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『あ~。疲れたぁ。』
大きな声で少し重たい荷物を持ちながら、真琴と2人で家に帰っている。真琴はそんな俺を見ながらクスッと笑った。
そうやってゆったりふわふわと歩いていると、後ろから走ってくる小さな足音がした。
振り向こうとしたその瞬間、
後ろから抱きつくように飛び乗ってきて、
『今帰り?』
そう聞いてきたのは、真琴の妹、佐野遥希(サノハルキ)だった。
真琴と似ており、かわいらしい顔つきの彼女。ピンク色の髪の毛を2つに分けて結んでいる、中学3年生の女の子だ。
真琴と同じように幼なじみの遥希は、俺にとって妹みたいなものだった。
『ねぇ。お兄ちゃん。』
『かげ兄ちょっと借りていい?』
そう聞いていた。借りる?
借りる~?何のためだ?
『じゃあ持って行くね!』
そう言って俺が考えている間に真琴の返事も聞かず俺を引っ張っていってしまう。
『ねぇ。兄ちゃんになんか言われた?元気なさそう。』
大分離れた所ですっと止まって遥希は、俺に聞いてきた。
言われたかと言われても、確かに『あいが欲しい。』そんなことを急言われた。
それに困っているのはごもっともだ。妹なら、遥希になら、言っても大丈夫かもしれない、そう思った。だから
『真琴にさ、』
と、俺は昨日あったこと、そして今日寝昼休憩にあったことをまとめて話した。
それを聞いた遥希は、少し眉間にしわを寄せて、悔しそうな顔で、『そっか。それ、兄ちゃんが言ったんだ。』
と俺に向かっていった。
俺は『そうだよ』と言いながら詳しく話そうとした。それを遮り
『私、負けないから。』
と遥希は、言った。意味が分かっていない。どういうことか?
負けない?何のことだ?
佐野遥希(サノハルキ)
真琴の妹。
身長155㎝
誕生日3月15日