TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

「  あ  ー  あ  。」

一覧ページ

「「  あ  ー  あ  。」」のメインビジュアル

「 あ ー あ 。」

1 - 聞かなければ

♥

357

2022年06月03日

シェアするシェアする
報告する

「司くんって好きな人とかいるのかい?」


ほんの少しの好奇心だった。

僕は司くんに恋をしている。

それに気づいた時はもう手遅れだと思った。諦めれるものなら諦めたいし、司くんに好きな人がいるのなら僕は司くんを応援したい。

もしいるのなら、少しは諦めれるかなと思ってしまった。


「あぁ……いるぞ。」


その言葉を聞いて、時間が止まったように感じられた。


「そうなんだ。」


いるとは察していたけど正面から告げられるとやはり辛いもので、少しだけ泣きそうになった。

泣いてしまったら司くんに迷惑だ。そう思い、そのまま僕はショーの話題に戻した。




「また明日!!」

「またね司くん。」

いつも通りショーの話をして、家に帰って、夕食を食べて、お風呂に入って、歯磨きをして、ロボットの調整をして、寝る。

そのはずだった。


でも僕は家に帰るといつの間にかベッドに横たわっていた。

「自分で聞いといて、馬鹿だなぁ…」

そんなことを呟いて、僕は眠りに落ちた。




「ふあぁぁ……」

目覚めると、外は明るくなっていた。

その時、瞬時に察した。僕は家に帰ってそのまま寝落ちしてしまっていたんだと。

どうしよう…用意も全くしていないし、あと5分でいつも学校に着いている時間になる。

「よし、休もう。」

答えはすぐに出た。運が良く、親は明後日まで家に帰ってこないらしいし、バレなければ別に大丈夫だろう。


昨日できなかったロボットの調整をしよう。そう思い、すぐに作業に取り掛かった。

「類ーーー!!!!!」

「わっ……!?」

急に司くんの声が聞こえたから驚いた。もう学校に登校している時間だし、幻覚かなと思い無視してそのまま作業を続けた。


『ピーンポーン』

玄関チャイムの音まで聞こえてきた。よっぽど疲れているのかな僕は。


「まだ寝ているのかーーー!!!!??」

幻覚の君は僕の目覚まし時計か何かかな?普通の人は最初の声で起きるよ。


「先に行くぞーーーー!!!!!???」

この声は僕の幻覚なわけだし、返事する必要は無いよね。


「____。」

誰かと何か話しているのかな?

「朝から大声を出さないでくれ…?す、すいません!!!気をつけます!!!」

「フフッ……」

注意されている司くんを想像して、思わず笑ってしまった。

「はぁ……類…」

君の小さなその声の後は無かった。おそらく学校に向かったのだろう。


朝から司くんの声を聞けるなんて、普段なら嬉しいに決まっているけれど………今は少し辛いかな。



「司くん…」






最初から無駄な期待なんてするつもり無かったのに。

loading

この作品はいかがでしたか?

357

コメント

5

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚