、ゆう、くん……ッ! ──う、ぅ、……っ、さい、ごまで……いっしょに、いれなくて……ごめん、ね……っ。ひぐっ、う、ぅぅ……っ、……っく、は、ぁ……っ、ゆう、くん……っ、うぅ……っ」
華乃が由姫乃の背中をさする。
「落ち着いて、大丈夫よ。」
そう何度も何度も声をかける。
数分後
「取り乱してしまい申し訳ありませんでした。」
私は頭を下げた。
「平気よ、私も泣いたのだから。」
「ありがとうございます。」
「由姫乃さんと悠真はどのような関係なのかしら…?」
唐突に聞かれた質問に少し驚いた。
「知っているのかと思っていました。」
「…というと?」
「悠真さんが話していたのかなと」
「いいえ、聞いてないわ。」
「こんなにかわいい子が居たらとっくにあっているもの。」
ふふふっと微笑みながら私に言う。
「悠真さんとはお付き合いをしていました。」
「約2年ほど…」
「まぁ…そうだったのね…」
「また話聞かせてくださいな。」
「えぇ、ぜひ。」
夕日が差し込む中、微笑んだ。
コメント
11件
切ないぃ、 私もこんな物語かけるようになりたいっ
ᐠ( ᐪᐤᐪ )ᐟ 切ないねぇ でも温かいねぇ
読み切りだよね…? 一話に綺麗に詰め込まれていてすごい!!✨ 幻想的な表現がまじで好き…!💕 まじで毎回神作すぎて、もうやばい……((語彙力皆無