テラーノベル
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こんにちは!明花永です。本日もこの作品を開いていただきありがとうございます。初心者でまだあまりよくわかっていないのですが、目を通していただけるだけでありがたい限りです!
屋上へ向かうと、先客がいた。
「授業とかだりぃな。放課後なにする?」
「もう放課後の話かい? すまないが、今日は予定があるんだ」
「はぁ、つまんねぇの。……って、面白い奴が来たじゃねーか」
その声を聞いた瞬間、私は小さくため息を吐いた。
――なんでこいつら、こんなに早く学校に来てるんだ。そこにいたのは、朝から屋上で時間を持て余している二人の問題児だった。 「はぁ……あんたたち、意外と早いよね」
それだけ言って、その場を離れようとする。すると、
「おい、何してんだよ」
と呼び止められた。
「なに?」
振り返った瞬間、手を掴まれる。そのまま引かれ、さっきまで一緒にいたもう一人を教室へ戻すよう促された。意味が分からない。何をしたいのかも分からない。女遊びが酷くて、図体が大きく、その上どこか人を威圧するような雰囲気を持った男。そんな奴と、できることなら近くにいたくない。私は警戒しながら、その場に立っていた。
「あの男と、なんの話してたんだ?」
弥寿が顔を覗き込むようにして聞いてくる。
「は? なんの話?」
わざと知らないふりをする。
「とぼけるなよー。さっき教室で話してただろ? 最近起きた事件のこと」
「……わざわざ、それを話すために呼び止めたの?」
「悪い?」
「何を聞きたいわけ?」
そう問い返したところで、校舎に鐘の音が響いた。私はこれ以上話す気はないと、弥寿を冷たく見た。
「あんたなんかに話すことなんて、何もないから」
それだけ言い残し、私は屋上を後にした。
昼休みになると、私は用事があって一年生の教室へ向かった。
「伊織くん、いる?」
教室の中へ顔を覗かせて尋ねると、近くにいた生徒が快く伊織を呼んでくれた。
「朱恋ちゃん! お久しぶりです。何かありましたか?」
駆け寄ってきたのは、尼貸伊織(あまかし いおり)。私の一つ下の後輩で、小学生の頃から私を知っている子だ。
「あぁ、この前言ってた櫻井先生の過去問。ほら」
持ってきたプリントを渡す。
「伊織は何事にも熱心だよね。部活でも成績残してるらしいし。頑張って」
そう言って用事を済ませ、その場を立ち去ろうとする。
「ありがとうございます! あっ、ちょっと待ってください」
呼び止められ、振り返る。伊織は何かを取りに行くように教室の中へ戻り、少ししてから小さなものを手に戻ってきた。
「これ、朱恋ちゃん好きですよね! お礼です」
差し出されたものを見て、私は少しだけ目を細めた。伊織はいつもこういう子だ。何事にも丁寧で、人への気遣いを忘れない。私が知る限り、学校の中でも特に出来る子なんじゃないかと思っている。ただ、私は学校ではあまり人と話そうとしない。それもあってか、クラスの人たちとはあまり上手くいっていなかった。部活を通して広まっているのか、後輩の中にも私をよく思っていない人間が一定数いることも知っている。けれど、私はもともとそういうことを気にする性格ではない。嫌われていようが、陰で何を言われていようが、どうでもいい。
――ただ、一つだけ気になることがあった。私と話していることで、伊織まで何か言われるのではないか。それだけが、少し気がかりだった。
その日の放課後。三年生の授業が早く終わったらしく、校舎にはいつもより早く帰ろうとする生徒の姿があった。私もできるだけ早く帰ろうと、自然と歩く速度を上げていた。そのとき、背後から声が聞こえた。
「先輩が走るなんて、学校の規律が乱れますね」
わざわざそんなことを言ってくるのは誰だ。そう思いながら振り返る。そこにいたのは、倫城永花(りんじょう えいげつ)だった。弥寿のいつも隣にいる男。そして、私が特に警戒している人間の一人でもある。永花だと分かった時には、もう遅かった。後ろから弥寿がひょこっと顔を出す。
「あ〜、朱恋さんじゃーん。朝の話の続きしよ〜」
まるで逃がす気がないように、こちらへ近づいてくる。どうやって追い払おうかと考えていると、弥寿のところへ教師から声がかかった。「葉郷、ちょっと来い」
弥寿は面倒そうに振り返る。「え〜。めんどくさ。はいはい、今行きますよー」
そう言って、私たちから離れていった。残されたのは、私と永花の二人。私はそのまま帰ろうと歩き出す。すると、背後から声がした。
「今日の朝の話は、どういうことですか?」
まるで、最初から聞いていたかのような口調だった。
「……なんのこと?」
振り返らずに答える。
「とぼけるとは。まるで、話したくないことがあるようですね」
「盗み聞きしておいて、よく言うよ」
私はようやく振り返った。
「私はまず、あまり人と話そうとは思わないからね。盗み聞きするくらいなら、聞きたいことがあるなら面と向かって聞いてくれば?」
永花の表情が、わずかに曇った。けれど私は気にせず、再び前を向く。そのまま歩き出した。
――それにしても、永花がわざわざ朝の話を聞いていたことを尋ねてくるのは妙だった。何か引っかかるものを感じる。けれど、その時の私は、それ以上深く考えようとはしなかった。
藍碧
49
#一次創作
抹茶アイス
26
コメント
1件
第2話読み終わったよ!朱恋、クールでかっこいいな〜。弥寿と永花みたいな奴らに絡まれるの、めっちゃウザそうだわ。でも後輩の伊織くんには優しいところとか、ギャップがいいね。あと永花が盗み聞きしてたって展開、なんだか不気味で気になる。事件の話って何だろう?もっと読みたくなった!