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私は花園梨々愛。前世で好きだった乙女ゲームの悪役キャラへ転生してしまい、現在ストーリーが始まる前の段階。なんだけど…。ヒーローの一人である風入蓮と同じ部屋になってしまうことになった。女装してはいるけど、男子と女子が同じ部屋ってどうなのよ!セキュリティシステムガバガバじゃない!
「?どうかしたんですか?体調でも悪いんですか…?」
「いや、大丈夫よ。えっと、蓮ちゃんよろしくね…」
「はい!あの…良ければ梨々愛ちゃんと呼んでもいいですか…?」
「もちろんいいよ!」
これが普通の女の子だったらめちゃくちゃ嬉しいのに…ヒーロー…しかも同じ部屋…あああ…
「じゃあ、前の列の貴方から、挨拶していきましょうか。」
「はい。私は〜〜〜です。よろしくおねがいします。」
「はい、次の人。」
「私は〜〜〜〜〜〜よろしくお願いします!」
ああ、次私の番かあ…まあ、みんなが言ってることと同じでいいでしょ。
「私は花園梨々愛(はなぞのりりあ)です。作法クラブに入りたいと思っています。よろしくお願いします。」
ふう…なんとか終わらした…。前世のときもそうだけど、自己紹介って毎回緊張する…。
「プリントを配るので入りたいクラブと名前、クラスを描いて明日の17時までに私のところに持ってくるように。見学はプリントを提出した後でもできますから安心して。」
…そういえばこの学園にはクラブが8つあるんだった。1つ目はさっき私が自己紹介で言った作法クラブ。お茶会での作法や、学園で定期開催されるダンスパーティのダンスの練習などを主にするクラブ。ちなみに私が入りたい理由はダンスがすごく下手だから。足なんて踏んだりしようものなら婚約者の秀一様に顔向けできないからね。練習しても全然上手くなんないから、とにかく頑張るしかないけど…。2つ目は茶菓子クラブ。前世で言うところの家庭科部。お茶の上手い淹れ方とか、お茶菓子の美味しい作り方とかを主にするクラブ。作法クラブが駄目ならこのクラブに入りたいな。料理だけには自信があるから腕を磨きたいし。そして3つ目は読書クラブ。好きな本を読んで感想を共有する。あとオススメの本とかを教え合ったりするクラブ。図書委員の人はだいたいここから選ばれる。真面目な人も多いらしいし、友達作るためにここにも見学に行きたいな。次、4つ目は詩詠みクラブ。詩を作って月で3回発表をする。先生役になってアドバイスしたり、アドバイスしてもらったりするクラブ。貴族はここに入ることが多いらしい。5つ目は乗馬クラブ。文字通り馬に乗ってレースをしたり馬の正しい知識を学んだりするクラブ。たまーに馬の出産を見ることもあるらしい。見てみたいなあ。6つ目。絵描きクラブ。前世で言うところの美術部。絵を描いてコンクールに出したりするクラブ。たまに卒業生がアーティストになることもあるらしい。すごいよね。絵の才能は前世からちっともないや。7つ目は裁縫クラブ。前世で言うところの家庭科部。まあこっちは裁縫のほうだけど。毛編み(前世で言う髪ゴム)を作って恋人にプレゼントしたり、ハンカチを作って友達にプレゼントしたりするクラブ。行きつけのドレス屋の店主さんはここのクラブの卒業生らしい。どおりでいっつもレースを縫う手が早いわけだ。次、8つ目はコーディネートクラブ。月に2回コーディネートコンテストが開催される。コーディネートと言っても、服だけじゃなく髪やメイクなども審査基準に入るらしい。よくコーディネートコンテストでお世話になるから裁縫クラブと仲が良い人が多いらしい。さて、こう考えてると素敵な部活がいっぱいあるな。私はどれに入ろうか…。うーん…まあやっぱ作法クラブにしよう!
『作法クラブ 花園梨々愛1のB』
第5話 おわり