俺はお金が無いやらなんやらの理由で自らの身体を売る少女を拾い、育ててウチの組織の奴隷にする、いわゆる“プロデューサー”だ。今日は1段と顔が綺麗な少女の情報が入ったから今から拾いに行く。
ウチの本部から数百kmほど離れた都会にある遊女の街に彼女はいた。
少し淡い綺麗な金髪や薄く紅い唇、真っ白で艶やかな肌はウブっぽくて、都会のギラギラとした雰囲気に似合わず浮いている。身につけているドレスは真っ白の純白でシルク素材なのか、つやつやと輝いている。
綺麗だ、と思った。それは『商品』に対する“プロデューサー”としての気持ちなのか、それとも個人的な欲情なのか。どちらにせよあまり変わらないだろう。早く手に入れてしまおう。
「やあ、お嬢さん。ここで何をしているんだい?」
気さくなふうに話しかけ、彼女の警戒心を解く。あくまでも俺は彼女からしたら自分の事など何も知らない男なのだ。
すると、彼女は薄い唇の両端を上げて、
「今日、この都会で身を売ろうと思って。目いっぱいのお金を使って綺麗なドレスを着てみたんです。」
本当はドレス姿を最初に見てくれるのは裕福な成金共じゃあなくて祖母が良かったんですけどね、と続ける。思ったよりも低い声だが、知性を感じさせる顔によく似合っている。その宝石のような薄紫色の瞳には少し憂いが覗いている。
━━━この少女は本当に心まで綺麗だ。まだ16ほどの年でもこの世の全てを悟ったかのような冷ややかな目つき。それに処女ときたものだからウチのボスにもたいそう気に入られるだろう。
早く用件を話さねば。
「嬢ちゃん、成金共に身を売るより、ウチのところで働かないか?」
もちろん、「働く」とは言ったものの、ほぼ性処理係だから身を売るのと大差ない。むしろこっちのが大変だろう。ただ身を売る相手が変わっただけだ。
「えっいいのですか?」
「あぁ、それに金なら問題ない。たっぷり渡すよ。」
永遠に実家に戻れないけど、ね。
「ありがとうございます。なら、そちらで働きたいと思います。」
あぁ、可哀想に。この少女は「働く」の意味も知らずにボスに犯されるのだ。
ふと俺は思った。この少女を俺で処女卒業させてやろう、と。初めての快楽にこの知性ある少女はどんなふうに身悶えるのか。どんな声を出すのか。興味が沸いた。
「おう、ところで嬢ちゃん、こんな都会をそのヒールで歩いて疲れてないか?」
「少しそこのホテルで休もうぜ。」
もちろん、普通のホテルではなく、ラブホテルだ。
「はい。気遣いありがとうございます。貴方は優しいですね。」
この綺麗な少女に微笑みながらそう言われると胸が弾まない男はこの世界にいるのだろうか。汚れが無く純粋な心を今から俺が汚すのだと考えると高揚して笑ってしまいそうだ。
ホテルに着くと、すぐ部屋をとり、入る。
俺はもう我慢が出来なくてベッドに少女を押し倒す。柔らかな淡い金髪がはたはたとベッドに落ちていく。抵抗されなかったのはこの少女がこれからされることを何も知らないからだ。
「それにしても嬢ちゃん綺麗な顔してんなあ。都会に身を売ってたらきっとすぐ売れただろうな。こんな魅力的な女はそうそういない。」
少女に囁く。
すると、彼女は顔に笑みを深く浮かべる。
「ふふ、っふふふふふ。」
「?どうしたんだい?」
思ったままのことを口にした。様子がおかしい。いや、褒められて嬉しかったとか?いいや、そんなことで知性ある彼女がこんなに笑うはずがない。それに声がなんだかさっきより低い。
「あはっ、っは、僕ってこっちもなかなかいけるんだな。」
意味が分からないことを言われ、俺は話すことを忘れる。この女、さっきまでこんな口調だったか?
「さて、と。」
何をするんだ?俺は慢心だらけの心に恐怖が滲み始めているのに気づかなかった。
「……パープル・ヘイズ。」
いっそう低い声で呟く。
なんだか喉が熱い。というより痛い。
「確かに、ミスタからは好評だったからな。ウブな女みてーだってね。ジョジョから女装任務の依頼を受けて仕方なく引き受けたんですけどね。」
痛い。痛い痛い痛い。ミスタって?男か?ジョジョって確かパッショーネのボスじゃ?女装???痛い。考えられない。肉が溶けそうだ。
「化粧はトリッシュにやってもらったんだ。あんたにしてはいいんじゃあない?って言われたよ。」
彼は本当に綺麗だ。そう思って視界が真っ暗になった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「━━━はぁ。本当に突っ込まれるかと思った。まあ脱いだら男なのバレるからそれは無いだろうけど。」
僕は独り言をこぼしてこの場を立ち去ろうとした。
「いいや。君は本当に綺麗だから男だってバレても突っ込まれたんじゃあないか?」
「なっ!?」
ジョジョ!!!!
「ど、どうして現場に?」
「君のドレス姿が見たくて。」
意味が分からず絶句する。そんなにこのドレスは高かったのだろうか。
「っていうか、どうしてこんな際どいドレスなんですか……。肌の露出が多いからこの日のために体重落としたんですよ?」
「それはごめんね。でも普段の君のスーツも露出度は高めじゃあないか?」
「違います!僕のスーツはところどころ穴を開けているだけで、このドレスは背中のところなんてほぼ布無いじゃないですか!」
「魅力的だけどね?」
背中をスーっとなぞられてひゃあっと声を出してしまった。
「ふふ、可愛いね。」
そう耳に囁かれた。顔が熱くなる。
「っあんたまさかここでヤる気ですか?」
「まさか!帰ってから僕の部屋でヤるよ?」
「結局ヤるんですね……。」
ジョルノはフーゴの恥ずかしそうな表情が好きだ。自分にしか見せないと思うと優越感で満たされるからだ。
「じゃあ、帰ろうか。」
2人はジョルノの家へと向かった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!