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―とある裏路地。―
薄暗い裏路地。
誰かが歩いていた。
その人物は片手に何かが書かれた布切れを持ち。
背中には大太刀と日本刀を背負い。
右目を常に伏せていた。
コツ…コツ…と、ブーツの音が鳴る。
スーツと白いマントの裾がはためいた。
伝令だと、スーツのポケットのデザインからわかる。
その伝令は、とある住民にその布切れを渡す。
こう言いながら。
「人差し指の伝令です。…指令です。遂行願います。」
と。
その指令を受け取った住民は、誰彼構わず目を見張る。
反応は人それぞれだった。
困惑する者。
目を見開き泣き叫ぶ者。
絶望する者。
無感情にも遂行する者。
楽しそうに遂行する者。
指令は人それぞれだった。
ただ、普通の指令とはちがう。
例えば。
「貴方の描いた絵を殺せ」
だったり。
「L社の巣にいる37歳の脊髄を抜き取れ」
であったり。
「親指を殺せ。期限は無制限」
だったりと。
あまりにも支離滅裂な内容が多い。
その伝令は、稀にその対象者から頼まれた時だけ、指令やその他に関する助言や、アドバイス、相談に乗った。
無論、その伝令自身も、指令の残酷さに苦しめられているのは言うまでもない。
左目の青の瞳が、冷たく光を反射した。
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