「んぁ、朝か、」
そういえばあの人形、まだ届いてないや、
そう思いながら朝ご飯を準備する
今日は珍しく朝早く起きて時間があるのだ
少し豪華にしようと思い、思わず笑みが溢れる
「フレンチトーストを、作ってみようかな、」
随分前に作り方を習ったが、一度も作った事がない、
幸い豪華には出来ないが、材料はある
「えっと、卵に砂糖ってどれぐらい入れるんだっけ、」
思わずスマホに手が伸びる
取り敢えず”フレンチトースト 作り方”と調べる
時間が掛からなさそうなレシピを選び表記通りに手際よく作る
「あ”っつ」
時折跳ねてきた何かが皮膚に当たり思わず声を漏らす
だが、これが出来ればゆっくりする時間ができるとウキウキな気分で作る
-15分程経ち-
「おし、できたっ、!」
初めて何かができた時の子供のような表情になる
頂きまーs(((
ピーンポーン
「郵便でーす」
朝早くなんだよ、折角気分がよかったのに、と思いながら玄関に向かうとやけに大きな箱を持った宅配員さんが立っていた
「判子お願いしまーす」
「サインでいいですか、?」
「大丈夫ですよー、じゃあ、此処にサインお願いします」
「有難う御座いましたー」
サインを書き終わると箱を置き足速に去る宅配員さんを見てなんだ、無愛想だな、と思いながらその大きな箱を部屋の中に入れる
「あ”っ、フレンチトーストが冷めるっ、!」
と玄関に箱を入れ終わり直ぐに走ってフレンチトーストに手を伸ばす
「おいひい、」(美味しい)
勿論食べるのはいつも遅い方で作る時間より食べる時間のほうが掛かるが、今日は絶品だったのだろう
10分程で食べ終わり足速に皿を片付け、時計を見ると学校に行くまでまだ時間がある
どうしよ、何しよっかな、!
朝からゲームとか…
ガタガタッ
「な、何、!?」
玄関のほうから聞こえる…
恐る恐る玄関の方に行くと其処には今朝来た段ボールしかなく首を傾げる
「猫、かな…?」
ガタガタッガタガタッ
「ひゃあっ、なにっ、!?」
目の前の段ボールがさっき聞こえた音よりも大きく激しく揺れている
恐る恐る段ボールに手を伸ばすが、また揺れたらどうしようという考えと共にゆっくり開ける
段ボールが開く瞬間に目を閉じる
しかし其処に入っているのは昨日アンティークショップで買った美しい人形だけ
「なんで、ガタガタ言ったんだろ、」
その疑問を頭の隅に、人形を持ち上げるすると、
『俺にっ、!
気安くっ、!
触んじゃねぇっ、!』
「わぁっ、!
な、なにっ、!?」
思わず人形を落とす
『っ…いってえな、!
何落してやがんだてめぇ、!』
「え、あ、え、?
人形、!人形が喋った、!!」
『人形じゃねぇ、!
俺は悪魔だ、!』
目の前にいる悪魔とやらが姿を変える
「え、!?
ちょ、まって、どゆこと、?
え、とりま、警察っ、!
不法侵入、!」
思いつく言葉を叫びながらスマホの方へと走る
『おいっ、!
待てっ、!』
思いっきり腕を引っ張られる
「な、何っ、!?
セクハラっ、!」
『うるせーなちょっと黙れ』
「んー、!」
口を手で塞がれる
それでも必死で何か言わなければ、!
殺されるかもしれない、
『まず俺が人形になってた理由を話してやるよ』
そうして意味のわからない悪魔とやらとの生活が始まる…??
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