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🌹はなみせ🍏
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Anti Wonderland✴︎by Alice
【導きの章✴︎第3話】
「アリス」はぴょんぴょんとウサギのようにリングの扉へ手を伸ばす。だが思惑通りそう簡単には届かないようだ。
何かいい案はないかと考えては行動しなきゃと跳ね始め、跳ねても無駄だと感じれば考えなければと動きを止める。
そんなのを繰り返し、「アリス」は段々と疲れていき、ついには地べたへしゃがみ込んだ。
「「アリス」や、「アリス」動かなきゃ。私を探し出すのでしょう?」
「そうしたいけれど、足はもう棒だしこの扉に入れっこない、。」
「ヒントが一品とありますよ。ほらほれバックの机に漠然とデスク。」
鏡に映る助言気取りの白ウサギに対し、机なんかなかったでしょ。…と言う前に「アリス」は息を飲み込んだ。
一体どこから机が?あんなものなかったわよね?その上の小瓶を逸品のヒントと読んでいるのかしら。「アリス」は近づきその小瓶を恐る恐る確認する。
“ワタシをお飲み”
自分を飲んでくれという人は今までで聞いたことがない。というか小瓶のラベルはヒトではないのだから初めてだって不思議ではないのかもしれない。突然現れたものは普通飲むべきではないけれど、ヒントならばと「アリス」は一口で飲み干した。
……おや?と気づいた頃には違和感が築かれた。
「私こんなに小さかったかしら…?」
「アリス」の体は一尺ほどの縮尺へ。手に持ったままの小瓶も縮んでしまった。
「これじゃあますますリングの扉へ届かないじゃない。」
と不満が膨らむ。また床に伏せてべそを掻こうかとしたところ、目線を落とした先に粘土のような、ガラス玉のようなナニカが落ちている。大袈裟に言えばカプチーノ、適当に言えば薄茶色のナニカ。
触れる前に別のところを指差し確認。すると今度は水色が目に入る。「アリス」は謎解きのように他の色を探しはじめた。
机の脚をぐるっと一周するように、 薄茶色、水色、緑、淡い赤、黄土色、青、黄色 と並ぶ。
よく分からないからナニカと呼ぶことにしたそれを一箇所に集めたはいいものも、一体どんな意味なのか検討もつかない。コレがヒントなら色に関する何かだろうか?信号機、虹、クレヨンの色…。思いつく限り考えてみたけどなんだかちっともピンとこない。似てる色も多いし、濁っている色もあるし。
というか元の大きさに戻れるのかしら。と疑問の末、何気なくさっきの小瓶を見つめてみる。
“創色で鍵を作り出し正しい時間まで眠れ”
「鍵を作れと言われてもねぇ…」
口にしながら「アリス」は小瓶を二度見する。さっきとは違うことが書いてある気がするが、やっぱりこう書いてあっただろう。いちいち深く考えると手が動かなくなるから。
創色…このカラフルなナニカで鍵が作れるということだろうか。
「鍵…カギ、。母語だとKeyよね。鍵って言ったら金色?」
「何をおっしゃる!Keyといったらキーろですよ!」
白ウサギが割って入る。スッと考えが散ってしまいそうで「アリス」は少しムスッとした。
「黄色…だったらこの粘土みたいなやつにもあるわね。さっきみたいにyellowとでも呼んでおく?」
元はと言えば「不思議の国のアリス」はイギリスで、言語も英語と同じなのだから表記を合わせるのは一理あるのかもしれない。
「アリス」は色を*英語で表記すると鍵ができる*を一つの仮説として進めていくことにした。Keyの末尾文字はyellowの頭文字と一緒だから、Kと Eがそれぞれ頭文字になる色を探す…と言った具合だ。
考えてはみたものの、KやEが頭に来るものはこの色の中には含まれない。
「もし、私の仮説が正しいとしたらライトブラウン、ライトブルーって同じLが頭文字よね。それに、ライトブルー、ブルーって色も似てる。」
だったら別の呼び方を試す。
「緑は緑でも青っぽい奥行きのあるような深い色だから、…。エメラルド色とか?」
エメラルド=emerald。これでEを発見する。じゃあお次は…
「Kから始まる色。…カーキー?」
被ってしまう色を優先的に消すため、薄茶色をカーキー=khakiだとした。というか、Kから始まる色で一般的なのはカーキーくらいしかないと「アリス」。(カルミアやカンナ色もあるにはあるが。)
残りは四色。Keyのようにするならば英語表記で4字になるものだろう。
一昔前の父親のように腕を組み「アリス」は数十分考える。〇〇Keyなのか、 Key〇〇なのかによってくっつく言葉は変わってしまう。L・P・O・Bでできる言葉でしょ…?と時々独り言。同じのを2回使うのだろうか。だとしたら4字以上のものになる。Keyではない可能性も…
「そもそも「アリス」、そんな小さな体であの扉まで届くのですか?できるKeyも小さければ鍵穴すらもあうことない。」
「わかってるわよ。でもまずは鍵を作ってそれから考えないと。”正しい時間まで眠れ”が元に戻る要素かもしれないでしょ?」
「では死作品になる試作品を創ってるんですね!」
「…試作品?」
「アリス」は引っかかるように繰り返した。閃きという閃光はこう言うことを言うのだろう。思いついたことを頭の中で慎重に整理する。
輪から内、10時の方向にある二段目の扉、金のリング、鍵、正しい時間…。…、試作品。
白ウサギの大量の時計から、そしてネズミ達が乾燥するためのリレーから。ここでは時間が一種の要になっている。その時間のルールを崩すと一つの空間が壊れたように。
そうだとしたら、正しい時間まで眠れとは、寝る時間…夜を表すのではないか?
「夜と言ったらお月様よね。お月様はタイミングが合うと金のリングのようになる。前におじいちゃんと見たわ。」
皆既月食や金環日食と呼ばれる現象を「アリス」は本国で見たことあるようだ。
月や太陽は空で輝くもの。輝くものといったら星座もあるだろう。東洋では鯨にも例えられた夜空の星座、その二番星を称する単語。加えて実用できるか試作されるモノを称する単語。しかも丁度4文字の。
_____「Beta…。」