※少し変更している部分がございます
今日は我々国に来て二日目。輝さんに書類について教えてもらう日だ。
コンコンコン
「あ、どうぞ!」
「お邪魔します」
早速輝さんが来た。俺より先輩なのに律儀に「お邪魔します」と言った。
書類をするのはとても簡単で、紙に書かれた内容を的確に書いていくのだ。国民からの質問や他国からの国交の話など、様々な内容がある。
「サボったら書記長からのお仕置ですから」
どんなお仕置をするのか、そう聞いてみると「粛清です」と答えてくれた。
粛清とは厳しく取り締まって不正な者を排除すること。独裁政党などで、内部の反対派を追放することだそう。
排除ってどんだけ怖いの…
「粛清剣で斬られます」
ゾッとする。粛清って言葉は可愛いもんでも、その意味は怖い。そんな言葉を簡単に発し、行動に移す。
行動に移すトントンさんも中々怖いが、簡単に排除する事だよ〜って言う輝さんも怖いと思う。
「でもサボらなかったらいいんですよね?」
「そーゆー事です」
毎日やろ…。そう決心する俺だった。
輝さんからの説明が終わり、さっそく書類をやってみる事にした。その内容は案外簡単で、スラスラと書けてしまう。
恐らくこんな簡単な書類をサボる理由はただ量が多くて面倒くさいから。
「うーん…」
ただ、偶(たま)に難しい内容があった。分からない所があったら僕の部屋に来てと輝さんが俺の部屋を去る間際に言っていたので、今が行くチャンスだと思う。
「出来た!」
偶に輝さんに手を貸してもらいながら漸く今日の分の書類を終わらせる事が出来た。
早速トントンさんに渡しに行く。
「トントンさん、書類出来ました」
「お、早いなぁ。他の連中なんてまだまだやで」
そうやってトントンさんは苦笑する。とまぁ、軽い雑談を混ぜながら出来た書類を渡し、書記長室を出る。
俺の部屋まで歩いていると、カキンカキンと剣を打つ音が聞こえ、それと同時に二人の声が聞こえた。
それに気になった俺は窓の外を見てみた。
「輝!絶対輝が隊長の方が向いてると思うけど!?」
「そんな事ないです。柊さんが向いてます。」
そんな事言う二人だが、互角だ。うん、二人で隊長が合ってると思うけど?ねぇ、どんな言い争い?互角じゃん。
ジーッと二人の訓練の様子を見ていると、放送が流れた。
《我々国幹部の皆様、会議室へとお集まり下さい。繰り返します、〜〜〜》
と、ロボロさんの声が聞こえた。それよりも何か大事な用があるのだろうか。だがしかし、一つ問題点がある。
それは…会議室が何処か分からない事!何も聞かされてない!
「ぐーちゃん…」
「ぐるるる♪」
どうしようかとぐーちゃんの名前を言うと、こっちだと言わんばかりに進んでいく。もしかして、会議室の場所が分かるのだろうか。
ぐーちゃんについて行くと、「会議室」と書かれた扉があった。
中に入ると、数名の方が揃っていた。
グルッペンさん、トントンさん、輝さん、柊さん、ロボロさん、ショッピくんだ。他の方はいないのに、早い。
「よぉ会議室の場所分かったな。」
「ぐーちゃんが知ってました」
記憶力えぐっと驚いていた。これは記憶力の問題か?
数分後、漸く全員が揃った。人数も人数だから集まるのは時間がかかるのは分かるけど、流石に遅すぎないかな?
それよりも、会議の話が気になった。
「話す事は二つだ。一つ目はA国との戦争、二つ目はF国主催のパーティだゾ」
「え?」
皆が声を揃えて言った。それは勿論、驚く事が二つも重なっているからだ。
戦争とパーティって…。そう誰もが思う。それに急だ。
今の日付が五月五日。A国との戦争の日が五月十日。F国主催のパーティが五月十五日。全て終わる日付がたったの十日しかない。
五日間隔で空いてるのがよかったかな…何て思う人が大勢いた。
「ロボロ。A国の戦い方を教えてくれ」
「りょーかい。A国は…基本的には武力で戦う人が多いみたいや。人数はそこそこ。」
「魔法使いはおらんみたい」と、最後に付け足して言い終える。
付け足しとして輝さんがこう言った。
「A国の兵士はそこそこいるけど力は全然弱い。皆ならすぐ殺せると思うけど」
人数はいるのに力は弱いって。人数でカバーしてるって感じか。ぐーちゃんにも殺せるくらいかな?
でも出来るか!ぐーちゃん強いし!
A国の兵士よりも我々国の兵士の方が圧倒的に強い。A国と我々国の兵士を1VS1にしても我々国の兵士が圧勝するとか。
そうなると兵士よりも強い幹部は余裕で勝てるよな。
この戦い、余裕では?
「宣戦布告したんってどっちや?」
そうコネシマさんが聞いた。その答えにグルッペンさんは「A国だ」と答えた。
ざわめきはなかったが、目が見開いている人が多い。
それはそうだ。何故ならA国は我々国に負けると誰もが思っているから。
どう藻掻(もが)こうとA国は我々国に完敗する。力の差は歴然。だからそういう未来が見えているからだ。
「て事はA国、何か企んでるんちゃう?」
今気づいたかのように言った柊さん。確かにそうだ。A国の総統も思ってるはず。
A国についての話を少々し、今度は二つ目の「F国主催のパーティ」について話をする事になった。
「パーティには日常国、運営国、ワイテ国も参加するらしい。」
誰もが知る国も参加するとは、F国は相当凄い国らしく、世界十位には入るらしい。
「流石に日常国とか有名な国も参加するんやし、企んでる事はないか?」
と、ゾムさんが言った。さっきも言ったが誰もが知る国も参加するんだ。何かするとは思えない。
それに、日常国や運営国は二位や三位などといったF国よりも強い国だ。何かやって敵に回したら歯が立たないだろう。
「まぁ用心はして損はないゾ」
「楽しむ」かつ「用心」してパーティに参加するようにと言われた。
「輝はドレスだゾ」
今度は服装について話す事に。え、輝さんって男性だよね?なのにドレス?
「え〜…」
「なら髪を切る事だな」
「え〜…」
輝さんは髪が長いから女性に扮して参加するって事か。
「参加しないって手は…」
「ないな」
輝さんの問いにスパッと断ち切ったトントンさん。輝さんはしょぼんって感じだった。
「じゃあ今回もぼくがお相手役ね」
て事は毎回女性に扮してるんですね、輝さん…。しかも柊さんがお相手役…。身長差的には完全にお嬢様と王子様だけどね?
というわけで全ての話し合いが終了した。
因みにパーティには俺も参加するのだが…ぐーちゃんは連れて行くの禁止となった。何故ならぐーちゃんは神獣だから。
もし会場にぐーちゃんを連れていった場合、神獣であるぐーちゃんと同時に飼い主である俺も連れてかれる事になるからだ。
会議室から俺の部屋へと戻り、ベッドにダイブする。そして頭の中で葛藤する。
「(幹部になってから戦争までの日にちが短いよ!しかも何?パーティだって!?)」
トントンさんが言っていたがグルッペンさんはお知らせするのが遅い。戦争でも明後日だとか言うらしい。
戦争よりもパーティのある程度楽しい話を考える事にした。
皆、普段着はきっちり着飾ってる人じゃないから、スーツとか着たらカッコいいんだろうなとか、顔面偏差値お化けの人達が着飾ってたら絶対女性は惚れるんだろうな〜とか。
そういえば輝さんってドレス着る時もお面つけるのかな?それ、似合うのかな…
俺のスーツはトントンさんが用意してくれるらしい。サイズについてはオスマンさんが測ってくれるみたい。
楽しみなような、緊張するような、複雑な気持ち…。
長らく作品を投稿せず申し訳ございませんでした。
投稿しなかった理由は、特に何もありませんので、一応ご安心ください。
それと、気づいたらフォロワー様250名になってました、ありがとうございます!!
全く投稿しなかったのに増えるなんて…と、通知が来る度に飛び跳ねてます。
少し前に、私のプロフィール欄に「フォロワー250人になったらファンネ(?)みたいなの作りたい」みたいな感じのを書いてましたが、どうしようかなと考え中です。
たかが250名、されど250名って感じなんです。たかがなんてつけたら申し訳ないですが。ファンマは一応作っていますが、つけてくれる気配はなさそうなので、暫くはファンネはなしという形で。
いつかはファンネ作ろうと思っていますが、いつ作られるかはわかりません(´>∀<`)ゝ
今度は雑談を出そうかなと思ってます。長々と語ってしまってごめんなさいね
それでは次も楽しくお話できることを願って!!
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