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10 - 第10話 合否発表

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2025年02月24日

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あれから何日もの月日(つきひ)が流れた。気づけばもう前期の受験が終わって今その結果

を伝える時になっていた。私のクラスからは20名程前期受験を受けていた。その中には陽花、颯斗、優梨花の3人も受けていた。結局あれからは3人で勉強会をやる日が合わなくてやっていない。それに3人とも前期で受けたい所があったらしい。

結果を伝える時は私と子供、その親御さんの3人で教室に集まる。それから結果を伝える。これがこの学校のやり方らしい。

だから今私は教室に1人でいる。次は優梨花の番。結果を伝える私もすごくドキドキする。結果を聞いたら優梨花はどんな顔をするんだろう。そんなことを1人で考えてたらキリが無くなってくる。




ガラガラガラ



優梨花「先生、、」

私「こちらにお座り下さい。」




教室中に静かな空気が流れる。この空気の中、結果を伝えるのは私も少し勇気がいる事だった。




私「優梨花、、」

優梨花「はい、、」




優梨花の声も震えていた。だいぶ不安なんだろう。隣でお母さんも心配そうな顔でこちらを見ている。あれだけ頑張って勉強していたからより心配なのかな。そんなことを思いながら封筒から合否発表の紙を出す。




私「優梨花、これが結果です。」

優梨花「え、、」




そこには『合格』と書かれていた。難関校だったから実は私も優梨花が受かる確信は無かった。でもその高校に優梨花は合格していた。私も最初見た時はびっくりした。そして嬉しかった。でも優梨花は私以上に嬉しかったのかな。




優梨花「え!!先生これ本当ですよね!?!?」

私「本当だよ。優梨花おめでとう!」




その言葉を聞き優梨花の目から涙が溢れていた。優梨花は急に席を立ち、




優梨花「先生、ありがとう!!!」




泣きながら私に抱きついてきた。思わず私も抱きしめた。




お母さん「もう!優梨花!!先生に迷惑でしょ!!笑」




優梨花のお母さんもそうは言うものの微笑んでこちらを見ていた。




私「大丈夫ですよ笑」




優梨花の涙を見て私も思わずうるっとしてしまった。




私「本当におめでとうね!」

優梨花「はい!先生のおかけです!!」

お母さん「本当にありがとうございます!!」




そう言い次が控えているからという事で教室を出ていった。


次は颯斗の番。颯斗は面接で受けたけど、本人によると自信が全然ないらしい。あの自信満々の颯斗が『ない』って言うぐらいだから私も心配した。



ガラガラガラ



お父さん「失礼します。」

颯斗「、、、」




颯斗は無言のまま椅子に座った。ずっと俯いていて、私の方など一切見なかった。




お父さん「先生、、颯斗の結果の程は、、?」




お父さんが緊張した声で話す。




私「颯斗、、」

颯斗「茉夏先生、、俺、落ちてますよね。。」

颯斗が声を出したかと思えばマイナス発言。

私「どうしてそう思ったの?」

颯斗「俺。待ってる間はなんともなかったのに、、いざ面接官の前に行ったら今までに無いくらいに体が動かなくなって、、それで、、、」

私「うんうん。」

颯斗「緊張して上手く話せなかったから。元気にしてないと行けないって教わったのに。なのに俺は…」

私「うん。」

颯斗「だから俺、、落ちましたよね。」




今までないくらいのくらい表情だった。早く結果を伝えたい気持ちと颯斗が話してるのを遮りたくなかった。




私「颯斗、結果伝えるね」

颯斗「、、、」




そしてひらりと1枚の紙をだす。合否結果の紙。でも颯斗は見ようとしなかった。




私「颯斗、これを見て。」




そう言うと渋々と顔を上げる。その紙を見るが途端に




颯斗「は!?まじ!?!?」




急に大きな声を出すから私もびっくり。それもその紙には『合格』の二文字。




颯斗「お、おれ、てっきり落ちてるかと、、」

私「良かったね。」

颯斗「おう!!」




今までの颯斗の暗い顔が嘘みたいに明るくなった。私もそれを見て思わず微笑んでいた。




お父さん「良かったな!颯斗!!」

颯斗「ほんと、ほんとに良かったぁぁぁ」




颯斗はその場に崩れ落ちるかのように喜んでいた。颯斗も合格してくれて私としても嬉しい。

それから颯斗は笑顔で教室を出ていった。



これで2人は合格だってわかった。後は陽花が気になる。私は前の日に合格発表を全て目に通してるから分かる。でも入って来た時にそれを悟られないように落ち着いているのも意外と疲れる。颯斗、優梨花は無事に合格はできているけど、2人も合わせて20人中のだいたい6人は落ちていた。本当は全員合格して欲しかったけど、それは無理みたい。



ガラガラガラ

そしてついに陽花の番になった。私も今まで以上に緊張してきた。それは、、、


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