プールの中の無数の白い手に包まれているピンク髪の少年。
俺は即座に判断し、指示をする。
「りうら!あの七不思議はお前が祓え!」
「了解!」
「ほとけ!周りに他の霊が居ないか確認しろ!居たら祓え!」
「分かった。」
「初兎!お前は周りの人が居ないか確認してくれ!」
「了解!」
「アニキ!ほとけと同じで周りに他の霊が居ないか確認して欲しい!」
「分かった!」
「俺はあの少年の救助に行く!」
「皆、任せたで!」
りうらが白い手を切った隙に少年を引き離す。
そして少年を床にそっと寝かせた。
トッという音と共にりうらが飛んだ。
プールの中心に槍を突き刺す。
『雷鳴!』
雷が水の中に勢い良く落ちた。
痙攣する白い手。
水の中にゆっくりと波紋が広がる。
暫くすると白い手はぱたり倒れ灰になっていった。
七不思議を祓ったのを確認して、少年の様子を見る。
「やばいな、。」
顔は青白く、呼吸が出来ていないのかヒュウヒュウと喉を鳴らしていた。
「ちょっと、ごめんな、。」
俺はそっと少年の頬を掴み、唇を合わせ息を吹き込んだ。
口を離し、息を吸った後また唇を合わせ息を吹き込む。
どれくらいそれを繰り返しただろうか、
「ゴフッ、、ガハッ、、、」
水を吐き出し、咳き込みながら少年が目を覚ました。
「大丈夫か?意識あるか?」
「、、、、。」
声が出せないのかこくこくと首を振った。
起き上がろうとする少年に
「無理に起きたらあかんで、今は寝といていいから。」
と言った。
そう言うと安心したのか目を閉じ寝息をたて始めた。
少年を家まで運ぶためにお姫様抱っこをする。
「軽っ、。」
周りを見ると皆役割が終わったようでこちらを見ていた。
「ねぇねぇ、if君その子どうするの?」
そう言いながら俺の腕の中に居る少年をチラリと見た。
「そうだよ、俺たちその子の家知らないよ。」
「そやな、その様子じゃその子相当疲れてるから休ませなあげな、、。」
「大体、その子、、。」
「分かってる。そやけど、一宣この子を連れて帰って休ませな、。話はそれからや。」
そう言って俺は4人を引き連れ、家路を急いだ。
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