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◇◇◇◇◇


桜と若葉が卒業したタイミングで、桜が帰ってくることになったが、桜のわがままで若葉も一緒に住むことになった。

桜が若葉のご両親も説得済み。

結局、5人の同居が決定し、2人がマンションに引っ越していた。

それを機に早見さんの効率を考えて、俺の提案で同じマンションに別の部屋を借りて引っ越してもらった。もちろん、家賃は俺持ちです。

いろいろ、家のことも手伝ってもらえるので、大助かりです。


これらのおかげ?で、静と朱美の暴走が食い止められる副作用があったので、さらに結果オーライ。今までよく耐えたぞ!



「今日は、桜と若葉は、世田谷ダンジョンで探索だよな?」


「うん、そうだよ。」


「俺は早見さんと渋谷ダンジョンに行ってくるからな。大丈夫だとは思うが、油断しないようにな!」


「わかった。」


「私と朱美も世田谷ダンジョンに一緒に行ってくるね。探索はしないけど、見届けてくる。」


「おー。助かる。ご指導よろしくお願いします。

それじゃあ、早見さん!行きましょう!」


「了解です!」



◇◇◇◇◇



渋谷ダンジョンへ向かう車中。


「ついに、S級ダンジョンへの進出ですね。」


「ああ。松田さんも気合入ってるみたいだし。

でも、なぜ、俺たち呼び出されたんでしょうね?」


「わかりません。これも副大臣(仮)の仕事ということなので、仕方ないですね。」


「無色透明無味無臭ってなんなんだ!」



「それと、竜崎 麗奈さんの専属担当の堀さんから連絡がありました。竜崎さんが先日のお礼にお会いしたいとのことでしたけど、何かやらかしたんですか?」


「やらかしてないですよ!

お礼をってことですよね?」


「そうなんですけど、あの竜崎さんですよ。

干された方は数知れず。まあ、干された側の自業自得なんですけど。

なので、なんか、失礼がなかったか心配になったんです。

これは、純粋にお礼ということで、解釈してもいいんですね?お礼参りとかではなく?」


「そう言われると……。

なんか、怒ってたような気がする……。

少し前なんで、よく覚えてないんだけど。

竜崎さんって有名な人?」


「はぁ。橘さんって、この業界のことはまったく知らないんですね……。

まあ、わかってましたけど。

ある意味、すごいです。」


「すいません。

俺って探索者を一度やめたとき、そういう情報は一切遮断してたんで。」


「わかりました。あのですね。

橘さんでも、ドラゴングループは知ってますよね?」


「そりゃ知ってるよ。

いろんなところに出てくるからね。」


「はい、日本で一番有名な企業ですよね。

ドラゴン商事をメインに幅広い業種で展開している、日本で売上高1位のグループ会社です。

竜崎 麗奈さんは、ドラゴングループ創始者であり、現在の代表取締役会長である竜崎 宗一郎そういちろうさんのご令嬢です。

彼女自身も、何社かの役員をしています。

年齢は、橘さんと同じですが、資金力で、スキルをガン積みしてますので、相当の強さだと聞いています。」


「オー、ジーザス!そういうこと?

いや、こっちは助けたつもりなんだけど。

粗相があったかというと、やっちゃったかもしれない……。 どうしよう?」


「断ったら、断ったで、いろいろ問題が出そうなので、面談はお受けしておきますよ。

万が一のときは、お相手が気の済むまで、土下座してください。

日程と場所は、調整しておきますね。」


「オー、ジーザス!」



◇◇◇◇◇



渋谷ダンジョン。


「早見さん!すごい取材陣ですね。

藤堂さんは、目立たないように少人数でって言ってましたけど。」


「そうですね。流石に無理だったんでしょうね。」


「この中を行くんですか?」


「そうなりますね。諦めましょう。」


仕方がないので、取材陣の脇を通って、S級ダンジョンの入り口の方に進んでいった。



「早見さん!これはなんですか?」


「いや、私も聞いてませんよ!」



そこには、大きなステージが準備されており、そこに、デカデカと『祝・S級ダンジョン初入場記念式典』と書かれた大きな看板が飾られていた。さらに、その横には、ブラスバンドチームが控えている。


「早見さん!また、やられたんじゃないですかね?明らかに、大きなイベントの準備が整ってますけど。」


「とにかく、関係者の方に聞いて来ます。」



「橘さん、とりあえず、渋谷特別管理局の関係者控え室に入ってくださいとのことです。

行きましょう。」



◇◇◇◇◇



「あ!藤堂さん!お疲れ様です。

ちょっと、すごい人なんですけど!」


「あら。颯ちゃんに咲夜ちゃん!

早かったわね。」


「はい、余裕を持って来ました!

じゃなくて!

少人数って言ってませんでした?」


「そうね。かなり制限したからね。

思ったより、少なくなったわね。」


はぁ。なるほど。

これで少ない訳ね。とほほ。

俺たちの勘違いってことね……。



「おー!橘!来てくれたのか!」


「松田さん!いよいよですね!」


「ははは!もうな!

この感じがたまらんわけよ!わかる?

S級ダンジョンだぜ!

まったくの未知の世界だ!

何もわからない世界!

くーーー!たまらんな!

橘には、感謝してもしきれん!」


「龍作ちゃん!早く来たのね!

ずいぶん楽しそうじゃない!」


「そりゃそうよ!A級もワクワクしたが、それでも、すでに、先人の地図があったわけよ。

だが、今回はまっさらだ!

これよ!これだよ!まさに浪漫だよ!」


「ふふふ。昔のように戻って嬉しいわ。

まさにダンジョンオタクね。」


「ははは!褒め言葉と受け取っておこう!」


今回の探索では、松田さんは、1ヶ月を目処に、S級ダンジョンに潜って、まずは、中の様子を調査する予定みたい。

国から、虹スキル『アイテムボックス』を授与され、そこに1ヶ月以上の滞在ができるよう、あらゆる物資をぶち込んだとのこと。

ちょっと、『アイテムボックス』は憧れるな。羨ましい。


それから、続々と大物関係者が駆けつけ、盛大にイベントが進行されている。


俺たちも、結構な前列でそれを見ていた。


関係者の中で、早見さんから覚えておいた方がいいと言われた人物が何人かいる。

いわゆる、業界の権力者というやつだ。



まずは、防衛大臣のつつみ 忠勝ただかつ

この人は、探索省をよく思っていない、反探索省派の筆頭。

松田局長時代から、探索局が、防衛省を飛び越えて、優遇されていたことで、探索省を目の敵にしている。

なお、防衛省と探索省の分離に伴い、ダンジョン内でのモンパレなどの処理は、探索省の管轄だが、スタンピードなどの外の処理については、防衛省の管轄となっている。



次に日本探索者協会会長の狩野かのう 素子もとこ

いわゆる、協会のトップ。現役A級探索者。

颯が抜くまでは、東日本ランキング1位。

宗方、松田、藤堂とも旧知の仲で、昔はアイドル探索者だったらしい。今も強くて美しい。

親探索省派の筆頭。



最後に先述の竜崎 宗一郎。

今日は、日本探索者協会特別顧問として参加している。外部役員でありながら、影響力から実質協会ナンバー2と言われている。

こちらも、宗方、松田、藤堂とも旧知の仲ではあるが、何事も、第三者視点で判断する、防衛省・探索省中立派筆頭。



では、イベントに戻そう。


関係者の祝辞も終わり、宗方総理大臣の激励のスピーチ!


この人、ボリューム調節を考えて!

マイクオフでも十分やろ!


でも、ものすごく熱意が伝わるスピーチだった!熱すぎる!ちょっと涙。



最後に、松田さんの出発の挨拶になった。



「俺が、S級探索者の松田だ!

今日、こんな素晴らしい日が迎えられるとは、少し前までは想像してなかった!

まずは、みんなにありがとう!と言いたい。

今、俺は猛烈に浪漫を感じている!

言葉では表せないくらいだ!


俺は、長い話は苦手なので、これがすべての人たちへのメッセージだ!

特に、この機会をくれた奴!よく聴け!


『あとは、すべて俺に任せておけ!』


以上だ!」


うおー!うおー!うおー!

パチ!パチ!パチ!パチ!パチ!


最後、松田さんの目線が俺に向けられたのがわかった。

また、俺は笑いながら、泣いた。


このあと、ブラスバンドチームの演奏の中、松田さんが、S級ダンジョンへと消えていった。


S級国家日本の新しい1ページが、今開かれようとしていた!がんばれ!松田さん!


◇◇◇◇◇


【オー!マイ・ダンジョン!】-拾ったスキルで成り上がれ!-

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