中学卒業を控えた前日、私は振られた。
中学二年の三学期。私はとあるゲームにハマっていた。「ゼペット」という自分でキャラを作り着せ替えをしたりワールドなどで遊んだり人とコミュニケーションをとるゲーム、初めは”楽しくない””これの何がいいのかな”ってなってたけどいざ初めて見ると案外ハマるものだ。ゲームには色々な昨日もあって、グループなど作れるのだがその中に”BL”という文字があった、BLとは「ボーイズラブ」男性同士の恋愛だ、ここだけの話私は男性になりたかった。学校の制服は当たり前のようにスカート、ズボンをはいてる男子がいつも羨ましく母が買ってくる服はフリルやリボンのついたワンピース等など、女の子らしいものばかりだった。学校の先生には何度も聞いた「女子もズボンはないんですか?」けれどいつも返ってくる答えは同じ「女子はスカートかな」と、それを聞くたびに私は女子だと気付かされる。そんな毎日が嫌で、女の子だからという言葉が嫌で、せめて外見だけでもと思い髪を短く切ってなるべくズボンをはいて。少しの惨めな反抗。それくらいしか出来なかった。そんな生活をしていたからか、ゼペットのキャラ設定を男に変えた。好きなズボンに短い髪、高い背、私の理想をすべていれたキャラ、どうせゲーム、性別はバレないそう思い男性キャラに変更後BLグループに入った。人数は6人ほどだが結構盛り上がってる。そんな中で声をかけてくれた人がいた。名前は…忘れたが話しやすくいかにも”陽キャ”という感じだ、少し話してフォローリクエストがきたのでリクエストを承認しDMで話初めた。ここからの話、正直恥ずかしいのだが、その後ゲームの中でのみのセフレになった。ゲームのみ、なのでDMで喘ぎ声などを送りいかにもやっているかのような感じだった。そんな厨ニじみたことを一ヶ月ほど続けていた。相手は成人済みの男性、飲みに行った時や仕事の話をよく聞かせてくれた。そんな話をしてる時間さえ楽しい、けどそれと同時に男子高校生と嘘をついているのが申し訳なくなってきた。正直に話そうと考えた、けどこの関係が崩れるのが嫌で言えなかった。けどやっぱり言おうと思い、後日打ち明けた。自分が中学生のこと、性別が女の子と等正直に、すると驚く答えが返ってきた。「自分も中学生の女だ」そう言われ私は凄く嬉しくなった。これはのちに私の後悔と黒歴史になる。それから、私の心配してた関係が崩れることはなかった、なんならもっとしたいくなり三ヶ月が経とうとした時、ゲームではなく正式に付き合うことになった。女性同士の同性愛、私はバイセクシャルの為なんともなかった。相手…ナツのことを好きだった為もちろんすぐに決めた。付き合った頃にはもう中学三年生になっていた。ナツは四国、私は関西のため中学生、受験期の私達はなかなか会うことが難しいので毎日LINEと通話をして過ごしていた。三年生後半になるとお互い連絡するのさえ難しくなっていた。私は親が決めた看護科のある学校に行くのが決まっていた為毎日塾三昧。お陰で死ぬかと思った、でも毎日の通話は欠かさない。それが私達の付き合い方だったから。私立受験まで残り一ヶ月を切った1月上旬、急に言われたのは「今月会いに行ってもいい?」のナツからの一言。「私は来てくれるの?」と再度確認し、二泊三日の泊まりでうちに来ることになった。受験前の最後のご褒美、そう思い私は母たちに確認して泊まる確認をし承諾をもらいナツが来る日を待った。前日は楽しいで寝付けず通話をしていた。当日、私は塾の為迎えに行けなかったので友達が迎えに行ってくれた。塾の時間がいつもより遅く感じる、早く、早く、早く!さっさと終われ!そう強く思いながら時計しか見ていなかったので塾長にしばかれた。待ちに待った終了の合図、走って家に帰り準備をし自転車に乗って駅まで急ぐ、手が寒くて今すぐポケットに仕舞いたいといつもは思うのに今日は全く思はない。約束の時間十分前に着きLINE画面を確認。新着メッセージはない、まだかまだかとずっと心で思いながら待っていた。…いい加減大人しくしよう、子供みたいに騒ぐな。とか思っていたら「ひなた」と声がした。聞き覚えのある声なので友達だろう、視線を向けると友達の横にいた、互いに写真は送りあっていたので顔はわかる。二人が改札を出てこちらを見る、それと同時にナツは荷物を持って私の方に走ってくる。眼の前に来た瞬間三泊するときに持っていくほどの大きなキャリーケースを置き優しく私を抱きしめた。もちろん私も抱きしめ返す。少しすると迎えに行ってくれた友達が「いつまでしてんねん」と突っ込まれ離れた。階段で地上まで上がり私の自転車を取りに行ったあと友達の家に向かった、道中は話が盛り上がって楽しく過ごし友達の家に到着、今日は友だちの家に泊まってもらう。母に頼み込んだが2日は駄目とのこと、夜からまた塾があったので五時くらいまで話したあと一度帰宅し塾へ向かう、授業が始まる少し前にLINEが来た。「今日は何時に終わる?」「今日は22時だよ」「迎えに行っていい?」「いいの?場所わかる?」「わかる、あやに聞いた」「じゃあお願いします」「はーい!」正直めっちテンションが上っていた。その後気を抜くとニヤついて居るようで先生にまたしても叩かれた、22時になってLINEをすぐさま確認すると「下で待ってる」とメッセージが来ていてすぐ窓から確認した。ドア付近に一名座っている人がいた。すぐに準備を済ませて階段を降り声をかける「ナツおまたせ!」すると笑顔で「お疲れ様」と手を差し出してくれる、差し出してくれた手を握り返し手を繋いで帰る。高校生にならないと会えないと思っていたので凄く幸せだと感じた。歩きながら話をしていると後ろから話し声が聞こえる、振り返ると塾の女子メンバー二人がこちらを見ながらニヤニヤしている。「何!」と照れながら聞くと「何も~」とだけ言い帰っていった、なつはそれを見て笑っている。こんな日常が毎日ならどれほど幸せか、どれほど楽しいか、そう考えながらその日は解散した、帰ってから少しだけ通話をし眠りにつく。その日はなんだかいい夢を見た気がした。
かなり朝はやくに目が冷めた。約束は10時から、まずはお風呂に入ろう、早朝なのでかなり肌寒く自室を出て一回にあるお風呂に向かう。家族はまだ寝ていていつも兄弟や両親、テレビや何かしらの音が全く無くとても静かだった。脱衣所に着き服を脱ぐ、向いだ服を洗濯機に入れシャワーを出すと冷たい水が出た、少しするとすぐに暖かいお湯に変わり頭からかけた。少し眠かったがシャワーのお陰で目が冷めた、シャンプーにコンディショナー、ボディーソープを済ませすぐにお風呂から出た。寒いのでバスタオルですぐに体を拭き服に着替えた、洗面台の前に立ち準備をする。ドライヤーとヘアオイル、メイク道具等もろもろだ、髪を軽く乾かしオイルを塗りまた乾かす。その後前髪をヘアピンでとめ下地や日焼け止めクリーム、ファンデーションを塗る。一時間もすれば完成だ。朝風呂のおかげか調子がいい、最高の日になるだろう!そう思い他の準備を進めた。10時頃、あやの家にナツを迎えに行った。準備は終わっており、荷物を持ってデートに向かう。今回は本屋にお揃いの物を買うのが目的だ。近くの少し大きなイオンモールに決定しそこへ向かう。行き道はのびのびと歩いて行った、道中の話は昨日と同じとても楽しく幸せだった。本屋に着き二人ですぐに向かったのはBLコーナー、今夜は鑑賞会をする予定にしている。たがいに目当てのものを探す、ナツのはすぐに見つかったものの私のはなかった。私が落ち込んで居ると「私、これ持ってるから次来たときに貸すよ」そう行ってくれた。私は本が読めることより次また来てくれると言う言葉がとても嬉しかった。これからの未来の話しをしてくれる人はいい人と聞いた事がある。そんなことを思いながら一日が過ぎた、あっという間な時間でこの日は私の家に泊まる予定なのでそのまま我が家に帰宅し自室で鑑賞会を初めた、互いに本をだし読み本の感想を言いそんなことを何時間かしたあと夕食を食べお風呂に入る。先にナツが入ったのでその間に布団の準備をする、映画も見て見たいとなったのでpcも用意した。数十分後ナツがお風呂から上がったので私も交代で入る。一緒に何を見よう、何をしよう、そんなことを考えながらお風呂から上がり自室に戻った。ナツがスマホを見ている、「ナツ」声をかけると「ん?」と振り向き返してきたので「髪乾かそっか」そういいドライヤーをコンセントにつけナツの髪を乾かす、茶髪に染めた髪、傷んでいるのか髪が細くすぐに乾いた。「貸して」と私の目の前に手を出すのでドライヤーを渡した、私の後ろに回って髪を乾かしてくれる、乾かしてもらうなんていつぶりだろうと思いながらスマホを手に取る、その後二人でアニメを見たりプロレスをしたりとはしゃぎにはしゃぎいつの間にか二人共寝ていた。
朝、またもや早く起きてしまった私は目の前を見るとナツが居る。ぐっすりと寝ていて可愛らし、愛おしい、そんなことを思っていた、「…ひなた?」「ごめん起こした」「うんん、今何時?」「今は五時半」「もう少し寝る」「わかった」そう言いまた眠りに入る。移動しようと思ったけれどがっしりと抱きしめられて出れない、仕方なく近くに置いていた漫画を手に取り読む。そうするといつの間にか眠っていた。誰かが私の名前を呼ぶ、「何、」「もうすぐ9時半」「…え、」飛び起きるとナツがこちらを見て笑った、「おはよう」「おはよ」朝の挨拶をして急いで準備を済ます、いくら同性でもすっぴんはありえないナツは「いいよ」「かわいい」って言ってくれるけど流石にない、30分ほどで済ませ一階に降りる。家族は朝食中だが「おはよう」と声をかけてくれた、席に付き朝食を済ませどうしようかと話をしていると両親が目的地まで送ってくれるとのことなのでそれに甘えさせてもらうことにした、出発は11時半現在10時半、もう少し準備を念入りにできると確信し急ぐ、ナツはそれを見て楽しんでいる。準備が終わり車に乗り込む、両親が仲良く話して居る時私達も仲良く話していた、こっそり手を繋ぎ顔を見合わせては笑った。目的地に着きまだ2時間ほど時間があったので近くのお店を散策することに、帰りのバスで食べるパンやお土産、色んなとこを見て周った。楽しかったしこの人が好きだとも改めて思った、帰って欲しくなくてずっと手を繋いでた。バスの時間が近くなったのでバス停の向かう。30分前にはついていたので写真をとったり次会う話をする。「次は陽菜がそっちに行ってもいい?」「じゃあさ今度またうちがこっち来て泊まった後交代で陽菜が来たら良いじゃない?」「それいい!」「やろ」「香川行ったらうどん食べたいかも」「うちの兄ちゃんうどん屋でバイトしてるで」「そうなんや」「うん」「仲良いん?」「良くないよ。キモいしうっとしいし」「めっちゃ言うやん」「事実やもん」それからバスが来るまで待ってたけれど時間になっても来ないのでまだかまだかと言いながらも帰ってほしくなかったけど言えなかった、10分程遅れてバスが到着しチケット確認を済ませバスに乗った。バスの席は私のいる方とは反対側なので手を振ったりはできなかったけど帰りのバスでLINEをしてくれていつも通り夜に通話をして終わった。次の日からまたいつも通り毎日通話、日中は私は学校にいるから連絡はできないけど学校が終わると急いで帰って連絡を取る毎日。付き合ってもうすぐ一年、私も受験が終わりやっと落ち着き遊びほうけていて卒業式が近づく、私は卒業式の準備で忙しくなり始めた、「卒業式行けたら行こかな」とナツの言葉が嬉しかった。もしかしたら本当に来てくれるかも、会えるかも、と期待を寄せながら3月13日、卒業式の日の前日明日の髪型とかを決めていると1件のメッセージが来た。
「別れよ。」
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