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「なぜ!?なぜこんなことをしたの!?」
俺はいま、かなり不味い状態だ
「あなたには心がないの!?」
逃げ出せない…
「私の家族を返してよ!!」
…!
…俺の“家族”は返らないんだ
「どうしてこんな事を…一から説明して!」
どうして?
「理由は…」
俺はその時、初めて口を開けた
「放課後、皆で遊ばない?」
「いーね、賛成!」
「あっ、二階堂!おめーも放課後遊ぼーぜ!」
「ごめん、無理」
そういうと俺は駆け出した
俺は二階堂 章斗(にかいどう あやと)
…らしい
詳しいことは全くもって知らん
「二階堂 有乃様宛…」
俺はポストに入っていた封筒を見て呟いた
有乃宛に手紙がくるなんて珍しかったからだ
有乃は俺の親みたいなヤツだ
“孤児だった俺を拾った恩人”のほうがアイツ的にいいのか
「よぉ、おかえり
お菓子でも食うか?」
「…ただいま」
こいつが有乃だ
…っていうか、1日でよくもこんなに部屋を荒らしたな
「あれだけ綺麗にしろと言ったのに」
「悪かったな、へへっ」
全くもって能天気なヤツだ
…でも、こんなヤツだからいいんだ