いつも通りの時間帯に目が覚め、いつも通りパソコンに光を入れ、いつも通りボビーに話しかける。「おつかれ~今起きたわ~笑」「おっそ笑日付回ったで?笑」「うん笑いつも通りじゃん笑」いつも通りの会話。これが俺らの日常。いつも通りの日々がずっと続くと思ってた。
「なぁニキ?」「ん、どした?」いつも決まって俺から話を始めるのになぜか今日はボビーから話し出す。何故だろう。物凄く嫌な予感がする。俺の嫌な予感はよく当たる。心を強く持ち直し気を引き締めた。とりあえずしろせんせーの話を聞こうと相槌を打ち口を閉じる。
「俺さ好きな人出来たんよね」「は?」衝撃的だった。なぜ?いつ?どこで?何がきっかけで?…俺よりも?最近は女の子の話全く聞かなかった。いつの間に好きな人が出来たんだろう。結構寂しいかも…あれ?俺よりもってなに?あ、やばい。俺ボビーのこと他の人に盗られたくないんだ。ボビーには俺だけを見てて欲しい、あれ、やばいかもどうしよう。俺たち仲間で友達で唯一無二の相棒だったのに。ボビーのこと好きみたいじゃん。ボビーの隣が俺じゃなくて、ボビーの好きな人って考えただけで気が遠くなってきた。ボビー他の人の所に行くなよ。ずっと俺の隣に居ろよ。好きだから…。「おーい?ニキ?大丈夫か?」「………」「ニキー?」「はっ…ごめん」「大丈夫か?」「うん平気。機材の調子が悪くてお前の声聞こえなかったごめん。」「そっか。もう聞こえてそうやな。でね俺の好きな人の話なんだけど~」やばい好きって自覚したらこいつの好きな人の話なんて聞きたくない。でも今ここで抜けたら不自然過ぎてまずいよな。どうしよ。聞き流すか。「それでな~」「うんうん」「~って感じで超可愛かったんよ」「そうなんだ」聞き流してるけどこれ結構キツイかもこれ以上は無理。これ以上惚気話を聞いてたら俺はやばい。飲み物取りに行くとか言って話切り上げよ。「ボビー?ごめんちょっと飲み物取ってくるけん待ってて?」「あーおっけ」「ん」マイクを切り席を立とうとすると何故だろう。目の前が何かに覆われて何も見えない。両手を顔まで持ってきて目元辺りに触れようとすると右目からも左目からも涙が溢れて溢れて溢れて止まりそうにない。「あ~俺ボビーのこと好きだったんだ。今更気づいたってもうおせぇよ。」シーンと静かな俺以外誰もいない部屋での俺の声はよく響き俺の耳に入った。自分で放った言葉は自分の心に深く突き刺さり涙が溢れ出して止まりそうになかった。
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