テラーノベル
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【教室】
「……っ」
顔を上げた。
ここは――教室?
「やっと起きたー! ゆめ、一時間寝てたんだよ? 生きててよかったわ」
流子の顔。
教室のざわめき。
いつもの日常。
「……寝てた……?」
あれは――夢?
いや、あんなにリアルな夢、ある?
「次、移動教室ね! 図工だよ!」
予定表を見た。
戻ってる。
さっきまで真っ白だったのに。
図工室に入った。
明るい。
夜じゃない。
電灯もベンチもない。
もちろん――テディも。
(……夢だったの……?)
チャイムが鳴り、授業が始まる。
でも、視線を感じた。
誰も見てないはずなのに――
カバンの中から、微かな笑い声がした。