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コブシ「太古の昔から、人間は物を使って生きてきた」
「『特性』……それは物と人間を繋ぐ力」
「闘志のある人間にだけ芽生える、物の意思を引き出す力」
「そしてアタシの特性は『ハート・ビート・バード』……媒体はあらゆるハート!」
ルディア「ハート……ビート……バード」
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第3話
⟣ 心躍る ⟢
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コブシは手のひら大のハートのアクセサリが全身に付いていて奇抜だったが、特性を発動するためだったようだ。
先ほどはネックレスについていたハートを外して、飛ばした。
ハートは鉄球を跳ね飛ばした後も、未だ浮遊している。
コブシ「落ち着いて。アタシの『ハート・ビート・バード』なら正面を切れる」
「アタシから離れないで」
ルディア「ウヒ〜〜……なんかほんとの戦いって感じ。自信ないよ」
板を破りたいが、ハートはこっちに近付いてくる……
コブシ「板に近づかない……洞穴だから風が流れ込んで来てる」
「じゃあ、こっちにしよう」
と言うと、浮遊していたハートは地面に触れ……
2本の足が生える!
腕と同じく、明らかに人間のような見た目だ。
コブシ「アタシの特性の能力は、あらゆるハートから『人間の部位』を生やすことなの」
「内臓以外ね。ハートを心臓に見立ててるから」
「そしてこうやって……走らせることもできる」
ハートは2本の足をバタつかせて、板へと走る。
ルディア「おおっ!だいぶシュール」
コブシ「え?カワイイでしょ」
ルディア「………?そうだね」
一方、外……
ヘリコニア「ヘッ!簡単なことだったな……フフ………フヒハハ………」
71
203
チョコ雑煮
20
#ブイズ
「この特性!!やっぱし最高だぜ……特性は必ず満足いく能力になるって噂はホントらしいな!」
「ハハハ〜!どれ!鉄球でくたばったガキを見に行くとしますかな!」
ニコニコの笑顔で板に近づくが……
ハート・ビート・バードの拳が板を貫き、
ヘリコニアもブッ飛ばす。
ヘリコニア「ボゲ〜〜〜!?!?」
「な……なんで……」
コブシ「あ……なんか居る」
風穴のブチ開けられた板をどけて、中からコブシとルディアが出てくる。
コブシ「コイツが犯人?」
ルディア「さあ……聞けばいいよ、聞けば」
「悪人さんはあんたかな?」
ヘリコニア「…………!!」
「ひ……人違いですぅ!!うわあ!!洞穴を見に来ただけなのにぃぃぃ」
コブシ「ホントに?白人が?」
「族長は厳しいからね……なかなか白人の住み込みを許すことはないと思うけど」
ヘリコニア「今日来たんですううう!!!!医者80人呼んでェェェ」
ルディア「ド迫真だね。どうする?」
コブシ「人違いだってんなら、この集落から去ってよ。それなら許す」
ヘリコニア「け……怪我人に歩けと!?」
コブシ「歩けじゃないよ。走って。殴るよ」
ヘリコニア「えぇぇぇっハイィィィィ」
爆速で走り去る……
コブシ「早」
「まあ戻ってこないか見張っとけば、一旦はこれで良いかな」
ルディア「それで『特性』ってさ、すぐ使えるものなの?私にも教えてよ」
「私もちょっとは戦えるように……」
空から『箱』が、ルディアに落ちようとしている。
先ほどと同じ特性の箱。
声かけも間に合わないだろう。
コブシ「!!」
「(危ない!けど私は静かに自衛すればいいだけ)」
「(別にルディアを助ける理由もない……アタシはそんな義理堅い人間じゃないからね)」
そして、コブシはルディアに飛び込んで突き飛ばす……
ルディア「!?」
コブシ「(ア……アタシのクソバカァ〜〜!!)」
箱がコブシにコツンと当たると……
ランプに還るアラジンのように、身体が箱の中に引き込まれる。
コブシ「……と……特性は」
「闘志と……好きな物さえあれば……!」
パタン。箱の蓋が閉まる。
ルディア「コブシ!!」
箱に手を伸ばそうとするが……
別の者に取られる。
ヘリコニア「フフフフフ……フウッフッフッフ……」
「バハハハハハハ!!依然うまく行っちゃったもんねー!上に箱投げてたんだぜ!」
「びっくりしただろ!?びっくりしただろ!!」
腕を広げてアホ面で喜んでいる。
ルディア「あんた誰なの!?なんで私たちを襲ってきたの!」
ヘリコニア「お前らをなんとかしないと隠密行動中のオレの存在がバレるんだよ!」
ルディア「コブシを出してよ!」
ヘリコニア「フフ……この箱に入ったガキ1なら出ねえぜ、ガキ2!だって箱に入ったんだから。フタが開かなきゃ出るわけねーだろ」
「この俺ヘリコニアの特性……『びっくりBOX』!媒体はあらゆる箱!自分の体積の10倍までならなぁ〜んでも入る四次元ポケット!」
「んで分かる?コイツは人質だぜ!ひょっとすると箱ごと割っちゃうかも」
「フフフ……次にオレが求めることはひとつ!お前も箱に入ることだ!」
ルディア「何がしたいの?人間の保管なんてして……」
ヘリコニア「え? いや 特に何も?族長にチクられたら困るだけよ」
ルディア「チクらないからコブシ出してってば!」
ヘリコニア「バーカ!そんなすぐ破れること言うだけなら猿でもできるわ!」
ルディア「猿は……できないでしょ。言わ猿だよ」
ヘリコニア「あっ!このガキ人質にすんなら族長への人質にも使えんじゃん!」
「くう〜〜!最高じゃねえか『びっくりBOX』!」
ルディア「……へえ〜……いいね……その箱の特性」
「あたしも特性じゃないけど、武器は持ってるんだ……『一番星の大剣』」
「でも一回使ったっきり試運転はしてない……」
「だから何が起こるかわからない」
「だけど……文句言わないでよ」
「手を出したのはあんただから」
ヘリコニア「おっ?そのでけー大剣振り回しちゃいますか?」
「『や〜!あたれ〜!このくそ〜!』……」
「バハハハハ!!武器の当たる距離ですかっつの!!」
腹を抱えて転げ回る。
ルディア「『一番星の大剣』ッッ!!」
大剣を振り下ろすと、それは光の衝撃波を発し……
ヘリコニアが咄嗟に避けた部分の地面を少し割った。
ルディア「おっと!間一髪〜!危なかったね。真っ二つになってたかも!」
「降参すれば?無事でいられるよ……少なくとも今は。」
ヘリコニア「……………」
すごく唖然としている。
ヘリコニア「……うん!」
からの……全力逃亡!
ルディア「待て!!」
ヘリコニア「待ってられるか!!死ぬて!!」
そして短い追いかけ合いの先、行き着いた場所は……
ルディア「……永久血湖?姿が見えなくなった」
「視界を遮れるものなんて……隆起してる結晶岩くらいしか」
永久血湖に近づいていくと………
ドン!!後ろから蹴り飛ばされる!!
ルディア「!?!?」
「(誰かが隠れられるほど大きい岩はなかったし……警戒もしてたハズ………!!)」
倒れ込む間際に後ろを見ると……
箱に片足を突っ込んでいるヘリコニアが見えた。
ヘリコニア「ヒヒ……」
ルディア「(あ……!箱に自分を入れて隠れたんだ!!)」
そして、ルディアの腕を掴む。
ルディアの体は斜めになり、真下の永久血湖にすぐ手が届いてしまう。
ヘリコニア「これでオレが腕をおっと!うっかり離しちまったら!オメェは永久血湖で石になるわけだ」
「どうやってその大剣に立ち向かうか悩んだものの……相手を傷つけたら道連れになっちまう状況じゃ、攻撃できるわけないわな!」
ルディア「………!!」
ヘリコニア「完・全・勝利だぜ〜〜!!テメェも箱に
ボゴォ!!!
ヘリコニア「……ホ……ヘ……?」
とんでもない音がしたので、ヘリコニアはびっくりして音の元を見たが……
………それは、自分の頬を殴られている音だった。
そして口の中から血を出して、吹き飛ばされる!!
手を離されたルディアは、永久血湖に倒れそうになるが……
ガシッ。空中の『ソレ』が、ルディアの手を掴んで、陸に引き戻した。
そして衝撃で落とされた小箱から、閉じ込められていたコブシが出てくる……
コブシ「『ハート・ビート・バード』……箱に入れられる前、既にルディアに一個投げてたの」
「ハートに目を生やせば、アタシが見なくたって行動をしてくれる」
ルディア「へへへ……これ、コブシが私を庇わなければもっとスムーズに行ったよね」
コブシ「……ふんっ」
ルディア「さて……」
頬を抑えて後ずさっているヘリコニアに、二人がにじり寄る。
ヘリコニア「ヒッ……!」
コブシ「どうしよっか?ルディア……………」
ルディア「一発殴ってみる?だいじょぶだいじょぶ、正当防衛だよ」
コブシ「そうだねぇ」
ハート・ビート・バードが、腹に一発トドメ……じゃない、正当防衛をお見舞いする。
ヘリコニア「ガフッ!!!!よ………容赦………」
見事にくたばった様子だ。
ルディア「とりあえず、まず箱を全部没収しよう。何をされるか……」
ヘリコニア「………!」
「これだけは見逃してくれッッ!!」
土下座しながら、その手のひらである箱を差し出す。
ルディア「……?何が入ってんの、それ」
箱が開くと……
かなり若く、麗しい女性が出てきた。
起きる気配はない。
コブシ「!!」
ルディア「……人………?」
ヘリコニア「………………」
「……妹の……サラセニアだ」
ルディア「!?!?」
コブシ「い……妹!?自分の妹を箱に入れて持ち運んでるの!?なんで!?」
ヘリコニア「ヘ……ヘヘ……そりゃ何も知らないツラだな……アタハジュルの集落民さんよ」
コブシ「てか待って……そう言われればアンタ……なんか見覚えある!」
ルディア「え?」
コブシ「ん〜〜………思い出せない………!」
ヘリコニア「たった1年前……『フラワー戦争』の終わりの時だ……俺は一度ここに来てる」
コブシ「!?……確かに……見た」
ルディア「それは……?」
ヘリコニア「俺の故郷だったフラワーシティってのがよ……このクラシ地方に戦争を仕掛けたんだ」
「フラワーシティってのは一番科学力が進んでたところだ……軍事力もな……」
「それ相手にこのアタハジュルが勝てるか?否……!一方的な襲撃だ。何人も死んでな!」
コブシ「……」
ヘリコニア「フラワーシティの目的はただの支配だ。俺も見ていてつらかった……近衛兵として味方に付いてていいのか、分からなかった」
「そんな戦争の終幕後……協力した者としてのせめてもの償いとして……妹と一緒に、このアタハジュルに来たんだ」
「そうして炊き出しとか……復興の手伝いとかをしてた」
「妹も一緒にな。笑顔が………きれいだったよ」
「そうしてアタハジュルに償いをしていたのに……」
「妹は族長にハンマーで打たれて……脳死だ」
ルディア「えっ……!」
コブシ「…………」
ヘリコニア「フラワーシティの人間ってだけで……言葉も交わさずだ!!生まれと肌の色が……そんなに憎いかよ!!オレのことも村八分だ」
「医者からは余命2年で……意識を戻す技術は今の世界にないと言われた」
「だが……『今の世界』だろ!?今じゃ……今じゃねえなら!!」
地に突っ伏したまま、拳を握る。
コブシ「…………だから、またここに来たんだね」
「永久に保存する血の海……永久血湖」
ヘリコニア「ああ……『石化』だ……!」
「岩石の象徴サマが石化できるってんなら……解くことだってできるはずだろ」
「サラセニアが石になれば!!脳死から戻す技術が生まれた時……その石化を解いて、生かすことができる」
「………だから俺はここに来て雲隠れしてんだぜ」
「な?同情しただろ」
「な!!せめてこいつは!!」
ルディア「………」
コブシは静かにルディアを見る。
ルディア「私たちが残酷な処刑人にでも見える?もう悪さしないなら、私たちも何もしないよ」
ヘリコニア「い……いいのか?本当に!?」
ルディア「ただし条件……!私たちは今、大きな目標を持っているけど、まだ糸口すら見つかっていないの」
コブシ「(私たちって……アタシは協力してるつもりはないんだけど)」
ルディア「あたしに協力して!それが条件」
「それに、調べていけば……石化を解く方法だって、見つけられるかも」
ヘリコニア「…………!」
「………ううッ」
涙をこぼす。
「あ………ありがてえ」
3人でサラセニアを永久血湖に浸し、引き上げる。
たちまち身体は石になり、閉じた目も、開いた口も、二度と動く気配はない。
……いや、いつの日か動く。そう言うことだ。
ヘリコニア「これで……余命は……」
そんな所で、横から筋肉質の老人がやってくる。
オサ「フォッフォッフォ……客人さんじゃな」
ヘリコニア「!?」
ルディア「?」
コブシ「………族長」
ルディア「!!」
彼は族長のオサ。みなと同じく褐色。白い髪で、腰に岩のハンマーを携帯している。
3人は後退り。
だが、族長は退かず、かなり近い距離まで来る。
オサ「そちらの白人さんには……注意をしたはずな気がしますがのう」
ヘリコニア「い……祈ってたんすよ!ヘッヘ!やっぱ永久血湖は神聖なんでね!ヘヘヘ!もうすぐ集落を出ようかと!」
コブシ「(大嘘つき……まあ、穏便に済ましてくれるなら助かるよ)」
オサ「では……こんな重いだけの石っころも……」
サラセニアに向け、ハンマーを構える……
「もう要りませんな」
コブシ「!?!?!?」
ヘリコニア「!!やめろ!!!!」
ルディア「『一番星の大剣』!!」
大剣が振り上がれば光が飛び出し、オサを切り裂かんとするが、
横に移動し避けられる。
ルディア「出会って早々……良いご挨拶だね お互い」
「石っころ?さっきなんて言った?」
「それは命だよ……希望まで血湖に沈めた訳じゃない」
「命を奪っていい人間なんて、一人もいないの」
堂々とオサを指差す……
「族長ってもっと賢いかと思った……わからない事も多そうだ」
オサ「ほうほう。そりゃおかしいのう」
「石化を戻すすべなどありゃしない」
「脳の死んだ女子が石になったところで……死人が死人になっただけじゃろうに」
ヘリコニア「てめェ!!話聞いてやがったのにか!!」
「口を閉じろ……てめェも血湖に沈めてやる!!」
オサ「儂を?そりゃ間違いですのう」
「石になった者は……皆等しくこの血湖に……もちろん、その女子もじゃ」
ヘリコニア「クソ野郎ォ……!」
そして、オサの肩に誰かの靴が当たる。
オサ「……?」
野次馬の集落民が投げてきたのだ。
かなりの騒ぎになっていて集落のみんなが集まり、みんながオサの方を見る。
そして、みんながくしゃくしゃの紙や腐った果物を投げつける。
オサ「!?」
ケバブ屋「うちらだって白人は嫌いだけどさあ……!そこまでじゃないだろォ!」
靴屋「一年前をいつまで引きずってやがるー!」
男性「やられたからってやり返したら一緒くたに堕ちるだけだ!!」
オサ「な……なぜじゃ!!数十年儂が統治した恩を忘れたのか!?」
「永久にこの集落を想った!岩槌の振るい方も教えた!それなのに……!」
ブーイングと物投げは止まらない。
人の声が混じりまくってもはや聞こえないが、それらが全てオサを責める言葉なのは明白だった。
オサは族長として、明らかに追い詰められている。
コブシ「………因果応報、かな」
「こうなる理由は分かってるくせに……」
ルディア「でも、あの人らは今のあなたに怒ってるだけだよ」
「私たちよそ者へのそんな態度さえやめれば、こんなに怒らないって。」
「取り返しはつく……みんな許してくれるよ」
「白人があなた達に何をしたかは、想像もつかない。でも、私たちは何もしない」
「だから、お互いに受け入れよう」
オサ「………!!」
敵意の剥き出した、険しい顔。
「それは……なんじゃ?慈悲か……!?」
ルディア「そんなんじゃ……」
オサ「そんなものは……要らん!!」
そしてオサは反応できぬ速度で石になったサラセニアを抱えて、
永久血湖に飛び込む!
ルディア「!?!?」
ヘリコニア「な………何やってんだァァーーーーッ!!!!!」
そして、水面を迎える……
ドボン!!
……ヘリコニアは、血の気が引きながら、湖を眺める……
ヘリコニア「…………沈んじまった…………」
「こんな…………あっけなく…………?」
コブシ「あの族長が…………入水……?」
ルディア「…………大変なことになっちゃったねぇ」
「ついてきてよ、ヘリコニア」
ヘリコニア「……なんだよ!今……今俺は」
ルディア「やるせないでしょ?当然……でも終わりじゃない」
「言ったでしょ?私たちに協力してって」
ヘリコニア「……?」
ルディア「私は本気だよ……全部を調べるつもりでいる」
「妹ちゃんが湖に沈んだんなら、引き上げる方法を見つけようよ」
「そして……石化を戻す方法も、ね」
ヘリコニア「は!」
コブシ「………!無鉄砲なやつだと思ってたけど、ついにそこまで……」
「できるかもわからないんだよ?石化を戻すことなんて」
ルディア「だから調べるんだよ……できるかどうかもね!」
コブシ「(……ルディア………この子……無茶苦茶だ)」
「(それが最初に言ってた『象徴に会いたい』からなのか……善意によるものなのか……)」
「(アタシにはわからない)」
そして、コブシの家の中につく。
家自体は少し大きい程度で、寝室は4つ、豪華な書斎がある。
コブシ「あのねえ……泊めるって言ったのはあんただけだよ」
「なんでオジサンを家に上げなきゃいけないわけ!」
ルディア「うん。約束はしてないんで、寝る時は家の外で寝てもらうよ」
ヘリコニア「………まあいいんだがよ………うん………」
広いリビングの大机に、紙を広げる。
そして書く……
ルディア「二人ともよく聞いて。計画を立てるよ」
「最初に建ててた目標は……こんな感じ」
────────────────
✧ 岩石の象徴を見つける ✧
↑
◯族長の信頼を勝ち取る
↑
・石化病を解き明かす
────────────────
ヘリコニア「なるほど……最終目標と段階目標な」
コブシ「でも今……族長は入水しちゃったから、◯の目標は無理になったね」
「象徴のことを知ってるのはオサだけ。象徴に関しての手がかりがなくなっちゃった……」
ルディア「その通り!でも私は完全にネガティブには捉えてない」
「コブシ……この集落で族長の次に権力があるのは誰?」
コブシ「次に?………思いつかないかも」
「親が子供の世代からオサが族長だったのもあって、みんなずっとオサに頼りっきり」
「だから権力で言えば、みんなそう変わらない?………あっ!」
ルディア「オサが岩石の象徴のことを誰にも言わず身投げ?そんなのありえない」
「もう歳って自覚はあっただろうし、信仰してる岩石の象徴の情報は残したいと思うはず」
「誰かに語り継いだか……あるいは、書き記したかもしれない」
「どちらであっても知る方法はある!それは……」
ヘリコニア「…………族長になること!?」
ルディア「その通り!!族長が沈んだ今、この集落は新しい族長を決める」
「集落民の信頼さえあれば、いきなり族長にだってなれる!そしてオサが残したであろう情報を知る」
「もし何も情報が残ってなくても、集落民から新たな情報を得れる希望はあるしね。なんたってこの地に居たんでしょ、象徴は」
「と言っても族長になるのは私じゃない……この集落を支えるつもりはないからね」
「もちろん君ら2人が族長になってくれればそれで済むんだけど……」
ヘリコニア「いやあ……俺のこと信頼する奴はいねえよ」
コブシ「アタシはガラじゃないし……」
ルディア「……知ってた〜」
そして、ルディアは紙に記す……
─────────────────
✧ 岩石の象徴を見つける ✧
↑そして情報を集め↑
☾ 誰か協力者を族長に ☽
↑功績を上げる↑
☀︎ 石化病を解き明かす ☀︎
or
☀︎ 石化を戻す方法を見つける ☀︎
・できれば、湖に沈んだ人間を引き上げる方法を見つける
─────────────────
ルディア「白人の私は好かれてなさそうだから、私が族長ってのは違う」
「だからみんなから反感を買わず、確実に族長になって捜査ができる……そんな協力者がいる」
「当面の目標は協力者探し……!計画紙にも加えておこう」
コブシ「あ……じゃあアタシのお兄ちゃんとかは!?明日……帰ってくるの!」
ルディア「へぇ……じゃ、会ってみなければね」
「じゃあちょうどいいしさ、コブシ……明日まで、次の族長決めに関しての情報を集めてほしい」
「強いて言えば誰が選ばれるのか、リミットはいつまでか……それは知らなくちゃだからね」
コブシ「……!うん」
ルディア「(このアタハジュルで、絶対に『象徴』を見つける……そして)」
「(ゼルを救う!)」
「(……あっ)」
「そうだ、二人とも!」
「コブシは右手、ヘリコは左手出して!」
コブシ「?」
ヘリコニア「ヘリコ!?」
ルディア「良いでしょ?ヘリコ。あだ名だよ。コニーの方が良かった?」
ヘリコニア「……もうなんでもいいや」
ルディア「良いから手を出してよ!」
二人とも、言われたように手を出すと……
ルディアは両手でそのふたつを強く握り、ブンブンと縦に振った。
提案者は随分と嬉しそうで、たちまち子供のような笑顔に。
コブシ「…………」
ヘリコニア「…………」
コブシ「……何これ?」
ルディア「へへ〜……この握手は、『仲間の合図』だよ」
コブシ「仲間ぁ……あーうんうん、もう良いよそれで。」
ルディア「じゃ、ヘリコニアは私についてきて」
「永久血湖、今度こそ調べるよ」
ヘリコニア「うっ……?血湖を調べる……」
「バケツ持ってきて実験してたのはそういうことか!?なるほどな……」
ルディア「さ、早くしないと遅れちゃうよ〜!」
ヘリコニア「あってめ、待て!」
互いに駆け出す……
バタン。
二人は外へ出た。
コブシもトアノブに手をかけ、ルディアから命じられた次の族長に関しての情報を集めに行く。
コブシ「(………)」
「(ずっと謎だった象徴に会う……石化病の原因を見つける……そして石化を解く)」
「(今まで誰もやってこれなかったこと)」
「(全部……本気でやろうとしてるんだ)」
「(できっこない……そう思ってはいても)」
「(期待しちゃうアタシは……バカなのかな……)」
▶︎ ✧ ⟡ ✦ ✧ ⟡ ✦ ✧ ⟡ ✦ ✧ ⟡ ✦ ✧ ⟡ ✦
第3話
⟣ 心躍る ⟢
終わり
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☆──照らす日時計、それはメデューサの視線──
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わあ、一気に引き込まれました。特性「ハート・ビート・バード」のシュールで可愛いビジュアルに笑ったけど、戦闘描写はちゃんとスリリングで。ヘリコニアが単なる敵じゃなくて、妹を救うための切実な動機を持っていたのが胸に刺さります。石化という伏線がどう回収されるのか、すごく気になる。コブシが最後に「期待しちゃう」と呟くところ、いいですね。世界観の設計も丁寧で、好きです。